JR姫路駅北口と道向かいの山陽百貨店2階に入居する、山陽電鉄本線の4面4線の終着駅。
再開発されたJR姫路駅に引けを取らない山陽百貨店の存在感に加え、言わずと知れた国宝・世界文化遺産である名城・姫路城につながる大手前通りの眺望は圧巻である。
また、リニューアルされて大変貌を遂げたJR姫路駅とはまた違った、年季の入った哀愁感漂う頭端式ホームが何とも言えない魅力を醸し出す、大変魅力的な駅である。
目次
外観・駅周辺
JR姫路駅北口を北東方向より望む。人口約75万人を擁する姫路都市圏の中心機能の役割を果たすターミナル駅だ。
上の写真の場所から西方向の、JR姫路駅の道向かいにあるのが、兵庫県西播磨地区で売上ナンバー1を誇る山陽百貨店。
1952年(昭和27年)に山陽電鉄と神姫バスの共同出資によって建設された、大手前通りと並ぶ姫路大空襲からの復興のメインシンボルの2階に山陽姫路駅は存在する。
再開発されたJR姫路駅に引けを取らない存在感を放っている。
日本の道百選・大手前通り
JR姫路駅北口の展望デッキから北方向は、ご覧の通りに抜群の眺めが展開されるが、この姫路城までまっすぐ伸びる大通りが大手前通り。
山陽百貨店と並ぶ戦災復興のシンボルであり、日本の道100選にも選定されている。
山陽姫路駅が入居する山陽百貨店とJR姫路駅周辺は、2015年(平成27年)よりトランジットモール化され、路線バス・タクシー以外の車両の進入が禁止となり、歩道も拡張されて開放的な駅前広場に生まれ変わった。
上の写真の場所から400mほど北上したところにあるのが、姫路にあるもう一つの百貨店・ヤマトヤシキ。
長らく山陽百貨店と激しい競争を繰り広げ、100年以上の歴史を持つ老舗百貨店だが、現在は苦戦を強いられている模様だ。
そして、そのヤマトヤシキに隣接する二階町商店街。
かつては播磨地方きっての商業地かつ高級商店街として栄えたが、再開発によって加速している姫路駅周辺への集中傾向の煽りを受けているらしい。
世界文化遺産・国宝姫路城
そして、ヤマトヤシキから先に北上し、大手前通りの突き当たりまでやってくると、、、
国宝・姫路城が堂々たる姿で出迎えてくれる。
姫路城は江戸時代以前に建築された天守が残る、現存12天守の一つであり、名古屋城・大坂城と並ぶ「三名城」にも名を連ね、国宝に指定されると共に、1993年(平成5年)には世界文化遺産にも登録された、世界に誇る観光名所となっている。
その姫路城前交差点から、JR・山陽姫路駅方向を望む。
グリーンベルト化された幅50mもの大通りがまっすぐ伸びる様は、これぞ駅前メインストリートたる圧巻の眺望が展開されている。
バスターミナル
姫路駅北口のバスターミナルは、かつては山陽百貨店1階に存在したが、2015年(平成27年)3月に再編され、JRと山陽の間の駅前広場に集約された。
2010年(平成22年)までは姫路市営バスが存在していたが、モータリゼーションの進展による利用客の減少により、神姫バスに路線譲渡された。
18の乗り場から、1日57路線・190台のバスが発着し、約35000人の利用客数を見込む大バスターミナルである。
トランジットモール化された、山陽百貨店前の大手前通り東側はおりばとなっており、乗客を降ろす長い縦列停車の光景が見られる。
改札口・コンコース
山陽姫路駅は、山陽百貨店の2階に入居している。
これが2階コンコース。山陽姫路駅は、国鉄(JR)姫路駅に遅れること35年の1923年(大正12年)に、神戸姫路電気鉄道(以下:神姫電鉄)によって開業された。
JR姫路駅からペデストリアンデッキを利用すると、コンコース南側にたどり着く。
神姫電鉄は山陽電鉄の前身であるが、運行区間は姫路ー明石駅前間(現・山陽明石)であり、明石駅前ー兵庫間は別会社の兵庫電気軌道の路線であった。
当時は両社は直通運転を行っておらず、1927年(昭和2年)に両社が現・関西電力の前身である宇治川電気に合併され、兵庫ー姫路間の直通運転が開始された。
