京都市内を流れる鴨川にかかる三条大橋の東詰めにある京阪本線・鴨東線の2面4線の地下駅。
1915年の開業から70年余りは長らく京阪の京都側の終着駅かつ地上駅であり、京津線のホームも設置されていた京阪の一大ターミナル駅だったが、1987年の京阪本線地下化及び1997年の地下鉄東西線開業による京津線の部分廃止に伴い、現在は京阪本線の中間駅の存在となっている。
利用客数も1日4万人に満たず、繁華街に近い隣の祇園四条駅の後塵を拝するも、開放的かつ広大な駅空間が、かつてターミナル駅だった栄華の面影を今に伝えている。
目次
外観
三条通りと鴨川沿いを走る川端通が交差する三条大橋交差点。そこから東山方向を望む。地元民からは三条京阪と呼ばれている。
同じ場所から反対の西方向を望む。三条大橋を渡った突き当たりが京都を代表する繁華街である河原町通だ。
その三条大橋を南から撮影。古都京都らしい風情ある光景だ。
三条大橋上から南方向を望む。ここから1キロも離れていない四条大橋が肉眼で確認できる。
そこからやや目を右に転じて鴨川の西岸方向を望む。先斗町の納涼床が軒を連ねているのが見える。
今度は三条大橋から北方向を望む。三条より北は落ち着いた雰囲気となる。京都の北山が綺麗に写っている。
三条大橋交差点南東角を望む。このあたりが地上駅時代の三条駅があった場所。
路面電車だった京津線も発車する、京阪電車の一大ターミナル駅だったが、1987年に京阪本線が地下化して京津線と分離、1997年には地下鉄東西線開業による京津三条駅廃止によって、ターミナル色がかなり薄くなった。
交差点南東角付近にある「高山彦九郎像」、通称「土下座像」。三条京阪定番の待ち合わせスポットだ。
バスターミナル・京津三条駅跡地
三条駅前にあるバスターミナルは、「三条京阪前」と呼ばれている。ここは川端通沿いにある京阪バスの乗り場。
上のバス停の後ろが、旧京津三条駅跡地。
かつてはこの地上駅から京津線の路面電車が発車する鉄には大興奮の場所だったが、1997年の地下鉄東西線開業の影響で京津三条駅も廃止された。
今その跡地はこんな感じになっている。
KYOUENと呼ばれるレストランを中心とした商業施設。2010年までの暫定営業の予定だったが、土地利用規制の影響で後継施設が決まっていない状況とのこと。
三条通り沿いの南側からは四条河原町・京都駅方面、北側からは平安神宮・岩倉方面行きの京都市バスと京都バスの乗り場がある。
駅の南側の裏手にもバス停があり、市内北西部へ向かう京都市バスと東京・関空方面に向かう高速バスがここから発車している。
改札口・コンコース
駅入り口から地下コンコースへの階段を下る。高い天井が開放感をもたらしている。
駅のコンコースに降り立つ。かつてのターミナル駅を彷彿をさせる、とても開放的な空間が広がる。
中央改札口。左上の見える絵は西脇友一氏作の「時代祭行列絵図」。三条大橋を通る三条通りは時代祭行列コースとなっている。
こちらは北改札。
その北改札を後ろに振り替えると、先ほどの開放的なコンコース空間が広がっている。
三条駅の利用客数は繁華街に近い祇園四条駅よりも少ない、1日約36000人程度。やや手狭な祇園四条駅とは皮肉な対照を見せている。
上の写真から左手に曲がった連絡通路の先は、京都地下鉄東西線の三条京阪駅につながる。
中央改札内のコンコース。構内もかなり広く開放的で、駅ナカ店舗まで備わっている。
構内コンコースにあるLCD発車案内掲示板。2008年の中之島線開通を機に、デザインがスタイリッシュな感じに一新された。
時刻表
京阪本線:大阪(淀屋橋・中之島)方面
1915年の開業から1989年の鴨東線開業(三条ー出町柳間)まで長らく京阪の京都側の終着駅だったが、現在は当駅始発の電車はほぼ全廃され、普通の中間駅と同じ扱いとなった。
