言わずと知れた大阪府の代表駅であり、西日本最大の1日約80万人の利用客を誇る6面11線の高架駅で、第一回近畿の駅百選認定駅。
1874年(明治7年)に官製鉄道の大阪ー神戸間開通と同時に開業。開業当初は場所が梅田にあるため「梅田ステーション」と呼ばれていたというトリビアがある。
今や各線の駅が集まる西日本最大のターミナルとなった梅田だが、この地に最初に出来たのは、梅田にあるのに梅田を名乗らないこの大阪駅である。
長らく古びた駅舎だったが、大阪ステーションシティの大再開発により、おしゃれでモダンで壮大な駅に大変貌を遂げる。空中庭園まで備える一大建造物は、長らく梅田の象徴だった阪急梅田駅から存在感を奪い取ってしまうくらいの衝撃を与えている。
外観・駅周辺
古くからの梅田の中心・ダイヤモンド地区
1日約80万人が利用する西日本最大の駅・JR大阪駅。その南側に君臨する大丸梅田店が入居するサウスゲートビルディング。
1983年(昭和58年)にアクティ大阪として開業したターミナルビルだが、大阪ステーションシティ再開発に伴い、2011年(平成23年)に改修された。
そのサウスゲートビルディング正面の大阪駅前交差点の道向かいに対峙するのが、阪神電車梅田駅が入居する阪神百貨店梅田店。
阪神百貨店から西方向は、旧阪神グループの商業施設であるハービスOSAKAや、ハービスEST等が立ち並ぶ阪神村と呼ばれる地域。
写真は大阪駅1番のりばホームから南方向に撮影したもの。地下鉄四つ橋線の西梅田駅は、この近辺に存在する。
今度は、阪神百貨店から東に進んだところにある阪神前交差点。
南東方向に伸びているのが御堂筋で、地下鉄御堂筋線と谷町線はこの地下を並走し、谷町線東梅田駅は写真の奥の方にある。
そして、これが阪神前交差点の北側、御堂筋に面する、西日本最大の百貨店・阪急うめだ本店。
実は1973年(昭和48年)まで、阪急梅田駅はこの阪急うめだ本店1階に存在していた。
その阪急うめだ本店を御堂筋を挟んだ向かいに堂々と君臨するのが、大阪ステーションシティ再開発で大変貌を遂げた大阪駅。
1874年(明治7年)に梅田の地に最初に開業した鉄道駅で、開業当初は「梅田ステーション」と呼ばれていたという逸話も残っている。
JR・阪急・阪神の3大ターミナルが集積する大阪キタの中心・梅田。
元々田畑しかなく、湿地帯を埋め立てたことから「埋田」と呼ばれた寂れた土地だったが、今や西日本最大の繁華街にまで大変貌を遂げた。
再開発で大変貌を遂げたうめきたエリアと圧巻スケールの大阪ステーションシティ
大阪駅北側に隣接し、2013年(平成25年)に廃止された梅田貨物駅跡地の再開発エリアである「うめきた」。
左からグランフロント大阪・ヨドバシカメラ梅田、そして大阪駅擁する大阪ステーションシティが堂々と君臨する。
大阪ステーションシティは、このノースゲートビルディングが開業した2011年(平成23年)に5月にグランドオープンした。
開業初日には何と50万人の人が訪れ、開業からたったの一か月で来店客数が1千万人を突破したらしい。
そして、これが大阪ステーションシティの目玉の一つである5階・時空(とき)の広場。
JR九州の斬新な車両デザインで一躍有名となったインダストリアルデザイナー・水戸岡鋭治氏が監修した圧倒的な開放感が魅力的な広場だ。
この時空の広場からは、駅を発着する列車をジオラマのように見下ろせるという、鉄道ファンにも萌え萌えの空間となっている。
そして、その時空の広場からさらに上に登ると、、、
11階に設置された憩いの場である風の広場からは、、、
再開発を待つ梅田貨物駅跡地と梅田スカイビルの姿を一望することが出来る。これが大阪最後の一等地と言われる「うめきた」エリアの全貌だ。
バスターミナル
大阪駅南側に位置する大阪市バスの大阪駅前バスターミナル。バス停名は地下鉄の駅である「梅田」ではなく、旧大阪市電の大阪駅前停を踏襲している。
しかし、その大阪市電も1908年(明治41年)の開業当初は大阪駅前ではなく、梅田電停を名乗っていたのはちょっとしたトリビアだ。
一方、大阪ステーションシティ1階北側には大規模高速バスターミナルが控えており、東京・中国・四国方面に向かう高速バスがひっきりなしに発車している。
さらに興味深いことに、実は同じ場所に阪急バスの「梅田」停が存在する。阪急のプライドにかけても「大阪駅」は名乗らないのだろうか。
コンコース・改札口
新たな表玄関となった連絡橋口
