大阪府茨木市における阪急側の中心駅の役割を果たす、島式2面4線の高架駅。
競合となるJR茨木駅とは1.5km離れているため、何かと比較される高槻市駅と違ってJRとの棲み分けがなされており、利用客は同駅を上回る。長らく特急通過駅であったが、2001年(平成13年)に土日の快速特急以外の全営業列車が停車する主要駅に昇格。
高槻市駅と瓜二つとも称される高架駅舎は、阪急の主要駅たる風格を放っており、駅前に広がるバスターミナルも駅の風格に花を添えている。
JR新快速の茨木停車の可能性が報じられる中、かつての高槻市駅同様に地盤沈下が発生する懸念はあるものの、モノレール乗換拠点という優位点のある隣の南茨木駅の両駅で、JRに対抗する形となっている。
目次
外観
西口バスターミナルより。高架の綺麗な駅舎が印象的。何かと比較される高槻市駅より1年早い1992年(平成4年)に高架化された。
同じく西口から駅舎と駅前ビルを望む。高槻市駅に比べて、バスターミナルも駅前広場も広く立派な作りとなっており、駅の風格に花を添えている。
駅西口の南西側からは、JR茨木駅につながる中央通りが始まる。
その起点付近に堂々と君臨する真宗大谷派の茨木別院。大相撲三月場所開催時には、二所ノ関部屋が宿泊・稽古場として利用するらしい。
そこから少し西に進んだところの中央通り北側にある茨木神社は、807年(大同2年)に創建された歴史ある神社。
当社を創建した坂上田村麻呂は、当地周辺に「荊切の里」を作り、それが現地名である茨木の由来との説がある。
上の写真の場所を後ろに振り替えると見えるのが茨木市役所。阪急茨木市駅とJR茨木駅のほぼ中間に位置する。
その茨木市役所前の中央通りにかかる歩道橋から、東方向の阪急茨木市駅方面を望む。
今度は同じ場所から、西方向のJR茨木駅方面を望む。
この通りは、阪急・近鉄・京阪の三社三様のバスがひっきりなしに走る、茨木市のメインストリートだ。
その茨木市役所からさらに中央通りを東に進むと、競合のJR茨木駅に到着。阪急茨木市駅からは約1.5キロ西に位置する。
今度は、阪急茨木市駅に戻り、東口に回る。
駅東側を望む。室町時代の武将・楠木正成による茨木城築城により、繁栄の基礎が築かれた茨木は、その後現在に至るまで大阪・京都を結ぶ交通の要衝として栄え続けている。
バスターミナル
茨木市は、阪急・近鉄・京阪の三社三様のカラフルなバスが路線を張り巡らせているのが特徴だ。
その三社が集結する西口バスターミナル。JR茨木駅前に比べて本数が少ないものの、阪急の主要駅の風格に花を添える立派な規模を有している。
駅東口からは、阪急バスが茨木市内南東部及び高槻市南部の柱本団地を結ぶ柱本線を、30分に1本程度運行している。
かつては東西両ターミナルだけだったが、近年駅南側の整備された道路沿いに南口バス乗り場が新設され、市南部と寝屋川市駅に向かう便が発着するようになった。
改札口・コンコース
何かと比較されやすい隣のライバル都市・高槻市駅より1年早い1992年(平成4年)に高架化した茨木市駅。
駅の東西を結ぶ自由通路の中央階段を上ると、、、
広く開放的な2階・北改札に出る。
当駅の開業は、国鉄茨木駅に遅れること約半世紀の1928年(昭和3年)。
当初は茨木町駅と名乗り、駅を開業させたのは阪急ではなく、何とライバル京阪の子会社である新京阪鉄道であった。
こちらはこじんまりした南改札。
その後、現駅名に改称された1943年(昭和18年)に、阪急京都線の母体である新京阪は阪急と合併した。
改札内コンコース。
そして、戦後まもなくの1949年(昭和24年)に現京阪が分離した際に、阪急京都線は、建設母体の京阪ではなく、阪急に残ることとなった。
時刻表
京都線:京都河原町方面
日中時間帯は特急・準急・普通共に6本ずつの計18本/時の高頻度運転。
