京都随一の紅葉スポットとして有名な東福寺付近にあり、京阪本線開業と同時の1910年(明治43年)に設置された、相対式2面2線の地上駅。
長らく駅の真横をJRの列車が素通りする状況だったが、1958年(昭和32年)にJR東福寺駅が開業し、京都駅からのアクセスが大幅に改善。
未だ特急通過駅ながら、乗換駅としての重要性が増しており、利用客数は特急停車駅である隣の七条駅を上回る。
狭隘な場所を駆使した京阪・JR両駅のコラボレーションや、駅南側におけるダイナミックな立体交差等、観光地である周辺だけでなく、駅自体も魅力満載である。
外観・駅周辺
府道143号線・九条通りの高架上から北西方面を望む。JR京都駅ビルの巨大建造物が肉眼で確認できる。
上の写真の場所から南側を望むと、2路線が立体交差するという何ともダイナミックな光景が。
右側をJR奈良線が直進し、、
左側を走る京阪電車が大きく西にカーブして、直進するJRを跨ぐ。
1879年(明治12年)に、当時の東海道本線として開業した京都ー稲荷間の直進線を、その約30年後の1910年(明治43年)に開業した京阪電車が、国鉄の線を避けて通る構造となったようだ。
上の写真の高架道から下に降りたところを南北に走る本町通(伏見街道)を北方向に望む。
11月の観光シーズンであることもあってか、平日昼間にも関わらず、この人通り。
そこから少し北に向かうと、建物が密集する中に東福寺駅が現れる。
当駅は京阪とJRの駅が併設されているが、京阪の駅が開業当時の1910年(明治43年)から存在していたのに対し、国鉄(JR)の駅が出来たのは、その約40年後の1957年(昭和32年)。
駅開設後も1993年(平成5年)までの長きに渡って、駅業務を京阪に委託していた経緯もあってか、京阪仕様の駅となっている。
上の写真から本町通を南方向に望む。奥に見えるのが、最初に紹介した九条通りの高架橋。
その高架橋をくぐって南下すると、京阪電車が西にカーブする地点に差し掛かり、、
さらに南下すると、東福寺中門に到着。実は東福寺へは、当駅よりも一つ南隣の鳥羽街道駅の方が近いというのは、知られざるトリビアである。
その中門をくぐって、境内に向かうと、、
日下門を入り、本境内に到着。奥に見えるのが本堂。右手にあるのは禅堂。
日下門から中門方向を望む。平日昼間なのにこの人出。11月の京都の集客力はすさまじい。
日下門入口から南方向には、竹林の美しい魔訶阿弥の森が見える。東福寺最寄りの鳥羽街道駅はこちら方向に向かう。
反対の北方向を望む。美しい小道が旅情を引き立てる。東福寺駅はこちら方面。
本堂を北西方向から。紅葉で有名な通天橋に行くには、拝観料が必要となる。取材は出来なかったが、その通天橋からの紅葉は、京都でも1・2を争う紅葉の絶景スポットらしい。
改札口・コンコース
駅入口。正面は京阪電車の東改札。
JR奈良線の駅は、左手奥の連絡階段を上って橋上改札口に向かう。案内板が京阪仕様だ。
連絡階段からは、京阪のホームが見える。狭い敷地を駆使した迷路のような空間。観光シーズンには、かなりの混在ぶりを見せ、1日何と5万人近くが利用した日もあったらしい。
その東改札は大阪方面行きホームと直結している。
京都方面行きホームには西改札があり、橋上にあるJR線の改札口とつながっている。
時刻表
京阪本線:淀屋橋・中之島線方面
当駅はJR線との接続駅であり、京都駅からJRに乗り換えて1駅で行ける利便性を有していることもあり、特急停車駅である隣の七条駅を上回る1日約15000人の利用があるが、特急は停車しない。
萱島まで各駅に止まる淀屋橋行きの準急と、中之島行きの各駅停車が10分間隔で運行される、実質的に優等の止まらない駅となっている。
当駅を出ると、丹波橋と枚方市で後続の特急の待ち合わせを行う。
京阪本線:出町柳方面
出町柳方面も同様。ラッシュの概念の無いダイヤとなっており、当駅出発後、三条で後続の特急の待ち合わせを行う。
乗り場
ホームは相対式2面2線のシンプルな構造なのだが、、、
何と、真隣にJR奈良線の東福寺駅が並んでいるという鉄にはたまらない構造。
路線は国鉄の方が京阪より30年早かったが、駅が出来たのは京阪の40年後。1957年(昭和32年)までは京阪の駅の隣を国鉄が素通りするという、鳥羽街道駅と同じ光景が見られた。
それが今では、JR側の駅を出発する221系みやこ路快速奈良行きと、京阪側の駅を通過する8000系特急出町柳行きのようなコラボが楽しめるようになった。
駅票。2008年(平成20年)の中之島線開業を機に、デザインが一新された。
ホーム端から鳥羽街道・大阪方面を望む。JRの線路を跨ぐべく、大きく西にカーブしていくのがわかる。
1番線を8000系特急出町柳行きが通過していく。
その直後に、JR東福寺駅から出発する221系みやこ路快速奈良行きの姿が、京阪の駅から確認できた。
ホーム京都寄りから。奥にJR東福寺駅が続いているが、京阪は京都方面から番線を付与する関係で、手前側が2番線となっている。
京阪の2番線ホームから、JR東福寺駅の駅票が確認できる。
1番線ホームの出町柳寄りには、JR東福寺駅との連絡改札が2011年(平成23年)に設けられ、7時から19時までの間であれば、JRと京阪との平面乗り換えが可能となった。
2番線に到着した2400系の萱島まで各駅に止まる準急淀屋橋行き。この後、丹波橋と枚方市で後続の特急の待ち合わせを行う。
その準急発車後にやってきた、8000系特急淀屋橋行き。
続いて、京都方面行き1番線から出発する1000系の横顔を拝見。
1番線の鳥羽街道寄りには、先ほど紹介した西改札がある。改札機が1台だけのコンパクトな作りだ。
今度の1番線通過の特急は3扉車の3000系。中之島線乗り入れの快速急行用として製造されたが、中之島線不振により快速急行が実質廃止され、本線特急へと転用された。
JR東福寺駅の2番のりばから、京阪東福寺駅1番線に入線する1000系の準急出町柳行きの姿をとらえてみる。鉄道ファンには萌え萌えする駅の一つだろう。
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