滋賀県の県庁所在地・大津を冠し、北緯35度線上に位置する、琵琶湖線(東海道本線)の島式2面4線の地上駅で新快速停車駅。
開業から1世紀経つが、現在の場所は3代目で、東海道本線のルート変更に伴い、初代大津駅のあった現京阪浜大津駅から2度に渡る移転を重ねたという、異色の歴史を有する。
大津を冠しているものの、周辺は官公庁中心で市街地から離れており、利用客数は滋賀県内第6位の地位にあるという、県庁所在地の駅にしては異色の存在感を放つ駅でもある。
目次
外観・駅周辺
1921年(大正10年)に開業した大津駅の北口。1世紀近くの古い歴史を有するが、実はこの場所に来るまでに2回移転したという異色の歴史を有する。
その全景。県庁所在地の駅にしてはやや寂しい印象。大津駅周辺は、商業施設よりも官公庁が集まる場所のようだ。
駅前から西方向を望む。駅前の高層マンションが存在感を見せつけるのは、近年よく見られる光景だ。
同じ場所から北方向は、琵琶湖につながる中央大通りが走っているが、人通りは少ない。
商業施設は、初代国鉄大津駅として開業した大津港を擁する京阪浜大津駅や、西武百貨店のある膳所駅近辺に集積しているようだ。
駅西側にあるバスターミナル。3つの乗り場から、中心市街地のある京阪浜大津駅やその先の琵琶湖西岸の堅田駅、また東岸の石山・草津駅方面への路線バスが発車している。
上の写真の場所から北方向にある、大津駅前商店街(寺町通)。京阪京津線・上栄町駅は、ここから約400mほどのところにある。
滋賀県の県庁所在地の中心駅にある商店街にも、哀愁感が押し寄せている。大津市では、賑わいを取り戻すべく、活性化に向けた基本計画を実施するらしい。
改札口・コンコース
北口(びわこ口)にあるコンコース。1880年(明治13年)に現京阪浜大津駅の場所に開業した初代大津駅は、大津ー長浜間を鉄道ではなく、船での輸送とする構想における大津港との連絡のための終着駅だった。
その後、やはり船ではなく鉄道輸送の必要性から路線建設が進み、1889年(明治22年)に関ケ原ー膳所間が開通して東海道本線が全通し、盲腸線となった馬場(現:膳所)ー大津(現:浜大津)間は支線となった。
そして、1913年(大正2年)に当支線を当時の大津電気軌道が継承し、開業させたのが現:京阪石山坂本線。
それを機に馬場駅(現:膳所駅)が2代目大津駅となり、初代大津駅は浜大津駅に改称された。
改札内コンコースは、山科駅同様地下道となっている。
さらに、その後逢坂山トンネル・東山トンネルの開通による馬場ー京都間短絡ルートの建設に伴う再度のルート変更により、1921年(大正10年)に今の場所に3代目大津駅を開業させ、2代目大津駅は馬場駅に戻された。
地下道南端には、小さな南改札口があり、ホテル・テトラ大津に直結している。
そして、改札内地下コンコースの1・2番のりばへの連絡階段付近に、何やら気になる案内が。
実は、大津駅は北緯35度線上に位置しており、記念のモニュメントが、1・2番のりばホームの京都寄りにひっそりと設置されている。
時刻表
琵琶湖線:京都・大阪方面
京都・大阪・三ノ宮方面の日中は新快速が毎時3本と、高槻から快速になる普通が毎時3本の計毎時7本体制。
新快速が毎時3本なのに20分間隔となっていないのは、湖西線から毎時1本が合流して山科駅以西で毎時4本体制となるため。
琵琶湖線:草津・米原方面
東行きも西行きと同様だが、夕ラッシュ時は新快速が湖西線に入らないため毎時4本+αになることに加え、京都始発で草津から草津線に入る普通電車も運行される。
また、ホームライナー的な扱いとして特急はるか号とびわこエクスプレス号も当駅に停車する。
乗り場
【1・2番のりば】琵琶湖線:草津・米原方面
3代目大津駅の1日の利用客数は約35000人。
滋賀県内では第6位の位置に甘んじており、大津市内にあるJR琵琶湖線4駅(大津・膳所・石山・瀬田)の中でも3番目で、新快速の停車しない瀬田駅よりも少ない。県庁所在地の駅としては寂しすぎるという評があるのも納得かもしれない。
ホームは島式2面4線のシンプルな構造。
駅南側は駅前広場はなく、やや高い位置を国道1号線が通っているのが見えるが、初代・国鉄東海道本線はその国道1号に沿って逢坂山を迂回するルートを通っていた。
平日のラッシュ直後ということもあるが、たしかに県庁所在地の駅にしてはまばらな人影だ。
琵琶湖線内は、原則普通は終点まで先着し、新快速に追い抜かれないダイヤとなっている。
2番のりばに到着した223系の新快速長浜行きだが、前4両は米原で切り離しを行うため、列車の行先表示は米原となっている。
次にやってきたのは、同じ223系の普通米原行き。途中の野洲で、後続の野洲止まりの新快速の待ち合わせを行った後、終点米原まで先着する。
その横顔。乗降客はあまり多くない。
ホーム端から膳所・草津・米原方面を望む。商業施設がないため、県庁所在地の駅でありながらも、落ち着いた雰囲気だ。
ホーム山科寄りから撮影。駅南口に直結するホテル・テトラ大津の建物が際立っている。
同じ場所から反対方向・京都方面を望む。こちら側は駅前の高層マンションが際立っており、北緯35度線モニュメントがかすんでみえる。
【3・4番のりば】琵琶湖線:京都・大阪方面
西行き方面は、高槻から快速になる普通が京都まで先着し、高槻・新大阪・大阪には後続の新快速に追い抜かされるダイヤとなっている。
日中は、すべての電車が終点まで先着するため、ほぼ内側線(2・3番のりば)のみが使用されている。
3番のりばから発車した221系普通姫路方面網干行き。
そのあとに同じ3番のりばにやってきたのは、225系の新快速姫路行き。
後ろ4両は223系をつなぐ新快速が出発。逢坂山のトンネルを駆け抜け、先行する普通を長岡京近辺で追い抜かす。
えきログちゃんねる
[JR大津駅接近メロディ(JR京都線・琵琶湖線仕様)]新快速姫路行き@3番のりば201510
[JR大津駅接近メロディ(JR京都線・琵琶湖線仕様)]新快速米原方面長浜行き@2番のりば201510
前8両が米原止まりで後ろ4両が終点の長浜まで向かいます。到着から発車放送まで含んでいます。
[JR大津駅接近メロディ(JR京都線・琵琶湖線仕様)]普通米原行き@2番のりば201510