出町柳駅[叡電](京都市左京区)~京阪線開通により洛北観光の玄関口として復活を遂げた、終着駅らしい趣のある頭端ターミナル~

観光地として有名な京都市北部(洛北)の八瀬・大原・鞍馬方面に向かう叡山電車の南端ターミナルである頭端式4面3線の地上駅。

当時関西に基盤のあった電力会社「京都電燈」の電力安定供給先として進出した鉄道事業に端を発し、1925年(大正14年)開業から約一世紀もの歴史を有する。

1987年の京都市電全廃による乗客激減の憂き目に合うが、1989年の京阪鴨東線開業による鉄軌道との再接続を果たして以降、利用客数は増加傾向にあり、洛北観光の玄関口として復活を遂げる。

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外観

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叡電本社と90年の歴史を誇る叡電出町柳駅の地上駅舎が入居する京阪出町柳ビル。1989年の京阪出町柳駅開業から4年後の1993年に竣工された。

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その叡電出町柳駅を正面より。

京阪鴨東線開業時に建設された新駅舎に隠れて、叡電出町柳駅開業当時の歴史ある仏堂形式の旧駅舎があるのがわかる。

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駅ビルに直結している京都バスの出町柳駅前停。あと、川端通沿いと今出川通り沿いにも京都市バスのバス停がある。

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この付近は鴨川が北東方向と北西方向に分岐する鴨川デルタと呼ばれる分岐点。出町柳駅は、北東方向に流れる高野川側にある。

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その高野川にかかる河合橋。

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その河合橋から高野川を北方向に望む。京の山々が美しく開放的な光景だ。

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今度は同じ場所から南方向を望む。鴨川との分岐点である鴨川デルタと今出川通りにかかる賀茂大橋が見える。

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河合橋を渡って右手には、ユネスコ文化遺産に指定されている「賀茂御祖神社」通称「下鴨神社」と、国の史跡に認定された原生林「糺の森(ただすのもり)」がある。

改札口・コンコース

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微妙に斜めがかった坂が印象的な出町柳駅改札前コンコース。

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京阪出町柳駅の叡電口。この階段を下りた地下に京阪電車のコンコースがつながっている。

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上の写真の右手が、叡電の出町柳駅の入り口。叡山電車は京阪グループなので、案内板のデザインも京阪仕様だ。

時刻表

叡山本線・鞍馬線:八瀬比叡山口・鞍馬方面

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取材したのが8月だったので、夏季特別ダイヤとなっており、日中は1時間あたり、鞍馬行きと八瀬比叡山口行きが4本ずつとなっている。

普段は、鞍馬行き:3本、鞍馬線の途中の二軒茶屋行き:3本、八瀬比叡山口行き:3本の運行形態。

出町柳駅が所属する叡山本線は、出町柳ー八瀬比叡山口間の路線だが、宝ヶ池から分岐する鞍馬線の方が主体となっている。

乗り場

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駅票。出町柳駅の所属は叡山本線だが、現在は鞍馬線と一体運用しており、路線ごとにホームが分かれている。

これは3番線の鞍馬線ホームにある駅票なので、左上に「鞍馬線」の表記がある。

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ホームは4面3線の頭端式。終着駅にふさわしい趣きがある。

【1番線】叡山本線:八瀬比叡山口方面

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出町柳駅は公式には叡山本線の駅なのだが、本線は3線あるうちの1線のみから発車する。

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1番線に停車中の700系八瀬比叡山口行き。

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叡電は、1978年の京都市電全廃による他の鉄道路線との接続が絶たれ、乗客減による経営難が深刻化。

700系は経営難に対応するための合理化策として1987年に導入されたワンマン運転対応車だ。

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その横顔を拝見。叡山本線を1925年(大正14年)に開業させたのは、当時関西と北陸をテリトリーにしていた電力会社である「京都電燈」。

電力の安定供給先確保の目的に鉄道事業を行い、2年後の1927年(昭和2年)には、鞍馬線の前身となる鞍馬電気鉄道も開業させた。

【2・3番線】鞍馬線:貴船口・鞍馬方面

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2・3番線からは宝ヶ池から鞍馬線に直通する電車が発車する。観光地として有名な貴船・鞍馬に向かう路線で、現在はこちらの方が主流。

叡電を運営していた京都電燈は、戦時統制により解散を命じられ、鉄道事業は1942年に京福電鉄に譲渡された。京福は京阪の子会社だが、1978年の市電全廃による乗客激減により経営難に陥った叡電部分を1986年に分社化し今に至っている。

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2番線の車止め方向を撮影。終着駅の雰囲気満点のホーム。最長2両編成の叡電ゆえのコンパクトな感じもまた味がある。

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叡電出町柳駅の1日の利用客は約14000人。1989年の京阪出町柳駅開業による鉄軌道との接続復活が寄与し、乗車人数は1991年(平成3年)から約2割増となっている。

京阪側の駅も、叡電との接続効果もあってか、三条駅を上回る4万人超の利用客数を獲得。京阪グループとして三条ー出町柳駅の延伸は、必要かつ成功をおさめた事例だったと言えよう。

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1番線先頭付近から2・3番線方向を望む。

1番線もかつては2両編成対応だったが、八瀬方面行きがほとんど1両編成となったことから、ホーム先頭部分を埋め立てたとのこと。

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3番線はホームの奥に向かうにつれて内側に曲がっている。

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3番線に停車中の810系鞍馬行き2両編成。「ギャラリートレイン・ともれび」。

登場当初はアメリカ人デザイナーによる「エコモーション・トレイン」塗装だったが、2003年に近畿車輌による、四季の森をバックに動物を描いた現塗装に変更されている。

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その横顔を拝見。四季の森をバックに沿線の動物や昆虫を配置したデザインだ。

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700系と800系の並び。

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3番線降車ホームから元田中方面を望む。住宅地を縫うように線路が走っていく。

えきログちゃんねる

[叡山電車車内放送]鞍馬線出町柳行き(鞍馬→出町柳)

乗換駅

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