日中は1時間当たり
特急淀屋橋行き:6本
各駅停車系統:6本(準急淀屋橋行きと各駅停車中之島行きが半分ずつ)の計12本。夕ラッシュ時でも本数が増えないのが特徴。
かつては京阪間ノンストップの特急・「隔駅停車」と揶揄されかなり使い勝手の悪かった急行・各駅停車が各1時間に4本ずつの運転だったが、特急が中間駅に停車するようになって本数が増えたことで、沿線内の利便性は向上している。
京阪本線:出町柳方面
出町柳行きも特急6本/時、各駅停車:6本/時の計12本体制。
興味深いことに、8時台に特急が連続してやってくるタイミングが2回存在すること(8:09と8:15、8:28と8:34)。
淀屋橋出発時点は10分間隔となっているので、途中で電車が詰まってノロノロになっているのだろう。
乗り場
【1・2番線】京阪本線:出町柳方面
駅票。2008年中之島線開業を機に一新された。
ホームは島式2面4線構造。京阪の京都地下線(七条ー出町柳)内で最も規模が大きい。
2番線に2400系各駅停車出町柳行きが到着。当駅で特急の待ち合わせを行う。出町柳方面は外側が本線だ。
その2400系を正面から。半世紀近く活躍している超ベテランだが、車体のカラーリングを変更したことで若返ったように見える。
そして、1番線に3000系の特急出町柳行きが到着。もともと中之島線開業に合わせて中之島線の快速急行用に作られた車両だ。
しかし、利用状況から中之島線直通の快速急行は本数が激減となったため、今は特急運用についている。
出町柳方向を望む。柱についている2本のカラー帯は、うすあけ(ピンク色)。大阪と京都を結ぶ古都の玄関口としての賑わい・華やかさを象徴しているとのこと。
今度の2番線は2200系の準急出町柳行き。萱島からは各駅に止まるため、萱島から京都寄りの各駅停車の役割を果たしている。
その2200系を3番線から撮影。
そして、1番線に王道の京阪特急8000系出町柳行きが到着。
【3・4番線】京阪本線:大阪(淀屋橋・中之島)方面
ホーム端より祇園四条方向を望む。2番線と3番線の間に柱が無いので、開放的な空間に見える。
4番線に到着の9000系各駅停車中之島行き。大阪方面ホームは内側の3番線が本線となる。準急と各駅停車は当駅で特急の待ち合わせを行う。
1日4万人に満たない利用客の割には、かつてのターミナル駅だったからか、コンコースもホームも広くとられている。
3番線で特急を待つ人々。三条駅で最も人が集まるのが3番線だ。
その3番線に京阪特急8000系の淀屋橋行きが到着。中間駅の停車駅が増えても、2扉車で頑張り続けている。
その8000系を2番線より。ダブルデッカーも備えた快適クロスシート特急だ。この快適車に特急券無しで乗れてしまう。
今度の4番線は2400系の各駅停車中之島行き。
その横顔。丸みを帯びたフォルムが美しい。
2番線と3番線に電車が並んだ光景。それにしても三条駅の雰囲気は落ち着いている。
ホーム出町柳寄りから。
3番線ホーム端から出町柳方面を望む。2番線の奥が引上げ線になっている。
えきログちゃんねる
[京阪特急2扉ダブルデッカー車発車風景@三条駅]8000系淀屋橋行き201508
停車駅が増加して2扉車が引退した阪急と違い、今でも2扉・クロスシート・2階建車がバリバリ現役で活躍している。
[京阪特急接近メロディ@三条駅]淀屋橋行き@3番線201508
[京阪本線三条駅接近メロディ・3扉車ver]各駅停車中之島行き@4番線201508
[京阪特急車内放送]まもなく三条(地下鉄東西線・京津線乗り換え)201508
祇園四条を出て隣の駅三条の到着前放送。駅間が短いため冒頭メロディなしの到着放送のみ。