1885年(明治18年)に南海電車(初代阪堺鉄道)開通と同時に開業した、南海最古の駅の一つで、3面4線の高架駅。
長らく各駅停車のみが止まる下町のマイナーな地上駅であったが、1993年(平成5年)に当駅から分岐していた天王寺支線の代替として延伸開通した堺筋線との乗換駅となってから状況が一変。
かつては1日2万人程度の利用しかなかったが、堺筋線との接続効果により利用客は3倍強に膨れ上がり、2003年にはラピート含む全列車停車駅に大昇格。
駅舎も豪華な高架駅へと大変貌を遂げ、人口減によって利用客が低迷する関西私鉄の中に置いて、異質な存在となっている。
目次
外観
天下茶屋駅東口。下町の駅とは思えない風貌。これが各駅停車のみが止まる下町の小駅から、全列車停車の中核駅への大変貌を遂げた駅の姿だ。
上の写真から東方向を望む。奥の通りを200mほど行くと、阪堺線の北天下茶屋電停にたどり着く。
今度は駅西口。
ここは、南海電車の天下茶屋車庫があった場所。跡地はショッピングモールとなっている。
そのモール内から、駅西口方向を望む。
駅西口に接近。左手が南海天下茶屋駅、右手が地下鉄堺筋線の天下茶屋駅。改札は対面で、乗り換えが容易な設計となっている。
南海天下茶屋駅の正面。駅改札は階段・エスカレーターを上った2階にある。
その改札付近から地下鉄天下茶屋駅方向を望む。
改札口・コンコース
改札口正面。南海天下茶屋駅は、1885年(明治18年)、南海の前身初代阪堺鉄道開通当時に開業した、南海最古の駅の一つ。
改札口構内。かつては地上駅で、この駅から天王寺支線が走っていたが、堺筋線延伸に伴い廃止となった。
また、堺筋線延伸前は、各駅停車しか止まらない駅だったが、市内中心部及び阪急線につながる堺筋線との接続効果は絶大。
堺筋線延伸開業時は約2万人しかいなかった利用客は5年で倍増、2003年には全列車停車駅に大昇格を遂げた。
改札入ってすぐのところにあるパタパタ式の発車案内掲示板。パタパタ式が使われ続けているのも南海の味わいの一つ。
その後も利用客は増え続け、現在では1日約65000人と、堺筋線延伸前の3倍強、南海ではなんば・新今宮に次ぐ3番目に利用客の多い駅に大変貌を遂げた。
堺筋線との乗り換えだけでなく、南海線と高野線との乗り換え駅ともなっているので、人の往来が多い。
時刻表
南海本線・空港線
和歌山市・関西空港方面
南海本線と空港線は一体運用となっており、1時間に12本体制。泉佐野から分岐する空港線と和歌山市に向かう南海本線が半分ずつとなっている。
空港線方面は、全車指定席の特急ラピートが毎時2本、空港急行が毎時4本。
南海線方面は、一部指定席の特急サザンが毎時2本、普通車が毎時4本となっている。日中の急行はすべて空港急行となり、南海本線に向かう急行はラッシュ時のみの運転となっている。
高野線
高野山・泉北高速線方面
南海主導の宅地開発の進む高野線は、南海線よりも本数が多く、基幹路線の地位を本線から奪う状況となっている。
日中は12分サイクルで、高野線の急行・区間急行、高野線の各駅停車、中百舌鳥から泉北高速線に入る準急が運行されている。
12月にダイヤ改正を予定しており、利用の多い泉北高速線の本数を増やす反面、中百舌鳥以遠の高野線の本数を削減する措置をとる模様。
乗り場
駅票。堺筋線との乗り換えにより多大な恩恵を受けている南海では、地下鉄だけでなく、阪急線との乗換も強調しており、案内もそのようになされる。
ホーム萩ノ茶屋寄りから。3面4線の構造で、左の1番線は高野線の高野山方面。
真ん中の島式ホームは高野線のなんば方面と、南海線の和歌山・関空方面が、最右翼の4番線からは、南海線のなんば方面の列車が発車する。
同じ場所からなんば方面を望む。隣の萩ノ茶屋駅が肉眼で確認できる。所属は南海本線の駅なのに、高野線にのみホームが存在する特異な駅構造をしている。
【1番線】高野線:高野山・泉北高速線方面
1番線の高野山方面は単式ホーム。下町の駅とは思えない綺麗な高架ホームだ。
1番線にやってきた泉北高速3000系の準急和泉中央行き。
泉北高速線方面は、2015年12月のダイヤ改正により、準急のみ5本/時の体制から、急行・準急・各停2本ずつの計6本/時に増発される。
今度の準急和泉中央行きは、南海車6000系。いまや少数派の片開き車だ。こういうレトロな車両が見られるのも南海のいいところ。
今度の各駅停車河内長野行きは、6000系を両開き扉化した6100系。高野線はステンレス車主体だ。
またやってきた準急和泉中央行き。こちらは泉北高速の7000系だ。
【2番線】高野線:なんば方面
島式ホームの2番線からは、高野線の電車が発車高野線の「各駅停車」は全駅に停車するので、次の萩ノ茶屋停車の喚起表示が掲げられている。
高野線の各駅停車はすべての駅に停車するので、文字通り「各駅停車」だ。
6100系の各停なんば行きがやってきた。誤乗防止のためか、次は「萩ノ茶屋」に止まりますと案内される。
2番線にやってきた泉北高速7000系の準急なんば行き。
2・3番線の全景。高野線から南海線への平面乗り換えが可能となっており、ホーム幅は広い。
【3番線】南海本線・空港線:和歌山市・関西空港方面
3番線からは南海本線と空港線の下り電車が発車。
取材日が8月だったので、8月で終了した特急ラピートβ50000系のハッピーライナー号と遭遇することが出来た。
続いては空港急行の関西空港行き7100系。日中の本線系統の急行はすべてこれになった。ステンレス車主体の高野線と異なり、南海線は塗装車主体だ。
次は、一部指定車の特急サザン和歌山市行き。前寄り4両が2扉クロスシートの指定席車、後寄り4両が4扉ロングシートの自由席車だ。
サザンの指定席車10000系。利用客は自由席に集中している模様。
南海線の各駅停車は、ホームの無い今宮戎と萩ノ茶屋には止まらないため、「普通車」と高野線のそれと名称を使い分けているのが特徴。案内板表記も「普通」となっている。
南海線の3・4番線ホーム。奥が4番線のなんば方面ホーム。
【4番線】南海本線:なんば方面
原色濃紺のラピートβ50000系のなんば行き。6両編成での運行だ。
上りと下りの特急サザンが並んだ。手前側3番線の和歌山市行きが10000系、奥の4番線のなんば行きが、サザンプレミアム12000系だ。
そのサザンのなんば寄りは、7100系の自由席車が4両連結されている。
今度のなんば行きは、7100系の空港急行なんば行き。利用状況から昼間は短い6両で運転されることが多い。
今度の4番線の空港急行なんば行きは、南海本線系統では初となるオールステンレス車体の9000系だ。
えきログちゃんねる
[平日昼間の南海天下茶屋駅入線発車風景/w入線放送]6300系区急林間田園都市行&8000系準急行なんば行&7000系特急サザンなんば行201508
[南海天下茶屋駅発車風景]高野線6000系各駅停車なんば行き&南海本線9000系空港急行なんば行き201508
[南海天下茶屋駅接近メロディ]空港線空港急行関西空港行き@3番線201508
[南海天下茶屋駅接近メロディ]高野線「準急行」和泉中央行き(泉北高速線直通)@1番線