大阪と京都を結ぶ淀川西岸の交通の要所であり、大阪府との府境に位置する京都線の相対式2面2線の高架駅で、競合となるJR山崎駅とは約250mほどの至近距離にある。
本邦製油発祥の地であり、中世における日本最大級の油座として栄華を誇った石清水八幡宮の元社である離宮八幡宮や天下分け目の天王山等、豊富な観光名所を抱える魅力的な周辺環境を有する。
当駅の利用客数は1日1万人に満たないが、京都を意識したかなり気合の入った意匠のコンコースが印象的で、並走する東海道新幹線の光景も堪能でき、コンパクトな駅舎ながら構内も魅力が詰まった駅となっている。
目次
外観・駅周辺
【製油発祥の地・JR山崎駅方面の駅西側】
大阪府島本町との府境に位置する阪急大山崎駅。競合となるJR山崎駅と比べて利用客数は6割程度だが、京都府大山崎町の代表駅となっている。
その大山崎駅の北側走る西国街道を西方向に望む。現在は狭隘道路して有名なこの街道だが、江戸時代には宿場街が整備された幹線道路だった。
大山崎駅駅前ロータリーの西国街道沿いに立っている水無瀬神宮の石碑。
当駅と阪急水無瀬駅の間にある大阪府下唯一の名水百選「離宮の水」で有名な当宮は、当駅から徒歩20分程度でたどり着ける。
その西国街道を西に進むと、北方向の天王山中腹にある別名「宝寺」とも呼ばれる「宝積寺(ほうしゃくじ)」への参道の起点が見える。
天王山とは、織田信長を討った明智光秀とその敵討ちを果たそうとする羽柴秀吉との山崎の戦いで有名な、あの「天下分け目の天王山」である。
上の写真の場所からさらに西に進むと、、、
交差点北西端にある離宮八幡宮の奥には、JR京都線・山崎駅が見える。阪急大山崎駅からはわずか250mほどの距離にあり、乗換利用も多いようだ。
この離宮八幡宮は、伊勢神宮と並ぶ二所宗廟でもある国宝・石清水(いわしみず)八幡宮の元社にあたる神社で、その名の通り八幡大神を祭神とする由緒ある神社である。
石清水八幡宮の元社たるべく、その「石清水」の名の元となった湧き水が出ていたらしい。
さらに、この神社は貞観年間(859年-877年)に当社の神官によって発明された搾油器によってエゴマ油の製造が始まったことから、日本における製油発祥の地としても知られている。
その後、朝廷より「油祖」の名を賜った当社は「大山崎油座」として油の独占販売権を獲得し、中世日本最大規模の油座として栄華を誇り、一時は「西の日光」と呼ばれるほどの壮大な社殿を構えていたらしい。
その栄華も、織田信長の楽市・楽座政策及びエゴマ油の代わる菜種油の大量生産によって衰退してしまったが、現在でも「油の神様」として親しまれている。
【新幹線と淀川の開放的な眺望が魅力の駅東側】
今度は、大山崎駅から西国街道を東方向に向かう。
阪急電車の鉄橋を東にくぐった付近から西方向を望む。写真左側は当駅より上牧駅付近まで並走する東海道新幹線の高架だ。
そして、駅東側を走る国道171号(通称・イナイチ)に出る。
この京都・大阪を結ぶ幹線道路上からは、阪急京都線と並走する東海道新幹線の爆走風景と共に、、、
京都・大阪間の大水脈である淀川の絶景も堪能できる。スリリングだが魅力的な眺望スポットとなっている。
改札口・コンコース
改札口は、駅北側の西国街道沿いに1か所存在する。
バリアフリー化工事によって綺麗にリニューアルされた改札内コンコース。
実質的に優等の止まらない駅にしては珍しく売店が備わり、随分と意匠も施され、京都らしいイメージに一新されている。
利用客数1日7000人程度の駅としては、このリニューアルにはかなり力が入っているように見受けられる。
待合室まで設置されており、大山崎町の代表駅としてのプライドと、至近にあるJR山崎駅を意識した凝った造りが魅力的なコンコースは思わぬ発見である。
時刻表
京都線:大阪梅田・京都河原町方面
当駅からは、京都方面・大阪方面共に、高槻市以東各駅に停車する準急が日中10分間隔で運行されている。
梅田方面は、高槻市で各駅停車に、茨木市で後続の特急と連絡する。また、河原町方面は、途中の桂で後続の特急の連絡待ちを行う。
乗り場
ホームは相対式2面2線の構造。ややカーブしているのが特徴的だ。
当駅は1928年(昭和3年)に阪急京都線を敷設したライバル京阪が、新京阪線の駅として開業させた駅だ。
開業当時は両隣の水無瀬駅・西山天王山駅は存在せず、特に西側は高槻市(当時高槻町)駅まで7.1kmにわたって途中駅が存在しなかった。
ホーム端から、東方向の西山天王山・河原町方面を望む。当駅開業から85年間は、長岡天神駅までの約4kmに渡って駅が存在しなかった。
改札口につながる階段はホーム京都寄りにある。
開業から35年間は地上駅であったが、東海道新幹線開業に合わせて1963年(昭和39年)に高架化された。
京都方面行きホームに、3300系の準急河原町行きが到着。独特の走行音が魅力の、阪急京都線最古参車両だ。
当初京阪電車の路線・新京阪線として開通した阪急京都線だが、戦時統制による阪急との合併、そして戦後まもなくの建設元・京阪の分離により、正式に阪急京都本線となった。
当駅から上牧駅までは、東海道新幹線が真横を通る並走区間となっており、、、
ホーム上から新幹線の爆走風景を堪能することが出来る。
当駅高架化工事の間は、線路幅が同じ東海道新幹線の線路を借用し、何と阪急電車が新幹線の線路を走行するという世にも珍しい現象が見られたらしい。
そのホーム西端からは、日本初のモルト・ウイスキー蒸留所であるサントリー山崎蒸留所の姿を捉えることが出来る。
ホーム北側に開ける天下分け目の天王山の眺望もまた美しい。そして、その天王山のふもとにある競合のJR山崎駅の駅舎も肉眼で確認できる。
京都方面行きホームを通過していく9300系特急河原町行き。京都線の主役を張る快適転換クロスシート車だ。
その特急の後を行く、準急河原町行きが8300系で登場した。独特の走行音が魅力のこの電車は、桂で後続の特急の待ち合わせを行う。
今度は梅田方面行きに到着した7300系の準急梅田行き。
平日の準急はすべて梅田行きだが、土休日は半分が淡路から千里線・地下鉄堺筋線に入る天下茶屋行きとなる。
今度の準急は5300系だ。大阪方面行きの準急は、茨木市まで先着して後続の特急の待ち合わせを行う。
えきログちゃんねる
[阪急京都線大山崎駅]9300系特急同士の離合(梅田行・河原町行)201602
[阪急京都線大山崎駅]京都線最古参3300系準急河原町行き発車風景201602
[阪急京都線大山崎駅]8300系準急京都河原町行き入線風景201602
[阪急京都線大山崎駅]独特の走行音が魅力の8300系準急河原町行き発車風景201602