関西住みたい街ランキングNo.1・西宮北口駅の一駅西に位置する、神戸線・甲陽線の3面3線の地上駅で、沿線人以外はまず読めないであろう難読駅。
長らく特急通過駅であったが、2006年(平成18年)にJRさくら夙川駅が駅南側に開業したことを機に、特急含む全列車停車駅へと昇格を遂げている。
神戸線・甲陽線の両ホームが垂直に接続するという独特の駅構造に加え、阪神間有数の景勝地・夙川に架かるホームからの絶景は格別であり、それが決め手となり第4回近畿の駅百選にも選定されている。
目次
外観・駅周辺
関西住みたい街ランキングNo.1を誇る西宮の実質的な中心駅・西宮北口駅から一駅西に位置する夙川(しゅくがわ)駅。
この難読駅の表玄関は、駅南側を東西に走る山手幹線沿いにある。
上の写真の撮影場所から真後ろを振り返ると、駅西側にホームをくぐるアンダーパスが通っている。
今度は駅南東側から、北西方向・六甲山方面を望む。
高級住宅街が並ぶ阪急神戸線沿線のおいても、当駅周辺は屈指の御屋敷街となっており、駅北西側には豪邸が立ち並んでいる。
こちらは、山手幹線を挟んで駅と向かい合う夙川グリーンタウン。約60もの店舗が入居する専門店街ビルで、夙川駅とはペデストリアンデッキで連絡している。
そして、この夙川駅の名物は、何といっても駅真下を南北に流れる、阪神間有数の景勝地として有名な夙川の光景である。
まずは、駅南東側の山手幹線が架かる羽衣橋から、夙川駅方向を望む。
次に、その羽衣橋から南方向を望む。
約4kmに渡って夙川公園として河川敷が整備されており、ここから約500mでJRさくら夙川駅、そして約800m進んだ河川敷の終点まで行くと阪神香櫨園駅にたどり着ける。
今度は、夙川駅梅田方面行きホームから夙川公園を北方向に望む。春になると桜一色に変貌し、その絶景は「日本さくら名所100選」にも選定されている。
その夙川東岸を北上するこの道は「夙川さくら道」と呼ばれ、苦楽園口駅の先付近まで甲陽線と並走する。
まさに阪神間モダニズムが見事に体現された、高級感あふれる街並みが展開されている。
改札口・コンコース
山手幹線沿いにある南口は、バスターミナルも併設された、当駅のメイン改札口となっている。
レンガ調の床が周辺環境にマッチした高級感を引き立てている。
当駅は、神戸線開通と同時の1920年(大正9年)に開業。それまで箕面有馬電気軌道という社名だった阪急は、神戸線敷設のために社名を阪神急行電鉄に改称している。
その南改札を入ると、神戸三宮方面行きホームに直結している。
大阪梅田・甲陽園方面ホームには、上の写真の奥にある地下通路を介して向かう。
そして興味深いことに、当駅の梅田方面行きホーム西端には、神戸線から甲陽線に入る連絡線があり、、、
何と、その連絡線の途中の踏切を介して、梅田方面行きホームへの北改札に向かうことが出来る。
時刻表
神戸線:神戸三宮・新開地方面
神戸線の日中ダイヤは新開地行きの特急と、神戸三宮行きの普通の2本立てのシンプルなダイヤとなっている。
長らく特急通過駅であったが、2006年(平成18年)にJRさくら夙川駅開業を機に、流出対策として特急停車駅に格上げされた。
一つ手前の西宮北口駅で緩急接続を行った後のため、普通は終点の神戸三宮まで先着する。
神戸線:大阪梅田方面
梅田方面は、特急の2分前に発車する普通は西宮北口駅で緩急接続を行い、終点梅田には後続の特急が先着するダイヤとなっている。
朝ラッシュ時は特急停車駅に塚口を加えた通勤特急と急行が特急の代わりに運行される。
甲陽線:甲陽園方面
甲陽線は、当駅ー甲陽園間を3両編成のワンマンカーが日中10分間隔で運行されている。
かつては15分間隔での運行だったが、2006年(平成18年)の特急停車化を機に増発され、特急梅田行きと待ち時間1分で接続させるダイヤとなり、利便性が大幅に向上した。
乗り場
当駅は神戸線・梅田方面行きホームから甲陽線ホームが垂直に延びるという特徴的な構造となっており、2線の接続駅であるが、のりば番号が存在しないことも特徴となっている。
