京都市中西部の西大路三条交差点に位置する、嵐山本線の千鳥式2面2線の地上駅で、ノーベル化学賞受賞の田中耕一氏輩出の老舗企業・島津製作所の最寄駅。
専用軌道と併用軌道の境界に位置し、上り方面が専用軌道上のプラットホーム、下り方面が併用軌道上の電停という珍しい構造が特徴。
また、当駅から西にしばらく続く併用軌道は、かつて市電が隆盛を誇った京都に唯一残る路面電車の走行風景が堪能できる場所として文化遺産的価値を有している。
外観・駅周辺
京都市中西部、南北に走る西大路通りと東西に走る三条通りが交差する西大路三条交差点を南東角より望む。
上の写真の場所から、三条通りを少し西に進むと、創業130年を超える京都の老舗企業・島津製作所本社が見える。
2002年(平成14年)にノーベル化学賞の田中耕一氏を輩出した、日本の最先端科学技術企業の一つである。
その島津製作所前から三条通り西方向、山ノ内・帷子ノ辻・嵐山方面を望む。
当駅からしばらく続く併用軌道は、かつて市電が隆盛を誇った京都に唯一残る路面電車の鑑賞スポットだ。
今度は、そこから東に西大路三条交差点方向を望む。
時刻表
嵐山本線:帷子ノ辻・嵐山方面
原則は四条大宮ー嵐山間の全線通し・10分間隔の運行が基本だが、西院車庫との入出庫を兼ねた同駅始発・終着の電車も数本設定されている。
興味深いのは「特別休日」ダイヤの存在。京都の観光地を走る路線なので、観光客で賑わう春・秋の休日は日中が毎時2本増発される。
乗り場
【下りホーム】帷子ノ辻・嵐山方面
当駅は千鳥式構造となっており、嵐山方面行きは西大路通り東側にプラットホーム式となっている。
当駅以東は専用軌道となっており、当駅は併用軌道と専用軌道の境界にあたる。
当駅は現嵐電(京福)の前身である嵐山電車軌道により、1910年(明治43年)に開業した歴史ある駅だが、2007年(平成19年)までの約1世紀もの間は「三条口駅」と名乗っていた。
モボ611形の四条大宮行きが、三条通りの併用軌道から専用軌道に入ってきた。
ちなみに旧駅名である「三条口」の由来は、かつて豊臣秀吉が京都を囲む土塁である「御土居」があった場所で、町(洛内)への入り口にあたる「三条町入口」と呼ばれていたことによるものらしい。
【上り停留所】四条大宮方面
西院・四条大宮方面行きは、西大路通り西側の三条通り上にあり、プラットホームではなく安全地帯の電停となっている。
プラットホームと安全地帯が混在する構造は、あまりお目にかかることがない珍しい構造ではないだろうか。
今度はさきほどのモボ611形が、四条大宮発嵐山行きとして、専用軌道の下りホームから三条通りの併用軌道に戻ってきた。
上り電停西側での離合風景。京都に唯一残る路面電車の走行風景は、後世に残したい貴重な文化遺産だ。
当駅の利用客数は1日約950人。
西大路三条交差点から北の400mのところに2008年(平成20年)に開業した地下鉄東西線の西大路御池駅が、当駅周辺の需要をかなり取り込んでいるようだ。
日本が世界に誇るサブカルチャーの代表格である「萌えキャラ」も、最近は様々なPR場面に浸透してきている。
えきログちゃんねる
[併用軌道から専用軌道に入る嵐電]モボ611形四条大宮行き発車風景@西大路三条駅201601
西大路三条駅は嵐山方面行きがホーム、四条大宮方面行きが停留所となった変則的千鳥式ホームです。
[専用軌道から併用軌道に入る嵐電]モボ621形嵐山行き発車風景@西大路三条駅201601
嵐電はかつて市電が隆盛を誇った京都に唯一残る路面電車です。