そして、1933年(昭和8年)に宇治川電気の鉄道部門が分離されたのが、現在の山陽電車となっている。
開業当時「姫路駅前」と名乗った駅名は、1943年(昭和18年)に電鉄姫路駅に改称され、1991年(平成3年)に現駅名に再改称されている。
時刻表
山陽本線:神戸・大阪方面
山陽本線は、直通特急と普通車が毎時4本ずつの2本立てで、原則線内通しの運転となっている。
1998年(平成10年)より運行されている直通特急は、阪神梅田ー山陽姫路間を最速95分で結ぶが、競合となるJR新快速より35~40分ほど時間を要する。
普通車は、阪急神戸三宮ー山陽姫路間と、山陽須磨ー山陽姫路間が交互に運行されている。
乗り場
ホームは頭端式4面4線構造。
山陽電車仕様の駅票。駅名に社名が冠されているが、放送上は社名は省略され、単に「姫路」と案内される。
車止め方向を望む。当駅の利用客数は1日約23000人。
山陽明石駅に次ぐ、山陽電車2番目の利用客数を誇るが、JR姫路駅の5分の1強にとどまっており、構内は落ち着いた雰囲気を醸し出している。
写真奥にある1番線降車ホームは現在は使用されておらず、物置部屋の様相を呈している。
日中の普通車は2番線から発車する。山陽では鈍行は南海同様「普通車」と案内される。写真は3000系の阪急神戸三宮行き。
かつては神戸までが山陽電車、大阪までの中距離が国鉄という棲み分けがなされていたらしいが、国鉄の輸送改善によってその棲み分けが崩れたらしい。
今度の2番線の普通車は直通特急にも使用されるクロスシート5000系の須磨行き。
須磨浦公園始発で阪神神戸三宮まで各駅に停車する阪神梅田行き特急が存在するため、当駅発の普通車の半分は須磨止まりとなる。
ホーム手柄・山陽明石側からは、当駅が入居している山陽百貨店が当地に君臨している姿を拝むことが出来る。
阪神梅田駅へ乗入れる直通特急は3・4番線から発車する。
5000系同士が直通特急と普通車で並んだ。日中はこの2線のみが使用されている。
3番線に到着した5000系の阪神梅田行き直通特急。
種別の背景が黄色地となっているのは、15分ヘッドの山陽と10分ヘッドの阪神のサイクル調整のため、須磨ー阪神神戸三宮間を各駅に停車するタイプだ。
その横顔。阪神梅田ー山陽姫路間の直通特急は、1998年(平成10年)に登場した再速達種別だが、大阪・梅田ー姫路間の所要時間では爆速新快速に比して劣勢に立たされている。
かつては降車と乗車でホームを分けて使用していたようだが、現在では同じホームで降車も乗車も両方行っている。
また、4番線にも降車ホームが存在したが、現在は廃止され改札外店舗となり、同線ホームは片側のみとなっている。
5000系直通特急は、JRの爆速新快速に速達性では劣るものの、車内の快適性では決して引けを取っていない。
年季の入ったホーム全体に漂うどことない哀愁感が、リニューアルされて大変貌を遂げたJR姫路駅とはまた違った趣を醸し出している。
1番線乗車ホームと2番線降車ホームの島は、4両限界となっている。
ホーム端から手柄・山陽明石方面を望む。出発直後のJRの高架下をくぐるが、2006年(平成18年)までは山陽電車が地上を走るJRを高架で跨いでいた。
えきログちゃんねる
[山陽姫路駅接近メロディ]阪神梅田行き直通特急@3番線201512
[山陽姫路駅の日常]5000系阪神梅田行き直通特急入線&3000系阪急三宮行き普通車発車201512
5000系阪神梅田行き直通特急入線@3番線
⇒3000系阪急三宮行き普通車発車@2番線
[山陽姫路駅の日常]5000系普通車須磨行き入線&阪神梅田行き直通特急発車201512
5000系須磨行き普通車入線@2番線
⇒3000系阪神梅田行き直通特急発車@3番線
1・2番線は普通車専用の4両限界であることがわかります。