全国ランキングトップ10に入る約250万人規模の初詣客が押し寄せる住吉大社総本社に最も近い駅。
その正面鳥居前のレトロな雰囲気を残す紀州街道の併用軌道上に陣取る、単式2面2線の停留場。
上町線の公式の終点である住吉公園駅(南海本線の住吉大社駅)とは実に100mほどしか離れていないが、住吉公園駅は朝のみの営業に大幅格下げされたので、阪堺電車のほとんどは当電停から発車する。
外観・駅周辺
住吉大社の正面鳥居前の信号を上りと下りの単式の駅が挟む格好となっている。文字通りの駅名だ。
電停付近から鳥居を背にして西側を望む。南海住吉大社駅が肉眼ではっきりと確認でき、その高架下に上町線の住吉公園駅がある。
住吉大社の荘厳な感じもさることながら、紀州街道のレトロな感じがまさに「三丁目の夕日」のような雰囲気を醸し出している。
全国2300社ある住吉神社の総本社・住吉大社
上の写真を後ろに振り替えると、全国2300社ある住吉神社の総本社である住吉大社の一の鳥居が堂々と待ち構えている。
本殿入り口付近から一の鳥居方向を望む。「すみよっさん」とも呼ばれる当社には、毎年200万人もの人が初詣に訪れ、全国初詣客ランキングトップ10の常連となっている。
住吉の象徴とも言われる反橋(そりはし)、通称太鼓橋。慶長年間に豊臣秀吉の側室として有名な淀君によって奉納されたと言われている。
その太鼓橋を横から眺める。
橋が反っているのは、地上の人の国と天上の神の国とをつなぐ架け橋として虹にたとえられており、本殿に入って神様とお会いする前に罪や穢れを祓い清める意味合いがあるらしい。
その太鼓橋を渡った先にある角鳥居。四角柱の鳥居であることからついた名称で、鳥居としては大変珍しい様式らしい。
その各鳥居をくぐった先にある本殿。
第一本宮から第四本宮にいたる本殿は「住吉造」と呼ばれ、国宝にも指定された、神社建築史上最古の様式の一つである。
乗り場
乗り場は単式2面2線。
鳥居を挟んで南側(写真奥側)が天王寺駅前・恵美須町方面、北側(手前側)が我孫子道・浜寺駅前方面。
写真はモ701形の天王寺駅前行き。
これが南側、天王寺駅前・恵美須町方面ホームの駅票。これもレトロでいい味が出ている。
取材をした日は住吉まつりの当日の日だったらしく、カラーコーンを目印にした臨時ホームが準備されていた。
当電停は公式には阪堺線の所属なのだが、2014年のダイヤ改正により、上町線系統が主流となったため、日中1時間あたり13本中、なんと10本が次の住吉電停から上町線に入り、天王寺駅前方面に向かう。
南側ホームから住吉電停方面を望む。路面電車のある道路は本当に趣があって素晴らしい。いつまでも残ってほしい風景だ。
北側ホームにモ601形の我孫子道行きが到着した。