JR大津駅から徒歩圏内、京阪浜大津駅から続く併用軌道の終点にある、京津線(けいしんせん)の千鳥式2面2線の地上駅。
1912年(大正元年)の開業当初から長らく「長等公園下駅」を名乗っていたが、1959年(昭和34年)に現駅名に改称。
戦時中に一時廃止という波乱の歴史も有するも、駅西側にある長等山からの琵琶湖が一望できる眺望と、駅南側の路面を地下鉄車両が走る光景が魅力的な駅である。
外観・駅周辺
大津市の市街地を南北に走る西近江路(国道161号線)を、京阪浜大津駅から600mほど南下したところにある京町一丁目南交差点を北方向に望む。
この交差点を右手に向かうと、徒歩10分程度でJR大津駅にたどり着ける。京津線の併用軌道がいい味わいを醸し出している。
反対の南方向は上り坂になっており、JR琵琶湖線(東海道本線)の線路を跨ぐ。併用軌道はここで終わり、京津線は右にカーブして専用軌道に入っていく。
その併用軌道の終点から、上栄町駅方面を望む。路面電車があるだけで、何気ない光景が一変するのが不思議だ。
上栄町駅は1912年(大正元年)に京津線の前身である京津電気鉄道の駅として開業。
ここは京阪山科・御陵・三条京阪方面行きホーム。普段は無人だが、この日は検札のための係員がいた。
開業当初は長等公園下駅(ながらこうえんした)と名乗っていたが、1959年(昭和34年)に現駅名に改称された。
当駅は千鳥式ホーム。踏切を挟んで向こう側が浜大津行きホーム。奥の森が、旧駅名の由来となった長等公園のある長等山だ。
戦時中の1943年(昭和18年)から終戦直後の1945年末(昭和20年)まで、一時廃止されていたが、1946年(昭和21年)から復活開業した波乱の歴史を有する。
駅西側にある坂から東方向を望む。大津市街と琵琶湖が一望できる素晴らしい眺望だ。晴天であれば、さらに美しい姿を見せてくれることだろう。
乗り場
踏切を挟んで北側の京都市内方面行きホーム。
1959年(昭和34年)に現駅名への改称を機に、急行停車駅となった。
京阪800系の太秦天神川行きが到着。ここは始発の浜大津駅の隣の駅だが、降りる人が結構いた。当駅の利用客は1日約1500人。
その太秦天神川行きが発車。
反対側の浜大津行きホームは大きく東にカーブしている。
その浜大津行きホームに800系が到着。
民家の間を縫うように駅がある。
その浜大津行きが出発。
今度の京都市内方面は、三条京阪の次の京都市役所前行き。ここから次の大谷駅までは、急こう配やカーブが続く山岳路線となる。
片や、浜大津方面は併用軌道に入る。地下鉄が山岳路線を走り、最後は路面電車に。この変化に富んだ沿線風景が京津線の醍醐味だ。
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