関西国際空港の対岸に位置する、南海空港線とJR関西空港線の2面4線の高架駅で、南海管理の共同使用駅。
駅名となったりんくうタウンは、関空開港直前に発生したバブル崩壊の影響で、周辺開発計画の多くが頓挫。開業当初から劣勢を強いられるも、数々の企業誘致策が奏功し、その劣勢を見事に跳ね返す活性化を見せており、日本3位の超高層ビル、大阪湾・関空を一望できるりんくう公園、そして大観覧車等見どころ満載となっている。
また、南海とJRの列車の姿が同一ホームで楽しめることに加え、当駅にしかない寸法のJR駅票や、南海仕様の自動放送によるJR線の案内等、駅構内もお得感満載となっている。
目次
外観・駅周辺
関西国際空港の対岸に位置する南海・JRの共同使用駅であるりんくうタウン駅。
その北側に君臨する、あべのハルカス、横浜ランドマークタワーに次ぐ日本第三位の高さを誇るりんくうゲートタワービル。
本来は駅南側にも同じ高さのビルが並ぶツインビル構想だったが、バブル崩壊による開発計画の凍結によりこの1棟のみとなった。
そのりんくうゲートタワーを駅南西方向より望む。
りんくうタウンは、1994年(平成6年)の関西空港開業に合わせて大阪府が造成した副都心のひとつだが、バブル崩壊と重なり開発規模が大幅に縮小された。
上の写真の場所から西方向には、整然と整備された遊歩道は「海への道」を呼ばれ、、、
「りんくう公園」と称する海浜公園につながっている。
「海への道」から続く「シンボル緑地」には、大阪湾に通じる内海と、日没軌道をモチーフとした円形噴水・四季の泉が出迎えてくれ、、、
大阪湾の開放的な眺望と、長さ3750m・世界最長のトラス橋である関西国際空港連絡橋(スカイゲートブリッジR)が一望でき、、、
もちろん、その先にある関西国際空港の姿も肉眼ではっきりと確認できるという、素晴らしい眺望が展開される。
その四季の泉から、りんくうタウン駅方向を望む。離れた場所からだと、りんくうゲートタワービルの存在感が際立っている。
りんくうタウンは、計画当初前述のツインビルや百貨店も建設する壮大な構想が建てられたが、関空開港直前に発生したバブル崩壊のあおりを受け、計画の多くが頓挫してしまった。
しかし、府が企業誘致方針を明確化し、用地分譲価格の大幅値下げ、定期借地権方式の本格導入を進めた結果、未開拓地はまだ多く残るものの、ヤマダ電機・ニトリ等の大型店出店が相次ぎ、賑わいを見せているようだ。
2007年(平成19年)には駅南側に「りんくうの星」と称する高さ85mの大観覧車が目印のショッピングモール・りんくうプレジャータウンSEACLE(シークル)が開業し、その南にある「りんくうプレミアムアウトレット」は、神戸三田と並ぶ関西2大アウトレットモールとなっている。
そして、駅北側では、大阪府と泉佐野市が中心となって、このエリアを国際医療拠点とする構想が進んでおり、2003年頃は産業用地の契約率は50%に満たなかったものの、現在では100%近い契約率となり、バブル崩壊の劣勢を見事に跳ね返す活性化に成功しているようだ。
改札口・コンコース
計画では駅北側のりんくうゲートタワービルと並ぶ超高層ビルが建つはずであった、駅南側にある地上2階建ての駅ビル・りんくうパピリオの2階の駅入口は存在する。
改札口は、その2階中央コンコースの中心に1か所存在する。
当駅は南海とJRの共同使用駅であるが、南海管理の駅のため、表示板等は南海仕様となっている。
改札前には、南海・JR両社の時刻表が掲示されている。
当駅は、関西空港開港に合わせた1994年(平成6年)に開業した。
改札内コンコース。当駅の利用客数は南海・JR合わせて1日約13000人。
開業当初は開発が頓挫したこと等により利用客が伸び悩んでいたが、その後の活性化の影響で1.5倍程度にまで増加した。
時刻表
南海空港線:なんば・関西空港方面
南海は、空港線に乗り入れる全列車が停車し、日中は有料特急ラピートが毎時2本、空港急行が毎時4本の計毎時6本体制。
特急ラピートは開業当初は通過していたが、2003年(平成15年)より、りんくうプレミアムアウトレットへの乗客を見込んで停車するようになった。
ラピートの5分後の発車する空港急行は、なんばまで先着し、新今宮までは約36分で到着し、競合の関空快速より10分以上速く到着する。
JR関西空港線:天王寺・大阪・関西空港方面
JRは関空快速のみが毎時4本の運転で、関空特急はるか号は当駅を通過する。
大阪方面は、新今宮までの所要時間が約48分と南海の空港急行に水をあけられているものの、天王寺・大阪・京橋へ直通で行ける強みを有している。
乗り場
【1・2番線】関西空港方面
