キタ(梅田)・ミナミ(なんば)に次ぐ大阪の繁華街「アベノ・天王寺」地区にある、大阪地下鉄第三位の1日約25万人の利用客を誇る中枢駅で、御堂筋線の運行上の境界駅。
独特の吊り下げ照明と開放的な吹き抜け構造の御堂筋線ホームは、1938年の開業当時のレトロな雰囲気を色濃く残しており、非常に芸術性の高い駅舎となっている。
また、駅名は「天王寺」を名乗っているが、区境となっているあびこ筋の真下を通る御堂筋線の駅が実は「阿倍野区」に存在するというトリビアもある。
目次
外観
大阪市南部の大動脈あべの筋とあびこ筋が交差する近鉄前交差点南西角よりJR天王寺駅を望む。
横に走っているのあびこ筋が区境となっており、それより手前が阿倍野区で奥が天王寺区。
あびこ筋を挟んで北側の天王寺区にあるJR天王寺駅。商業施設MIOの入っている場所はかつて南海天王寺駅のあった場所だ。
そして向かいの南側が阿倍野区。
あべのハルカスの大高層ビルの1階には、近鉄最多の利用客数を誇る南大阪線のターミナルである大阪阿部野橋駅が控えている。
JR天王寺駅1階西口コンコースにある、地下鉄天王寺駅7番出入り口。
そこを降りると、御堂筋線西改札のあるコンコースに出る。奥はあべのハルカスの地下入り口。
御堂筋線はあびこ筋の真下を走っており、実は御堂筋線の天王寺駅は阿倍野区にあるというトリビアがある。
その西改札を背にして西方向には大阪地下鉄の駅ナカ商業施設「ekimo」がある。このekimoを進むと、阪堺上町線の天王寺駅前駅に行ける。
バスターミナル
これも天王寺トリビアの一つだが、天王寺駅前にある市バスのバス停名は「天王寺駅前」ではなく、何と「あべの橋」。
かつての大阪市電の電停名を引き継いだとのことだが、同じ大阪市交通局なのに、梅田同様ここでも地下鉄と市バスで駅名の齟齬が生じている(梅田は地下鉄が「梅田」、市バスが「大阪駅前」)。
あびこ筋の北側の天王寺区内にあるにも関わらず「あべの橋」を名乗る市バス。
隣にありながら戦略上意図的に名前を変えた近鉄阿部野橋駅同様、何がしかのプライドがあるのだろうか。
改札口・コンコース
JR天王寺駅、近鉄大阪阿部野橋駅との乗り換えに至近なため、最も混雑する西改札。
くどいようだが、御堂筋線の天王寺駅は阿倍野区にある。
その西改札を改札内より。御堂筋線は大阪地下鉄の大動脈なのでコンコースも広めにとられている。
代わって谷町線の南東改札は落ち着いた雰囲気。
谷町線天王寺駅は御堂筋線よりも北側の谷町筋の地下にあり、完全に天王寺区内。但し、この改札奥の階段を上ると「あべちか」だ。
谷町線天王寺駅の南東・南西改札内コンコース。
谷町線の天王寺駅は御堂筋線から遅れること30年の1968年の開業。
時刻表
御堂筋線:なんば・梅田・新大阪・千里中央方面
御堂筋線における天王寺駅は運行上の境界駅となっており、なかもず方面は当駅より半減する。
なかもず発千里中央行きと、当駅始発新大阪止まりが交互に発車する。
谷町線:八尾南方面
谷町線は5分間隔の運転(12本/時)。八尾南方面は半分の電車がここから2つ先の文の里止まりで、以降は10分間隔に半減。
東梅田・大日方面は、八尾南始発大日行きと文の里始発都島行きが交互に運転される。
乗り場
御堂筋線ホーム
【1番線】あびこ・なかもず方面
御堂筋線天王寺駅は、御堂筋線唯一の2面3線構造。南行きあびこ・なかもず方面は単式ホームの1番線から発車。
開放的な吹き抜けと独特の吊り下げ照明がとても美しく、開業当時のレトロ感を色濃く残している。
混雑回避のために設置された中2階のバイパス通路より。こういうアングルは東京の地下鉄ではなかなか見ることができない。
御堂筋線の駅は芸術性の高い駅が多い。これこそ「鉄道文化」だ。
1番線に到着の北急8000系のなかもず行き。ポールスター(北極星)の愛称がある。
1番線からなかもず行きが発車。2015年2月に御堂筋線では初めてとなるホームドアが設置されている。
2・3番線の島式ホームから1番線を望む。
独特の吊り下げ照明とは裏腹に、天井部分は無装飾で実用本位の「インターナショナルスタイル」が採用されている。
【2・3番線】なんば・梅田・新大阪・千里中央方面
2・3番線は島式1面2線の構造。
2番線に当駅始発の10系新大阪行きが入線してきた。吹き抜け構造の開放感が本当に心地良い。
2番線からは当駅始発電車、3番線からなかもず方面からの電車が発車する。
谷町線ホーム
【1番線】文の里・八尾南方面
谷町線の駅票。ラインカラーは沿線に寺院が多いことから、高層の袈裟の色に由来する紫色とのこと。
谷町線天王寺駅は相対式2面2線構造。谷町線の運行上の境界はここから2つ先の文の里駅。
1番線にその文の里行きが到着。谷町線仕様の22系だ。
1番線ホーム。御堂筋線の駅と違って特に芸術的な装飾は施されていない。
【2番線】東梅田・大日方面
2番線ホーム。乗り換え客の利用が多いはずだが、ホーム幅はそれほど広くない印象。
1番線側より2番線ホームを望む。利用客は市内中心に向かう2番線の方が多い。
2番線に新型車両30000系の都島行き。都島は東梅田から3つ先にある北側の運行上の境界駅だ。
今度の2番線は22系の終点まで向かう大日行き。北行きは大日行きと都島行きが交互に発車する。谷町線は6両編成だ。
えきログちゃんねる
当駅始発の新大阪行き入線放送。接近メロディが短いのが印象的。
御堂筋線で唯一3番線まである天王寺駅3番線の入線放送。ホームドアがあるので、案内は「白線の内側までおさがり下さい」ではなく、「ホームドアから離れてください」になっている。
地下鉄谷町線の車内放送を、東梅田から天王寺まで収録。音声だけですが、臨場感が楽しめます。