阪和線の前身・阪和電気鉄道買収を機に、山手線と改名した阪和線と高野線との接続駅として、1942年(昭和17年)に開業させた高野線の相対式2面2線の地上駅。
当初南海電車同士の接続駅として機能したものの、開業2年後の国有化によって山手線の駅が分離され、高野線だけ南海に残された歴史を持つ。
そうした経緯もあってか、堺東駅に次ぐ南海第5位の利用客数を誇る中核駅にも関わらず、いまだ準急以下しか停車しない格下駅の扱いとなっている。
また、駅名も、南海の「ヶ」は小文字であるのに対して、JRのそれは「ケ」と大文字になっているのは、波乱の歴史を思い起こさせるトリビアである。
外観・駅周辺
JR阪和線の前身・阪和電気鉄道を買収した2年後の1942年(昭和17年)、山手線に改称した阪和線と高野線が交差するこの地に乗換駅として開業した。
北口にあるバスターミナル。南海バスが堺駅・堺東駅方面に路線を走らせている。
南海主導でリニューアルされた駅ビル。見違えるほど綺麗になった。
上の写真の右手は同じ南海の山手線であった、現・JR阪和線の三国ケ丘駅。
当駅開業からわずか2年後の1944年(昭和19年)に、戦時買収によって国有化されてしまい、あえなく別離の運命をたどることとなった。
JRは「ケ」が大文字で、南海の「ヶ」は小文字というトリビア。元々同じ南海の駅だったのになぜ異なってしまったのかはわからない。
改札口・コンコース
変わって、上の写真の左手には南海の改札口につながる階段が。駅リニューアルによって駅ナカ施設が作られ、橋上駅舎化された。
これが、2階の改札口前に、2014年5月にオープンした駅ナカ施設「N.KLASS三国ヶ丘」。
「N.KLASS」という名称は、南海(NANKAI)がある日常を、素敵に(NICE)暮らす(KURASU)ことと、ひとつ上のクラス(CLASS)を目指すことを表現しているらしい。
改札内コンコース。当駅は、堺東駅に次ぐ、南海第5位の1日約4万人の利用客数を誇る。
南海特有のレトロ感とは一線を画したスタイリッシュなコンコースだ。
時刻表
高野線:高野山・泉北高速線方面
当駅は、南海第5位の利用客数を誇る中核駅のはずだが、準急以下しか止まらない格下駅扱いとなっている。
JRに乗客を持っていかれないための経営戦略上の措置のようだが(急行は北野田以遠から大阪市内に向かう速達目的という遠近分離の理由もあるようだが)、阪和線の駅が国有化されていなければ、急行以上の優等同士の接続駅となっていたかもしれない。
乗り場
南海仕様の駅票。「ヶ」が小文字になっていることに注目したい。
ホームは地上1階にあり、相対式2面2線の構造。
準急以下しか止まらない駅なので、発車案内板も簡素なもの。堺東駅を出発後に「通過」「北野田方面」「泉北 泉が丘方面」の3パターンのみ表示される。南海第5位の利用客数を誇る駅としては寂しい。
1番線にやってきた中百舌鳥から泉北高速線に入る南海1000系の和泉中央行き。準急表記だが、堺東からは終点和泉中央まで各駅に停車する。
ホーム端から北野田・中百舌鳥方面を望む。
2番線を通過する6200系の急行なんば行き。
1番線に高野山開創1200年記念ラッピング「紫こうや」30000系の特急こうや号通過に遭遇できた。
ホームなんば寄りから。駅ナカ施設のある橋上駅舎はホーム高野山寄りにある。
同じ場所からなんば方面を望む。左手の高台を走る道路の奥が、日本最大の古墳・大仙陵古墳(仁徳天皇陵)だ。
1番線をまだまだ現役で活躍する片開き車6000系の区間急行三日市町行きが通過。
2番線に6100系の各駅停車なんば行きが到着。高野線の普通電車は、南海線のホームの無い萩ノ茶屋・今宮戎にも止まるため、「各駅停車」と称される。
えきログちゃんねる
[南海高野線三国ヶ丘駅接近メロディ優等通過駅ver]各駅停車なんば行き201508
三国ヶ丘駅は急行以上の優等が止まらないため、案内放送は簡略化されており、到着電車の種別・行先等の詳細放送(「ただいま到着の電車は・・・」)は省略されています。