ただし、普通はすべて高槻市止まりなので、京都に向かう列車は特急と準急の12本。さらに準急は高槻市で特急を待避するため、京都への速達乗車機会は特急のみの6本/時となるが、特急停車駅への昇格により、京都方面へのアクセスは改善されている。
夕方ラッシュ時は通勤特急・快速急行・快速と優等が入り乱れるが、茨木市から京都方面の停車駅はすべて同じ。
京都線:大阪梅田方面
大阪方面も日中時間帯は、特急・準急・普通が各々6本ずつの計18本の高頻度体制。
ただし、準急は当駅で特急を退避し、先行する普通も淡路には先着しないため、結局淡路・梅田方面への速達乗車機会は6本/時とJRの12本に比べて半減。これが後述するが、利用客がJRより少ないのに客がホームにあふれる原因となっている。
朝ラッシュ時は、完全あきらめモードの高槻市駅と違って、茨木市駅発の普通を増発させてラッシュ時にふさわしい本数を確保している点は興味深い。
乗り場
【1・2号線】京都線:京都河原町方面
ホームは島式2面4線。ホームだけを見ると、ライバル・高槻市駅と瓜二つであるが、、、
ホームの外を見れば、両者の違いがはっきりとわかる。こちらは、南茨木・梅田方面。
阪急仕様の駅票。
1号線ホームからは、西口バスターミナルの姿が望める。ここにも商店が密集する高槻市駅との違いが見て取れる。
外側1号線に3300系の普通高槻市行きがやってきた。2001年(平成13年)のダイヤ改正以降、日中の普通は全列車高槻市止まりとなった。
日中の普通は、当駅で準急と特急のダブル待避を行う。
まずは準急河原町行きが5300系でやってきた。高槻市以遠は各駅に停車し、同駅止まりとなる普通の代替の役割を果たす。
続いて、特急河原町行きが9300系で入線。先を走る準急と高槻市で緩急接続を行う。
1号線の普通高槻市行きと、2号線の特急河原町行きとの並び。
当駅は長らく特急通過駅であったが、2001年(平成13年)より特急停車駅に昇格した。
【3・4号線】京都線:大阪梅田方面
朝夕ラッシュ時には当駅を起終点とする列車が運行されるため、総持寺・河原町方面には引上げ線が設置されている。
当駅の利用客数は、1日約65000人。
競合のJR茨木駅と比べて25000人ほど少ないが、ライバル高槻市駅を若干上回り、阪急線内では第7位の利用客数を誇る重要駅となっている。
3号線に、大阪市交66系の天下茶屋行きが入線。淡路から千里線に入り、大阪地下鉄堺筋線に乗り入れる。
土休日は準急の半分が天下茶屋行きとなり、当駅で特急の待ち合わせを行う。
ちなみに当駅の利用客数はJR茨木駅の3分の2程度だが、隣の南茨木駅が市南部とモノレールとの乗換客を中心に4万人の需要を取り込んでおり、両駅併せると、JR茨木駅を上回る11万人弱の利用客を獲得していることになる。
淡路方面は特急と準急が当駅で緩急接続を行うため、普通は本線に入り、正雀で特急・準急のダブル待避を行う。
到着したのは、5300系の普通天下茶屋行き。
続いて、外側4号線に8300系準急大阪梅田行きがやってきた。
当駅で、本線の3号線にやってきた9300系特急梅田行きとの接続を行う。
当駅も高槻市駅同様、特急同士が離合する。
特急は3扉クロスシートの9300系が主流だが、8300系等のロングシート車が「残念特急」として運用につく場合もある。
そして、特急・準急の緩急接続後の3号線に、3300系の普通梅田行きがやってきた。
えきログちゃんねる
[阪急茨木市駅の日常]9300系特急同士の離合②+5300系準急河原町行き発車201512
5300系準急河原町行き発車@2号線
⇒9300系特急梅田行き入線@3号線
⇒9300系特急河原町行き入線@2号線
⇒9300系特急梅田行き発車@3号線
[阪急茨木市駅の日常]9300系特急同士の離合①201512
改造版7300系準急河原町行き発車@2号線
⇒9300系特急梅田行き入線@3号線
⇒9300系特急河原町行き入線@2号線
⇒9300系特急梅田行き発車@3号線
[阪急茨木市駅入線風景]改造版7300系準急京都河原町行き201512