2011年(平成23年)の大阪ステーションシティ開業と共に供用が開始された3階にある連絡橋口を北端より望む。
上の写真の場所の真後ろ・北方向は再開発で賑わうグランフロント大阪擁する「うめきた」エリアの開放的な眺望が開ける。
それまでは、改札口が1階にしかなかったが、この連絡橋口が出来たおかげで、人の流れの分散が図れたことは大きいだろう。
その連絡橋口改札を改札内より望む。大阪ステーションシティに直結するこの連絡橋口は、大阪駅の新たな玄関口となった。
1997年(平成9年)のJR東西線・北新地駅開業以来減少傾向にあった当駅の利用客数は、大阪ステーションシティ開業効果により、2011年度に前年比14%増を記録した。
連絡橋口改札内コンコースからホーム側を望む。
この圧倒的な眺望は、1997年(平成9年)のリニューアルで度肝を抜かされた京都駅をも上回るものかもしれない。
大阪駅のど真ん中に君臨する中央口
大阪駅のど真ん中を南北に貫く中央口も、大阪ステーションシティ開業によってリニューアルされた。
中央口の北側は、大阪駅高速バスターミナルに直結している。
そして、南側はさきほど見たサウスゲートビルディングの正面、阪神梅田駅の道向かいに出る。
阪急・地下鉄御堂筋線との乗換に至近な御堂筋口
大阪駅の東端に位置する、文字通り御堂筋に面する御堂筋口。
阪急・地下鉄御堂筋線梅田駅、地下鉄谷町線東梅田駅、そして大阪市バスの大阪駅前停との乗換えに近く、終始人の流れが絶えないところとなっている。
時刻表
大阪環状線:[内回り]西九条・弁天町方面
大阪の環状線は、緑一色の各駅電車のみの東京山手線と違って、奈良・和歌山・関空方面への快速主体の路線で、4扉車よりも転換クロスシートの3扉車が主体となっている。
かつては環状線普通と快速が6本/時だったが、快速の利用が増えているため、快速重視のダイヤに変更され、今では、日中ダイヤは関空・和歌山方面行き紀州時快速:4本、奈良方面行き大和時快速:4本、環状線普通:4本となっている。夕ラッシュ時は上記運行に加え、環状線普通が4本追加となる。
快速重視のダイヤとなったことで、逆に普通しか止まらない駅は市内中心にあるにも関わらず、1時間に4本しか電車が来ない駅となるため、快速停車駅を増加させて対応している(かつては西九条・弁天町・新今宮・天王寺のみだったが、福島・大正にも止まるようになり、普通のみの停車駅は3駅のみ)。
大阪環状線:[外回り]京橋・鶴橋方面
外回りは快速運転を行わず、全列車がすべての駅に止まり、日中は5分間隔(夕ラッシュ時は4分間隔に増発)となっている。
環状線は上記のように3扉車主体のダイヤとなっているため、現在205系で運転している普通の後継となる新型車両は、3扉車となり、環状線は3扉車に統一される模様だ。
JR京都線:新大阪・高槻・京都方面
新幹線との接続駅である新大阪は次の駅ですべての列車が止まる。
日中時間帯は、新快速・快速:4本/時、普通:8本/時の16本体制。うち普通の半分は高槻どまりとなる。快速は朝ラッシュ時間帯以外は高槻以降は各駅に止まり、京都へは後続の新快速に追い抜かされる。
JR神戸線:三ノ宮・姫路方面
神戸方面も、日中は新快速・快速:4本/時、普通:8本/時の16本体制。
普通のうち半分は、尼崎からJR宝塚線に入って新三田に向かうが、JR東西線からの電車が神戸線に直通するので、尼崎以降も普通は8本/時体制が維持される。
京都方面の快速は京都までに後続の新快速に追い抜かれるが、神戸方面は三ノ宮・神戸まで快速が先着するダイヤとなっている。
JR宝塚線・福知山線:宝塚・新三田・福知山方面
JR宝塚線方面の日中は、高槻から直通する4扉普通車の新三田行き4本/時と、大阪始発3扉車の快速の宝塚・篠山口・福知山方面行き4本/時の8本体制となっている。
乗り場
現在では6面11線の大ターミナルとなっている大阪駅だが、1874年(明治7年)の開業当時は、田園にたたずむ相対式2面2線のシンプルな構造だったとは今の姿からは想像もできない。
【1・2番のりば】大阪環状線:京橋・鶴橋・西九条・天王寺方面
おそらく大阪駅で最も混み合っている大阪環状線の1・2番のりば。
3番のりばホームより、大阪環状線の1・2番のりばホームを望む。大阪環状線の電車は8両限界であり、他ホームより有効長が短くなっている。
