宇治駅[京阪](京都府宇治市)~京阪の駅にJR線が吸い込まれる超珍しい光景と源氏物語ゆかりの絶景が堪能できる、第1回近畿の駅百選認定の終着駅~

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京都の有名観光地である宇治のシンボル・宇治橋の東詰に位置する、宇治線の頭端式1面2線の地上駅で、独特の意匠によって第1回近畿の駅百選に選ばれた終着駅。

「宇治十帖」で有名な源氏物語ゆかりの地でもあり、平安貴族がこぞって別荘を建てるほど愛された絶景はいまだ健在であり、京都府内で唯一「重要文化的景観」に指定されている。

また、宇治橋架け替えに伴う駅移設によって、駅舎とホームがJR奈良線の鉄橋に分断された構図となっており、眺望美しい宇治川を渡ってJR奈良線の車両が京阪宇治駅に吸い込まれるという、非常に珍しい光景も堪能できる駅となっている。

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外観・駅周辺

【日本三古橋・宇治橋を渡って宇治川西岸の平等院・JR宇治駅方面】

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京阪宇治線の終点である宇治駅。1995年(平成7年)にリニューアルされた南側駅舎方向を望む。

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駅前広場の南を走る大通り・宇治街道。1995年(平成7年)の駅舎改築まではこの通りの目前までホームが迫っており、バスターミナル擁する駅前広場は存在しなかった。

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当駅は、「瀬田の唐橋」「山崎橋」に並ぶ日本三古橋の一つである宇治橋の東詰めに位置している。

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現在の宇治橋は1996年(平成8年)に架け替えられたものだが、その起源は何と大化の改新時代まで遡り、初めて架けられたのは646年(大化2年)とも言われている。

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その宇治橋から北東方向から、宇治橋東詰にある京阪宇治駅を望む。

1995年(平成7年)リニューアルによって駅舎とホームの間をJR奈良線の単線線路が通り抜ける構造となり、眺望美しい宇治川を渡って京阪の駅に吸い込まれるJR線の光景を見ることが出来る。

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今度は、その宇治橋の上から南方向を望むと、京都市内ではなかなか味わえない宇治川上流の絶景が堪能できる。

中州に架かる左側の朱が映える朝霧橋と、右側のアーチ形状が美しい橘橋のコラボレーションが、絶景に花を添えている。

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そして、宇治橋を渡った西詰は、「夢浮橋(ゆめのうきはし)ひろば」とも呼ばれ、源氏物語の作者・紫式部の石像が飾られている。

何を隠そう、この宇治は「宇治十帖」で有名な源氏物語ゆかりの場所であり、物語のフィナーレを飾る「夢浮橋」の古跡がこの石像と隣にひっそりと佇んでいる。

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その宇治橋西詰交差点は、平等院の鎮守である縣神社(あがたじんじゃ)の立派な一の鳥居と、観光地の趣きを醸し出す商店が立ち並ぶ宇治橋通り商店街との分岐点にもあたる。

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その縣神社一の鳥居からさらに目を左(東)に転じ、左側の小道に入ると、、、

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観光地の雰囲気満載の平等院表参道が伸びている。

室町時代から続く宇治茶の老舗が並び、お茶の香ばしい香りが漂うこの通りは、環境省主催の「かおり風景100選」にも選ばれている。

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そして、その平等院表参道を真っ直ぐ進むと、世界遺産・平等院の入り口と宇治川方面に向かう左側の道との分岐点に差し掛かる。

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上の写真の右手にある平等院は、元々は平安時代に栄華を誇った摂政・藤原道長の別荘「宇治殿」であったものを、その子である関白・藤原頼通が1052年(天喜元年)に寺院に改めたものらしい。

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この表門から拝観料を払って中に入ると、国宝にも指定され10円玉にも刻まれている、かの有名な鳳凰堂の姿を見ることが出来る。

鳳凰堂は、藤原摂政時代を偲ぶことの出来るほぼ唯一の遺構であり、その余りに美しい姿は、地上に出現した極楽浄土とまで言われていたらしい。

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その拝観料をケチって中に入らなかった平等院を後にして、さきほどの宇治橋西詰交差点に戻り、縣神社一の鳥居右手にある宇治橋通り商店街を西に進むと、、、