当駅は、南海・JRの共同使用駅だが、駅の管理を南海が行っているため、南海仕様の案内板となっている。
ホームは島式2面4線。
外側線を南海空港線、内側線をJR関西空港線が使用しているが、、、
関西空港方面は、両社の線路が合流し、関西空港連絡橋(スカイゲートブリッジR)を渡る。
発車案内板は、南海とJRのホームでは異なる仕様となっている。
また、駅票も南海ホーム側は南海仕様のものが使われ、、、
JRホーム側はJR仕様のものが使われている。
但し、南海の駅票の裏側を使用しているため、JR西日本の標準規格に比して寸法が異なっているのが特徴。この寸法のJR西日本の駅票は当駅でしか見られない。
外側1番線に、南海1000系の普通車関西空港行きがやってきた。
日中は空港急行と特急ラピートのみのダイヤなので、普通車は1日数本しか見られない貴重な遭遇だ。
今度は特急ラピートβ50000系が到着。
開業当初は当駅を通過していたが、2003年(平成15年)より、りんくうプレミアムアウトレットへの利用客を目論んで停車を開始した。
特急ラピートは多彩なラッピングがなされることで話題となっており、取材をした2016年(平成28年)1月の時期は、公開中の映画「スターウォーズ/フォースの覚醒」号と称する銀河系ラピート仕様と遭遇できた。
南海線は、日中の急行はすべて空港線に入る空港急行となったため、当駅に入る通勤車は同列車のみとなっている。
内側2番線には、JR阪和線からやってきた223系関空快速・関西空港行きが入線。
JR線のホームでも、構内自動放送は南海仕様のものが流れる。
関空快速は、日根野で和歌山行きの紀州路快速を切り離した後なので短い4両編成だ。
ホーム端から東側方向を望む。
外側線の南海はJRの下を潜って左折し泉佐野方面へ向かい、、、
内側線のJRは南海の上を直進して日根野方面に向かう。
【3番線】JR関西空港線:天王寺・大阪方面/【4番線】南海空港線:なんば方面
南海もJRも大阪・和歌山方面に向かう。
熾烈な戦いが繰り広げられているが、関空連絡の両社のシェアは2010年度の段階ではJRが南海を若干上回っていたらしい(JR約40%、南海約32%、リムジンバス:約26%)。
新大阪・京都方面へも足を伸ばすJRの関空特急はるか号は、南海特急ラピート停車を尻目に当駅を爆速で通過していく。
南海本線は、JR阪和線よりも海側を走っているため、当駅直後に大きく北にカーブし、泉佐野駅手前の南海本線との合流点が肉眼で確認できる。
4番線ホームからは、りんくうタウン北側の姿が一望できる。
南海とJRの駅票の並び。同じ南海管理の共同使用駅だが、JRの痕跡が全く見られない和歌山市駅とは様相が異なっている。
内側3番線に到着の223系関空快速大阪方面行き。
速達性では南海空港急行に劣るが、快適転換式クロスシートを擁するため、車内環境では南海に勝っている。
反対の外側4番線には、南海本線系統向けでは初めてのステンレス車である9000系の空港急行なんば行きが到着。
その15分後の空港急行なんば行きは、2代目8000系で登場。
オールロングシートのため、車内環境では競合のJR関空快速に劣るものの、新今宮・なんば方面への速達性では大いに勝っている。
次に4番線にやってきたのは、50000系特急ラピートβのなんば行き。
空港連絡特急のうたい文句とは裏腹に、空港アクセス客の利用は乏しく、南海本線沿線のビジネス利用が中心となっているらしい。
ホーム西端から上を見上げると、日本で三番目のりんくうゲートタワーが眼前に聳え、、、
首を真上に上げないと、頂上が拝めない大迫力の視野が展開され、、、
大阪湾の開放的な姿も拝むことが出来るお得なスポットとなっている。
えきログちゃんねる
[南海とJRの共演・りんくうタウン駅]南海ラピートβ50000系&JR関空快速223系201601
南海管理の駅のため、構内放送はJR線ホームも南海仕様です。
南海50000系特急ラピートβなんば行き入線@4番線
⇒JR223系関空快速関西空港行き入線@2番線
[南海とJRの共演・りんくうタウン駅]南海空港急行8000系&JR関空快速223系201601
南海8000系空港急行なんば行き発車@4番線
⇒JR223系関空快速関西空港行き入線@2番線
[銀河系特急ラピート・スターウォーズ/フォースの覚醒号]南海50000系関西空港行き入線風景@りんくうタウン駅201601
2016年5月まで期間限定運行されている、銀河系特急ラピート・スターウォーズフォースの覚醒号ラッピング車に遭遇しました。
[南海・JRりんくうタウン駅接近放送]南海特急ラピートβなんば行き201601