ホーム端から東方向を望む。右側がかつて阪急梅田駅が存在した阪急百貨店うめだ本店、左側の「HANKYU」と記されたビルが現・阪急梅田駅が入居する阪急ターミナルビル。
国鉄(JR)の高架までという有効長制限に耐え切れず、ホーム拡張のため1973年(昭和48年)に現位置に移転された。
1番のりばホーム東端からは、阪神・阪急両百貨店が対峙する阪神前交差点方面の様子がうかがえる。
永遠のライバルだったはずの両社が、村上ファンドによる阪神株買い占めに端を発して2006年(平成18年)にまさかの経営統合を遂げた。
上の写真と同じ場所から北方向を望むと、大屋根に覆われた大阪ステーションシティの圧倒的な眺望に「おのぼりさん」状態になってしまう。
1番のりばに、205系の環状線の内回り普通電車がやってきた。
快速主体のダイヤとなったため、長らく環状線の主流であったオレンジ色の電車が、今や3分の1の少数派となった。
今度の1番のりばは、223系の関空紀州路快速の関西空港・和歌山行きが到着。
天王寺から阪和線に入り、途中の日根野で前4両の関空快速と後ろ4両の紀州路快速との切り離しを行う。
向かい側の2番のりばには、221系大和路快速天王寺行きが入線。外回り線は全列車各駅に止まるが、律儀に「大和路快速」と案内される。
今度の2番のりばは、関西ではまだまだ現役で頑張る国電車103系の普通京橋・鶴橋・天王寺方面行き。
環状線のホームは、長らくのりば番線が無く、内回り線・外回り線と案内されていた。
その103系の横顔。
大阪環状線は、当駅から東行き京橋・鶴橋方面の城東線と、西行き西九条・弁天町方面の西成線・関西線とが1961年(昭和36年)に結節・環状化されて出来た路線だ。
2番のりばに到着した、ここから各駅に止まるが案内状は関空紀州路快速の天王寺行き。
関空快速の大阪環状線乗り入れは関西空港開業の1994年(平成5年)、紀州路快速は1999年(平成11年)より関空快速に併結する形で入線を果たしている。
1995年(平成7年)には136万人の利用があった環状線だが、2012年(平成24年)には108万人にまで減少し、「暗い・汚い・ボロい」と評された負のイメージを一新すべく、2013年(平成25年)より「大阪環状線改造プロジェクト」がスタートし、駅の改良・美化や車両の新製等の取り組みが行われている。
かつての内回り線・現1番のりばに到着したのは、221系の大和路快速奈良行き。
天王寺から関西線(現大和路線)に入る快速電車は古く1973年(昭和48年)より運行されており、1989年(平成元年)に現愛称が付けられた。
ホーム福島寄りからは、阪神村の光景が一望できる。環状線のラインカラーは、大阪のダイナミズムをイメージした赤色だ。
ホーム端から福島・西九条方面を望む。当駅からわずか1キロ先の福島駅は、肉眼で薄っすらと確認できる。
大阪環状線の利用客は、京阪との接続駅である京橋、近鉄との接続駅である鶴橋を擁する旧・城東線側に集中している。
【3・4番のりば】JR宝塚線・福知山線:宝塚・新三田・福知山方面/山陰方面行き特急のりば
3・4番のりばからは、JR宝塚線(福知山線)の電車に加え、山陰方面行きの特急列車も発着している。
福知山線の大阪ー篠山口間は、アーバンネットワーク路線の一つとして「JR宝塚線」の愛称が付けられており、「これからの新しい開発エリアを示すいきいきとしたイメージ」を表す黄色がラインカラーに設定されている。
4番のりばに、当駅始発の225系の丹波路快速・篠山口行きがやってきた。
2000年(平成12年)に登場し、宝塚行きの快速と合わせて、同線の快速電車は毎時4本運行されている。
次の4番のりばは、新大阪駅始発の特急こうのとり号・城崎温泉行き。
それまで運行されていた「北近畿」「文殊」「タンゴエクスプローラー」等を統合し、2011年(平成23年)より運行が開始された特急だ。
今度は、3番のりばに当駅始発のディーゼル特急キハ189系はまかぜ号香住行きが入線。
姫路からスイッチバックして播但線を経由し、山陰方面に向かう。短い3両編成だ。
北陸方面から帰ってきた683系サンダーバード号は、3・4番のりばに入線する。
【5・6番のりば】JR神戸線:三ノ宮・姫路方面
三ノ宮・姫路方面に向かうJR神戸線(東海道本線)。当駅が開業した1874年(明治7年)当時は、官製鉄道の大阪ー神戸間の終着駅として開業した。
当駅では緩急接続が行われ、まずは内側6番のりばに207系普通宝塚方面新三田行きが到着し、、、