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平等院鳳凰堂をモチーフとした橋上駅舎が美しいJR奈良線の宇治駅に出る。

京阪宇治駅は大正時代に出来た駅だが、こちらは何と明治時代の1896年(明治29年)に開業した、さらに古い歴史を行く駅である。

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【宇治川東岸の宇治神社・世界遺産宇治上神社方面】

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そして、一旦京阪宇治駅に戻り、駅正面にある宇治橋東詰交差点から、宇治川に沿って朝霧通りを南下していくことにする。

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その朝霧通りを南下し、山側に向かう「さわらびの道」との分岐点に堂々と聳える立派な松の木の麓にあるのが、、、

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「開運不動尊」を称する真言宗正覚院。

階段を登った小さな本堂に開運不動明王を祀っているために開運不動尊を名乗っていると思われるが、建立の由緒等はよくわかっていない。

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その開運不動尊を後にして、朝霧通りをさらに南に進む。

この豊かな風情が魅力的な朝霧通りは、源氏物語最後の「宇治十帖」の主な舞台となった場所らしい。

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その朝霧通りからは、朱塗りの橋桁が美しい朝霧橋が一望できる。

平安貴族がこぞって別荘を建てるほど惚れ込まれた宇治の情景は、京都府内で唯一の「重要文化的景観」に指定されている。

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そして、朝霧通りをさらに南下すると、左手(東)に宇治神社の美しい一の鳥居が姿を現す。

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この朝霧橋のたもとにある宇治神社は、「古事記」にも登場する第15代・応神天皇の息子である菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)を祀ると言われる非常に歴史のある神社である。

実は「宇治」という地名は、この「菟道稚郎子(『うじ』のわきいらつこ)」が起源となっているという、まさに当地の氏神様である。

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菟道稚郎子(うじのわきらいつこ)は、父・応神天皇の寵愛を受けて皇位継承を授けられるほどの聡明な人物であったようだ。

しかし、異母兄の大鷦鷯尊(おほさざきのみこと)に皇位を譲るべく自殺したとされる「悲劇の皇太子」としての美談が「日本書紀」に残されている。

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その後、菟道稚郎子に代わって即位した兄・仁徳天皇によって、自身の邸宅跡であり、父・応神天皇の離宮跡であったこの地に祀られたらしい。

若くして聡明であった菟道稚郎子を祀る宇治神社は、学問の神様としても崇められている。

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また、国の重要文化財にも指定されているこの本殿には、当地に向かう途中に道に迷った菟道稚郎子を導いたと言われる「見返り兎」の像が飾られている。

その兎は、人生を道徳の正しい道に導く神様の使いとされている。

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実は、この宇治神社には明治時代まで二社一体の存在であったもう一つの神社が存在する。

それは、宇治神社の境内北側(写真左側)にある「さわらびの道」を上ると、、、

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境内全体の世界文化遺産に認定された、宇治上神社の色鮮やかな鳥居が出迎えてくれる。

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この参道の景観も世界遺産に認定されている。

明治維新前までは、宇治神社と宇治上神社は二社一体の「宇治離宮明神(八幡宮)」であり、当社は「上社」・宇治神社は「下社」と称されていた。

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荘厳な雰囲気が漂うが、神社としての規模が比較的小さい宇治上神社。

この簡素な神社が世界文化遺産にまで上り詰めた理由は、当社が現存する日本最古の神社建築によるものらしい。

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この宇治上神社は、元々宇治神社と対となっている神社であるため、同社と同様に菟道稚郎子(うじのわきいたつこ)が祀られている。

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この入り口入ってすぐのところにある拝殿は、鎌倉時代前期の建立と言われる現存する最古のものであり、何と国宝に指定されている。

その拝殿横には円錐型の「清め砂」が盛られており、1年間盛られ続けた後に、祭事の際に境内に巻いてお清めをするらしい。

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そして、その拝殿の奥にある本殿は、何と平安時代後期の建立と言われる、こちらも現存最古のものであり、拝殿と並び国宝に指定されている。

この簡素な神社にも外国人観光客の姿が多数見られた。この集客力が「世界遺産」ブランドの威力であり魅力なのだろう。

改札口・コンコース

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京阪本線開通から2年後の1913年(大正2年)に開通した宇治線の終着駅である宇治駅は、1995年(平成7年)にリニューアルされ、立派な駅ビルが建設された。

