大阪に唯一残る路面電車である阪堺電車上町線の起点で頭端式2面1線の地上駅。
付近を南北に走る大動脈あべの筋のど真ん中に位置するが、周囲の大再開発から完全に取り残された超レトロな雰囲気を醸し出しているが、阪堺電車最多の1日1万人以上の利用客を誇る駅で、第四回近畿の駅百選認定駅。
阪堺電車は長らく恵美須町発の阪堺線がメイン路線であり、上町線は我孫子道止まりだったが、2009年のダイヤ改正より上町線系統がメイン路線に昇格し、阪堺線の終点浜寺駅前へは当駅発の電車のみ運行されるようになった。
あべの筋は現在拡張工事中で、それに伴い、上町線の駅も西側に移設される予定となっている(リニューアルされるかは不明)。
外観
2013年春に出来た新歩道橋より上町線の天王寺駅前駅を望む。
左手奥が日本一高いビルである「あべのハルカス」。
同駅を西側Q’sモール側から。周辺はMIO・Q’sモール・あべのハルカスの大開発によりすさまじい変貌を遂げたが、この上町線の駅だけが完全に取り残されて昭和のレトロな雰囲気をそのまま残している。
そして、もう一つ驚くべきなのが、この駅はあべの筋のど真ん中の地上駅であるにも関わらず、地上から行くことが出来ないということ。
上町線の駅に行くには、この地下通路を通る必要がある。
ここが、上町線天王寺駅前駅につながる11番出口。途中からこれまでのリニューアルな雰囲気が一変するのがここからでも見て取れる。
まさに昭和の中ごろにタイムスリップしたような感じだ。
このレトロな通路の先にある階段を上ると、これまたレトロな改札口が現れる。
この改札口を外側から見るとこんな感じ。これだけで文化遺産にしたいくらいだ。
時刻表
上町線:住吉・我孫子道・浜寺駅前方面
日中は6分間隔の運転で、阪堺線の終点浜寺駅前行きと途中の我孫子道行きが交互に発車する。
1日2便だけ、住吉公園に向かう電車が存在する。これも取材せずにはいられない衝動に駆られる。詳細は別記事で。
乗り場
2面1線なので、乗り場は1つしかない。従ってラッシュ時には縦列停車することもあるそうだ。
すぐ隣を走る大動脈あべの筋を大量の車がひっきりなしに行き交う。
手を伸ばしたら届いてしまう近さ。これはこれでなかなかスリルものだ。
1時間に1本しか走っていない名物の新型車両1001形「堺トラム」に遭遇することが出来た。
堺市による阪堺線活性化支援策の一つとして導入された、阪堺線初の超低床型車両だ。
車止め方向を望む。このレトロ感は本当にたまらない。
阿倍野電停方面から撮影。駅だけでなく、線路までレトロな感じが出ている。
天王寺駅前駅に入線するモ601形。
あべの筋沿いをテクテク走っていく。路面電車のある風景は本当に気持ちいい。
えきログちゃんねる
再開発で目新しくなった周りのビルに取り残されたレトロな香りが何とも言えない。
堺トラムを天王寺駅前から阪堺線との乗換駅である住吉まで。
堺トラムの近代的な音がレトロな路面電車の光景に息吹を吹き込む。