後続の新快速姫路行き223系の待ち合わせを行う。
その両者の並び。
当初の計画では、当時の市街地に近い堂島付近に頭端式で建設される予定だったが、将来東の京都方面へ延伸した際の神戸ー京都間直通運転を企図して通過駅構造にされた。
その結果、日本最大の頭端ターミナルという鉄道文化の最高峰の座は阪急梅田駅に譲ったものの、阪急にはできなかった東西直通運転を可能にした功績は大きく、先見の明があったと言われている。
今度の外側5番のりばには、これも223系の快速加古川行きが到着。
三ノ宮・神戸まではこの電車が先着し、明石には後続の新快速が先着する。
その快速の待ち合わせを行う内側6番のりばの321系普通須磨行き。JR神戸線は、JR西日本管内で最も利用客の多い路線となっている。
【7~10番のりば】JR京都線:新大阪・高槻・京都方面
当駅から京都方面のJR京都線は、当駅開業から2年後の1876年(明治9年)に向日町駅まで開通されたのが最初だ。
JR京都線・神戸線はJR西日本の最旗艦路線であるため、ラインカラーは同社のコーポレートカラーが採用されている。
ホーム端から西の塚本・尼崎方向を望む。JR京都線は、JR神戸線に次いでJR西日本管内では2番目の利用客数を誇っている。
内側線の7番のりばに、207系普通高槻行きが入線。JR神戸線の内側6番のりばの321系普通須磨行きとの並び。
その横顔。普通電車は毎時8本運行されるが、昼間時間帯はすべて高槻止まりとなる。
京都方面も当駅で緩急接続が行われる。外側8番のりばに到着したのは、223系快速野洲行き。
高槻以遠各駅に停車し、京都には後続の新快速が先着する。
普段の日中は新快速も8番のりばに停車するが、この日は遅延の影響で10番のりばに変更されていた。
その影響で、普段は列車待ちの人があまりいないこのホームもご覧のような状況となっていた。
その変更された10番のりばに到着した223系新快速長浜行き。12両編成での運転で、前4両が途中の米原止まりとなる。
ここから約45キロ離れた京都までたったの28分という爆速で駆け抜けていく。
その横顔。あまりの爆速ぶりから、その名称自体が一つのブランドにまで成長した、関西が世界に誇る「新快速」。
私鉄王国関西において、大手私鉄から乗客を取り戻す大原動力となった。
9番のりばは、JR宝塚線(福知山線)方面からやってくる当駅止まりの快速電車が停車するホームとなっている。
JR宝塚線(福知山線)の快速電車は、爆速タイプの223系・225系が使用されている。
同線は、かつて客車がのんびりと走行していた時代が想像できないくらいの大変貌を遂げた。
【11番のりば】北陸方面行き特急乗り場
当駅始発の東行き方面行き特急専用の11番のりば。
運行本数の9割以上がサンダーバード号金沢行きとなっている。
かつては富山・新潟方面へも向かっていたが、2015年(平成27年)の北陸新幹線開業により、ほぼすべてサンダーバードが金沢止まりとなった。
大阪駅は、西日本最大の利用客を有する駅だが、新大阪駅から梅田貨物線を経由する関空特急はるか号及び南紀方面行き特急くろしお号は当駅には乗り入れない。
11番のりばは特急ホームらしい落ち着いた趣きを呈している。
大阪駅に乗り入れない「はるか・くろしお」だが、梅田貨物駅跡地再開発により建設される予定の北梅田駅(仮称)を介して梅田への乗り入れを行う予定となっている。
その11番のりばに到着した681系特急サンダーバード号金沢行き。
JR西日本管内では本四連絡特急の次ぐ2番目の利用数を誇る旗艦特急で、時速160km運転が可能な高性能特急だ。
えきログちゃんねる
2番のりばから発車する225系関空・紀州路快速天王寺行き。
大阪以降の外回り線は全列車各駅に停車する。
1番のりばから発車する221系大和路快速奈良方面加茂行き。
大阪環状線ホームは奈良・関空・和歌山方面の快速が発車するので、バラエティに富んだ電車群を楽しむことが出来る。
[音声]大阪駅8番のりばに入線する12両編成の新快速敦賀行き。
運行管理システム導入によって、環状線仕様の美しい接近メロディが流れる。途中駅員のけたたましいマイクでの案内が入るが、それもまた駅の味。
[音声]大阪駅1番のりばの環状線内回りに入線する103系普通環状の入線放送。環状線仕様の接近メロディが流れる。
[音声]大阪駅環状線内回り乗り場に入線する、大和路快速奈良方面加茂行きの入線放送。環状線仕様の接近メロディが鳴り響く。