奈良駅の一駅北に位置し、広大な奈良電車区を併設する、大和路線と奈良線(所属は大和路線)の相対式2面2線の地上駅で、「ならやま」とはまず読めない超難読駅。
奈良電車区及び駅東側の「三井佐保山住宅」開設に合わせて1985年(昭和60年)に開業した大和路線で2番目に新しい駅で、橋上駅舎のさらに上を行く跨線橋は、電車区や平城山の絶景が堪能できる一大展望スポットとなっている。
また、大和路線の駅ながら、なぜか運行管理システムが未導入の駅となっており、国鉄時代を彷彿とさせる超懐かしの接近放送も堪能できる等、シンプルながら魅力満載の駅となっている。
外観・駅周辺
奈良駅から一駅北に位置する平城山駅(ならやまえき)。その西口を望む。
世の中に当て字は数あれど、これを「ならやま」と読めるのは、地元民か鉄道ファンか歴史好きしかいないであろう超難読駅の部類に入る。
西側は駅前広場が整備されているが、1985年(昭和60年)の開業当初には存在せず、駅前は何もない状態だったらしい。
一方、地上の一段上を走る国道24号を超えた向こう側は、実は「関西文化学術研究都市」の住環境拠点である平城(へいじょう)ニュータウンとなっている。
その平城ニュータウンの東端である当地付近には、企業の研究施設が集積した「ならやま研究パーク」が立地しているが、バスはほとんど運行されていないようだ。
駅東側にある跨線橋から、平城ニュータウン方向を望む。
この平城ニュータウンが立地する丘陵が「平城山丘陵(ならやまきゅうりょう)」と呼ばれ、当駅の駅名の由来となっている。
今度は、上の写真の場所から北の木津方向を望む。この跨線橋からは、ご覧の通りのかなりの絶景が堪能できる。
今度は反対の南側、奈良方向を望む。下の方に見える平城山駅ホームから、斜面を駆け上がった左側の高台上にも架線らしきものが見えるが、、、
実は、その高台はJR西日本の奈良電車区となっている。山肌に設置されているため、ホームと電車区の高さが異なるのが特徴的だ。
1985年(昭和60年)に発足したこの奈良電車区は、大和路線(関西本線)・奈良線を中心とした大車両基地となっている。
長らく奈良駅構内に設置されていた機関区が移設されたことにより、ニュータウンへの人口流入と相まって、当地に駅が設置されることとなったのだろうか。
この駅東側の跨線橋から眺める電車区を含めた大眺望は、平城山駅の目玉となっている。
そして、この電車区にかかる長い跨線橋を東側に進むと、、、
閑静で高級感のある住宅街が姿を現す。
ここは「三井佐保山住宅地」と呼ばれ、三井不動産としては初めての奈良県内の大規模住宅地であり、同県の市街化調整区域に民間開発の許可が下りた最初のプロジェクトでもあるらしい。
1985年(昭和60年)に完成し、平城山駅開業きっかけの一つともなったようだ。
改札口・コンコース
改札口は2階橋上部分に1か所。前述のように当駅は1985年(昭和60年)。
関西本線(大和路線)の駅としては、1989年(平成元年)に開業した東部市場前駅に次いで新しい駅となっている。
そのコンコース東側は上り階段となっており、、、
さきほどの木津方面の絶景が堪能できる展望スポットとなっている。
当駅の利用客数は、1日約2500人。奈良駅の隣の駅にしては乗降客数はかなり落ち着いており、改札機もご覧のような簡易式となっている。
その利用客数を反映してか、改札内コンコースもコンパクトな設計となっている。
その改札内コンコースからは、南方向の奈良・王寺・天王寺方面の様子が一望できる。左上に見える架線が奈良電車区である。
時刻表
大和路線:加茂・亀山方面/奈良線:宇治・京都方面
当駅は、大和路線の大和路快速加茂行きと奈良線の普通電車京都行きが停車する駅となっており、奈良線のみやこ路快速は通過となる。
大和路快速は2つ先の加茂までの運転だが、次の木津駅で奈良線のみやこ路快速京都行きと数分で連絡している。
また、奈良線の普通京都行きは、宇治駅で後続のみやこ路快速の待ち合わせを行う。
大和路線:奈良・天王寺・大阪環状線方面
一方、奈良方面は大和路快速大阪方面行きと、奈良線の普通奈良行きがそれぞれ30分間隔で運行されている。
大和路快速は王寺まで各駅に停車し、久宝寺・天王寺から大阪環状線に乗り入れる。
乗り場
ホームは相対式2面2線のシンプルな構造だが、山肌に設置された駅なので、2番のりばが1番のりばよりも高くなっているのが特徴的だ。
この駅は「ならやま」と称するが、当駅西側にあるニュータウンは「へいじょう」と読む。歴史のある町ゆえのややこしさも魅力の一つなのだろう。
橋上駅舎左手に見えるのが、展望スポットとなっている跨線橋。跨線橋が橋上駅舎よりも高い位置にある駅はなかなか珍しいのではないだろうか。
そして、電車区を跨いで「三井佐保山住宅」に向かう跨線橋の下にもう一つ橋があるのが見える。
これは奈良電車区の敷地に繋がっており、JR西日本の社員専用の通用口となっている。
下段の1番のりばにやってきたのは、関西ではまだまだ現役で活躍する国電車103系の奈良線・普通京都行き。
次にやってきたのは、221系大和路快速加茂行き。当駅は奈良線のみやこ路快速は通過するが、大和路線の大和路快速は停車する。
この駅は大和路線の駅ながら、なぜか運行管理士システムが未導入の駅となっており、国鉄時代を彷彿とさせる超懐かしの接近ベルを聞くことが出来る珍しい駅でもある。
えきログちゃんねる
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