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それまでは、このバスターミナル備えた駅前広場にホームが存在していたが、宇治橋架け替え含む宇治街道拡張工事に伴い北側に移設された。

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その結果、駅ビル(手前)とホーム(奥)がJR奈良線の高架橋に分断されるという、非常に興味深い構図となった。

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従って、改札口に向かうためには、駅ビル正面にある階段を下り、、、

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JR奈良線の線路の下を通る地下通路を経由して、、、

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再び階段を上って地上に上がるという径路をたどることになる。

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その階段を登った先の改札口付近から、駅ビル方面を望む。

駅舎と地下通路はJR奈良線の線路に直交しているが、ホームはやや斜めがかっており、全体として「くの字」型の駅となっている。

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この円を基調とした意匠性の高いデザインは、南海電車の空港特急・ラピートを手掛けた建築家・若林広幸氏によるものである。

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1996年(平成8年)に私鉄の駅としては初めてのグッドデザイン賞を受賞し、2000年(平成12年)には栄えある第1回近畿の駅百選にも選ばれている。

時刻表

宇治線:中書島方面

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京阪本線の3年後の開通した宇治線は、全列車中書島駅ー宇治駅間の線内折り返し運転となっており、日中は10分間隔で運行されている。

かつては、当駅から京阪本線に乗り入れる三条行きの普通や、淀屋橋方面からの臨時・宇治快速等の運行もあったが、現在は全廃されている。

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乗り場

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ホームは頭端式1面2線の構造。

移設前もホーム先端に改札口があったが、相対式2面2線構造で、交野線の終点・私市駅のような感じのホームだったらしい。

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JR奈良線・宇治駅の約15年後に開業した京阪宇治駅。

宇治線は京阪本線の3年後に開通した路線だが、当初は宇治川電気軌道が所有していた免許を京阪が譲り受けて敷設した路線である。

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普段は使用されない1番線の車止め方向を望む。終端部は奥の改札口と意匠を合わせた円形の模様が施されている。

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一方の2番線側の終端部は何もなく、車止めの向こうにはJR奈良線の鉄橋が見え、、、

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JR奈良線の走行風景をホーム上から堪能することが出来る見事な開放感が保たれている。

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その2番線に、13000系の折り返し中書島行きがやってきた。

2012年(平成24年)から運用開始した京阪電車の最新鋭車両だが、他の私鉄路線と違って、京阪電車では新型車両はまず支線で運用開始するのが特徴的となっている。

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宇治川電気軌道から宇治線の免許を譲り受けた京阪であったが、自身も京阪本線を開通させた直後であったため、当初は業績安定後に着工する予定であった。

しかし、直後に明治天皇が崩御し、御陵が「伏見桃山」とされたことで桃山一帯が混雑を極めたことからその参拝輸送のための宇治線開通が急務となり、何と認可からわずか4か月の突貫工事で路線を完成させたという逸話が残されている。

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次に2番線にやってきたのは中書島行きは、2002年(平成14年)より運行が開始された10000系。

現在は全列車線内折り返し運転のみとなった宇治線では、2013年(平成25年)よりワンマン運転が実施されている。

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中書島駅が起点となっている宇治線だが、元々は京都方面からの乗り入れが容易で、かつ京都市最大の人口を誇る伏見区の中心市街地に近い北隣の伏見桃山駅から分岐させる予定だったが、用地買収の困難等諸般の事情により断念されたらしい。

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当駅の利用客数は、1日約7000人弱。

かつては本数が少ない非電化ローカル線であったJR奈良線・宇治駅を凌駕していたが、同線の度重なる輸送改善の影響で、現在はJR宇治駅の約3分の1程度に留まっている。

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しかし、「宇治」の地名の由来となった菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)を祀る宇治神社・宇治上神社は当駅の方が近く、また駅北西側にはその菟道稚郎子のお墓(菟道稚郎子御墓)も存在しており、JR宇治駅よりも宇治の由緒に近い場所にある。

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そのホーム北端から、中書島方面を望む。

線路がこの先カーブしているために見えないが、実は次の三室戸駅まではたったの400mしか離れておらず、京阪本線の最短駅間距離として有名な土居ー滝井間に匹敵する短さを誇っている。

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