叡電鞍馬線の単線区間(二軒茶屋ー鞍馬)の中間に位置する相対式2面2線の無人駅。当駅ー市原駅間にある叡電名物「もみじのトンネル」で有名。
集落沿いの高台に位置し、京都市内とは思えない秘境的な雰囲気を醸し出しており、観光地の玄関口とはまた違う、森に囲まれた神々しい趣きのあるホームと、そこから眺める絶景の開放感が見事にマッチした美しい駅である。
外観・駅周辺
鞍馬に並ぶ京の奥座敷の玄関口である貴船口から、鞍馬街道を少し南下したところに、姿を表した「二ノ瀬トンネル」なる建造物。
2015年3月に開通した二ノ瀬バイパスの入り口で、これまで狭隘道路だった鞍馬街道に代わるアクセス道路の出現は、新たな叡電の脅威となるのだろうか。
上の写真の分岐を右手に、狭隘の鞍馬街道をさらに南下すると、京都バスの二ノ瀬バス停が見えてくる。写真の奥が鞍馬街道の貴船口方面。
そのバス停から、民家(二ノ瀬集落)の集まる小道を下っていくと、、
高台に二ノ瀬駅の看板の姿が表す。
上の写真を撮った橋から南方向を望む。鴨川の支流である鞍馬川の清流が癒しの風景をもたらしてくれる。
そして、その橋を渡って、さらに民家の中を入り、、
この登山道のような坂道と階段をひたすら登っていくと、、
ようやく二ノ瀬駅に到着。健脚でなければたどり着くことが出来ない凄い場所に駅があるが、この秘境感は都会の駅では味わえない感覚だ。
叡電名物「もみじのトンネル」
鞍馬街道に戻ってさらに南下していくと、左手に春と秋に1日100人限定で特別公開を行っている、日本庭園・白龍園の姿が。
青野株式会社という京都の子供服メーカーの社員の人たちが、譲り受けた荒れた山をこつこつ手入れをして作り上げた苔の美しい庭園だ。
そして、そこからさらに鞍馬街道を南下すると、叡電名物「もみじのトンネル」の入り口が見えてくる。取材したのが11月の上旬。紅葉は五分ほどだったが、それでも十分美しい。
その「もみじのトンネル」から現れた800系鞍馬行き。車内からの景観を楽しんでもらうために、トンネルの先頭でしばらく停車するという観光路線ならではの粋な計らいが見られた。
今度はもみじのトンネルに入るために鞍馬川にかかる鉄橋を渡る、これまた同じ800系の出町柳行き。鞍馬線は二軒茶屋以降は単線。
時刻表
鞍馬線:宝ヶ池・出町柳方面
鞍馬線は二軒茶屋以降は20分間隔となり、観光路線であることから、平日よりも利用客の多い休日は15分間隔に増発される。
鞍馬線:貴船口・鞍馬方面
鞍馬方面も同様のダイヤ。
乗り場
鞍馬線仕様の駅票。ラインカラーは紅葉をイメージした赤色。まさに今がシーズン真っ盛りだ。
ホームは相対式2面2線。京都市内の駅とは思えない秘境感を醸し出している。
ホーム端から出町柳駅方面を望む。鞍馬・貴船口のような観光地の表玄関ではないところに、かえって自然の荘厳さが醸し出されているように感じる。
ホーム出町柳方面の端には、、
もう一方の民家につながる階段が。これもなかなかハードな階段だ。
あまりの山深さにトトロでも出てきそうな雰囲気。手前の紅葉は、11月に開催される「貴船もみじ灯篭」の際にライトアップされる。
ただそこにいるだけで汚れた心を洗ってくれそうな、森に囲まれた神々しい雰囲気のホーム。集落に隣接してあるものの、1日の利用客は100人に満たない。
出町柳方面ホームにある、これまた味わいのある木造ロッジ風の待合室。
そして、そのホームから山方向を眺めると、、、
高台の駅ゆえの開放感ある絶景が拡がる。透き通る空の青と深い山々の緑、そして色づき始めた紅葉の赤。いつまでも眺めていたい光景だ。
そして、自分だけが待つホームに、山の中から現れた800系出町柳行き。
叡電開業90周辺の記念ヘッドマーク付きだ。
その横顔。無人駅なので、待合室付近のドアしか開かない。
二ノ瀬駅は、日中列車交換が行われる。反対側ホームに同じ800系の鞍馬行きが到着。
その鞍馬行きが発車。
ホーム鞍馬寄りに構内踏切があるが、遮断機はない。
その構内踏切上から貴船口・鞍馬方面を望む。山に消えていく線路の姿は、まさに神の住処に向かう荘厳な雰囲気が、秘境感に拍車をかけている。
えきログちゃんねる
叡電名物もみじのトンネルを抜ける800系[鞍馬線:市原ー二ノ瀬間]201511 えきログ
[秋の叡電鞍馬線・二ノ瀬駅]叡電開業90周年記念HM付800系出町柳行き入線風景201511
[秋の叡電鞍馬線・二ノ瀬駅]800系同士(鞍馬行き・出町柳行き)の行き違い風景201511
鞍馬線単線区間の中間に位置する当駅では日中列車交換が行われ、両方向への行き違いが当時に楽しめます。