【神戸線ホーム】大阪梅田・神戸三宮方面
神戸線ホームは相対式2面2線の構造となっている。
この「夙川」という駅名は、沿線人以外は恐らく読めないであろう超難読の部類に入る駅名である。
神戸三宮行き方面ホームは、南改札に直結する乗り降りに便利なコンパクトな作りとなっている。
一見、何の変哲もない相対式ホームのように見えるが、、、
実は駅西側・芦屋川方面には、やや曲がりくねった引上げ線が存在し、、、
そこから伸びる連絡線が、梅田方面行きホームの後ろ側を通り、、、
90度の急カーブを経て甲陽線方面に向かって伸びており、西宮車庫からの回送列車が1日1回程度通るらしい。
神戸三宮行きの普通は、一つ手前の西宮北口で特急の待ち合わせを行った後なので、終点まで先着する。
写真は阪急創立80周年を記念して1989年(昭和64年)に登場した8000系だ。
反対側ホームに普通梅田行きとしてやってきた7000系は、現在阪急で最も製造数の多い形式となっている。
その普通梅田行きを追いかける特急梅田行きは、同じ7000系だが、もはや別人としか思えないくらいの整形が施されている。
梅田方面行きホーム中央にある駅ナカコンビニは、高級住宅街のお膝元であることを反映してか、普通のコンビニでなく成城石井だ。
甲陽線ホームは、神戸線梅田方面行きホーム北側に垂直に伸びるという独特の構造をしている。
神戸線ホーム東側は夙川を跨いでおり、ホーム上から夙川公園の絶景が堪能でき、これが決め手となって第4回近畿の駅百選に選定されている。
神戸方面行きホームにやってきた9000系特急新開地行き。かつては山陽須磨浦公園駅への乗り入れを行っていたが、1998年(平成10年)に廃止された。
登場から半世紀近く経つベテラン戦士5000系は、その優れた加減速の能力が買われ、現在では普通主体の運用となっている。
それを追いかける7000系特急梅田行き。次の西宮北口駅で、先行する普通との緩急接続を行う。
2006年(平成18年)よりJRさくら夙川駅への競合対策から全列車停車駅に昇格したが、その際ラッシュ時の10両編成の電車を停車可能とすべく、ホーム東側の拡張工事が行われた。
その拡張されたホーム端から西宮北口・梅田方面を望む。元々阪神間の高速輸送を目的に敷設されただけあって、良好な線形となっている。
【甲陽線ホーム】甲陽園方面
甲陽線ホームは、神戸線梅田方面行きホーム中央から、北方向に垂直に伸びている。
その甲陽線ホームの車止めと、神戸線ホーム方向を望む。こちらも乗り換えに便利なコンパクトな駅構造となっている。
終点夙川駅に到着した6000系から降りてきた多数の人が、乗換えのために神戸線ホームに向かう。
当駅の利用客数は、神戸線の特急停車駅では最も少ない1日約3万人程度だが、甲陽線・神戸線間の乗換客が多数存在するため、実際の利用客数はかなり多いと推察される。
かつては15分間隔での運行だったが、2006年(平成18年)の特急停車化の際に10分間隔に増発され、かつ梅田行き特急に待ち時間1分で接続するという大幅な利便性向上策が採られた。
当駅ー甲陽園間のわずか2.2kmの甲陽線は、元々建設計画に無かったが、かつて熾烈なライバル争いをしていた阪神が、香櫨園ー苦楽園間のトロリーバス免許取得に対抗して建設された路線だった。
当駅の甲陽線ホームが出来たのは、神戸線開通から4年後の1924年(大正13年)のことだ。
かつては甲陽線ホームも2線存在したが、西側の線路が撤去され、単式1面1線の構造となっている。
甲陽線は、今津(南)線と共に阪急では2例しか見られないワンマン運転を行っている路線である。
その甲陽線ホーム西側には、さきほど見た神戸線と繋がる急カーブの連絡線があり、西宮車庫への入出庫に使用されている。
ホーム端から苦楽園口・甲陽園方面を望む。甲陽線は、嵐山線と共にこれも阪急では2例しかない全線単線の路線でもある。
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