東京の兜町に並ぶ、世界における先物取引発祥の地である大阪を代表する金融街に位置する、京阪本線の1面2線の地下駅。
1963年(昭和38年)に、それまで大阪方の終着ターミナルであった天満橋から市内中心部の淀屋橋まで延伸の際に開業。
駅南側の金融街に加え、北側の浪華の三大橋・難波橋(なにわ橋)と中之島公園は、水の都大阪にふさわしい風情を醸し出し、中之島線なにわ橋駅は目と鼻の先にある。
特急停車駅ながら、地上を走る土佐堀通の道幅制限を受けた狭隘なホームと、ホーム先端にある隣駅淀屋橋駅の場内信号機も印象的な駅である。
外観・駅周辺
東京の兜町(シマ)に並び、「ムラ」とも称される大阪を代表する金融街・北浜。
北浜一丁目交差点南東角、京阪北浜駅の道向かいに堂々と聳え立つ大阪取引所は、世界最初の公設商品先物取引が行われた米穀取引所に端を発し、現在でも日本最大のデリバティブ市場として、その存在感を保ち続けている。
その北浜一丁目交差点から南北に走る堺筋の南方向、日本橋・恵美須町方面を望む。左奥にみえる高層ビルは、2005年(平成17年)まで老舗百貨店三越大阪店があった場所。
現在は、長谷工が主体となって建替えられ、「The Kitahama Tower & Plaza」と呼ばれる商業施設併設型の超高層マンションに生まれ変わった。
そして、同交差点から北には、ライオンの肖像で有名な「なにわ橋」が架かる。
江戸時代に天神橋・天満橋と並ぶ、浪花(浪華)三大橋と呼ばれたこの橋の正式名所は「難波橋」。今では、まず間違いなく「なんば」と誤読されてしまう。
その「難波橋」から土佐堀川を東方向から、京阪の運営する大阪水上バス・アクアライナーがやってきた。水の都・大阪にふさわしい風情ある光景だ。
上の写真から、なにわ橋を少し北に進むと、バラ園で有名な都会のオアシス・中之島公園が。
江戸時代の1766年に「山崎ノ鼻」と呼ばれる新地を埋め立てて出来た景勝地を、1891年(明治24年)に大阪市が市内初の市営公園として整備した立派な公園だ。
今度は、なにわ橋から土佐堀川を西方向、淀屋橋・中之島方面を望む。右奥に中央公会堂と大阪市役所の立派な建物が見える。
そして、上の場所から少し北に進むと、何とまた京阪電車の駅が現れた。
実は、これは中之島線のなにわ橋駅で、難波橋を挟んで北浜駅は目と鼻の先にある。
天満橋ー渡辺橋間は、京阪本線と中之島線が土佐堀川を挟んで完全に並走する重複区間となっている。
改札口・コンコース
東西に長い地下通路。北浜駅は、1963年(昭和38年)にそれまで終着駅であった天満橋から市内中心部の淀屋橋へ念願の延伸を果たした際に開業した。
道幅の狭い土佐堀通の地下を通るため、かなりコンパクトな作りが余儀なくされている。
改札口は中央に1か所。現在は地下鉄堺筋線との乗換駅となっているが、開業から6年半は地下鉄の駅は無く、乗換は旧大阪市電であった。
その改札口を西方向より望む。当駅の利用客数は1日約34000人。大阪市内の特急停車駅(淀屋橋・北浜・天満橋・京橋)の中では最も少ない。
上の写真の場所から、反対方向を望む。ここから500mほどしか離れていない終点の淀屋橋駅まで、地下通路が続いている。
そして、上の写真の場所から左手には、地下鉄堺筋線の北浜駅が連絡している。現在リニューアル工事中だ。
一方、京阪北浜駅は、まだ往年の年季を残している。
狭い敷地を駆使した改札内コンコース。
ホームへの連絡階段は、改札外通路からでも手の届く場所にある。
時刻表
京阪本線:京橋・出町柳方面
2008年(平成20年)の中之島線開業、及び2011年(平成23年)の減量ダイヤ改正により、天満橋からの各駅停車系統が中之島線に移り、現在の日中は出町柳行き特急が毎時6本、準急が毎時3本、樟葉止まりの急行が毎時3本の計12本/時となった。
急行は終点・樟葉まで先着、準急は枚方市で後続の特急の待ち合わせを行う。各駅停車には、京橋で同一ホームでの乗り換えが出来るようになっている。
かつては平日昼間でもこの倍の電車が走っていたが、だいぶ様変わりした。
京阪本線:淀屋橋方面
天満橋までは律儀に種別の案内がある京阪の時刻表だが、さすがに当駅は次が終着駅なので、全列車各駅停車表示となっている。
乗り場
ホームは島式1面2線。
2008年(平成20年)の中之島線開業を機にデザインが一新された駅票。
この駅の特徴は、天満橋寄りの狭隘ホーム。黄色い線の内側が存在し得ない阪急中津駅ほどではないが、特急停車駅とは思えない狭さだ。
地上を走る土佐堀通の道幅に制限を受けた苦労の跡がうかがえる。
長さも8両限界ギリギリなので、狭隘ホームの先まで乗り場が存在する、なかなかデンジャラスなゾーンだ。
中間駅重視の方針で停車駅が増えたが、今でも現役で頑張る2扉特急8000系が1番線から発車。
次の1番線の特急は3扉車・3000系。
中之島線開業に合わせ、同線の快速急行用として製造されたが、中之島線不振によって廃止され、今では本線特急として活躍している。
次に、1番線にやってきたのは、きかんしゃトーマス号・2015仕様の8000系特急出町柳行き。
その横顔。2016年3月末までの期間限定運転だ。
ホーム西側は、反対側に比べてホーム幅に幾分余裕がある。
そして、ホーム先端にある場内信号機。これは実は北浜駅の出発信号機ではなく、隣の淀屋橋駅の第一場内信号機。
駅間距離が500mもなく、淀屋橋駅が埋まっている際にこの信号機内に停車し、8両編成の場合に最後の1両がホームに残った状態になるという当駅独特の光景が見られたが、減量ダイヤ改正を機にお目にかかれなくなってしまった。
その2番線に到着した、2012年(平成24年)に導入された新型車両13000系の淀屋橋行き。
特急3000系と同様の「風流の今様」をデザインコンセプトとして採用している。
そして、新たに採用されたドアチャイムは、何とJR西日本の電車と同じ音となっている。
次に1番線にやってきたのは、6000系改造車の急行・樟葉行き。終点の樟葉まで先着して、後続の特急出町柳行きと接続を行う。
その後続の特急は、13000系に引き継がれる「風流の今様」をモチーフにした3扉車・3000系の出町柳行き。
2+1列配列の転換クロスシート車で、自動包装装置を備えた、「技術の京阪」らしい快適な居住環境を実現している。
えきログちゃんねる
[京阪本線北浜駅接近メロディ]京阪特急出町柳行き@1番線201511
北浜駅は、他駅と違ってお姉さんの声がやや早口に聞こえます。
[京阪本線北浜駅接近メロディ]急行樟葉行き@1番線201511