山の精霊である「天狗の山」として有名なパワースポット・鞍馬山寺の玄関口にある、叡山電車の頭端式1面2線の終着駅で、第一回近畿の駅百選認定駅。
京都市最北端の位置にあり(鞍馬山ケーブル線除き)、周囲の豊かな自然環境にマッチした木造二重層母屋様式の駅舎は、パワースポットの玄関口にふさわしい荘厳な雰囲気を漂わせている。
外観
鞍馬駅正面。木造の二重層母屋形式の格式ある駅舎。
1929年(昭和4年)に叡山本線(出町柳ー八瀬比叡山口間)を開業させた京都電燈の子会社・鞍馬電気鉄道により開業。
第一回近畿の駅百選認定駅を記した標識。寺院風の木造建築だが、1989年(平成元年)の京阪鴨東線開業時に改築された。
駅舎の前に広がる駅前広場。京の山々に囲まれ、この立地だけでも荘厳さが伝わってくる。
駅舎北側よりプラットホーム側を望む。長年走り続けたデナ21形の先頭部が保存されている。
駅前広場北側に置かれた鞍馬天狗のオブジェ。
鞍馬天狗は、鞍馬山の奥にある僧正が谷に住む鞍馬山僧正坊(くらまやまそうしょうぼう)と呼ばれる天狗で、源義経(牛若丸)に剣術を教えたとされる。
駅前広場から出る細道を行くと、京都バス・鞍馬停のある府道38号線(鞍馬街道)に出る。
同じ場所から反対側を撮影。これが鞍馬街道。大型バスも通るが、道幅は狭い。
そこから目を左側(北側)に転じる。細い鞍馬街道沿いに昔ながらの民家が並んでいる。その奥に進むと、、、
鞍馬寺山門下に到着。鞍馬山の南斜面に位置する山寺で、鞍馬山は霊山としても知られる。
もともと天台宗のお寺だったが、1947年に当時の住職・信楽香雲が鞍馬引教(こうきょう)を開宗、1949年に独立して鞍馬引教の総本山となった。
この山門下の場所から南方向の鞍馬駅方面を望む。
同じ場所から今度は東方向を望む。この道をしばらく進むと「くらま温泉」、そして京都市のさらに山奥へと繋がる。
四方八方を山に囲まれたこの地は、まさにパワースポットの雰囲気満載だ。
改札口・コンコース
駅舎の中に入る。どこか懐かしいレトロ感満載の雰囲気だ。
高い天井からシャンデリアが吊り下げられ、歴史を感じさせる味わいを呈している。開業当時の昭和初期にタイムスリップした感覚を覚える。
分別ルールの厳しい京都市ゆえに苦労している模様。嫌味を感じさせないセンスあるメッセージが、観光客のモラル向上を引き立てる。
駅舎南側より南東方向を望む。出町柳駅からたった10キロ程度の場所とは思えない自然豊かな光景だ。
駅南側の改札口は出口専用。
では、入り口はどこかというと、駅構内に何やら気になる看板が、、、
これが乗車専用改札口。多数の観光客が利用する割に駅のホームが狭いこともあってか、降車客と乗車客の入れ替え制をとっている。
時刻表
鞍馬線:宝ヶ池・出町柳方面
取材日が8月だったので、夏季特別ダイヤとなっている。
夏季ダイヤは原則休日ダイヤ同様15分間隔の運行で終電以外の全列車が出町柳行き。
夏季以外の平日は20分間隔となる。鞍馬駅の1日の利用客は約1400人。観光客が中心だ。
乗り場
駅票。ここと隣の貴船口が観光客のお目当ての駅だ。
ホームは島式1面2線。2番線側は頭端になっているので、頭端式に分類してもよさそうだ。
1番線に停車中は、800系「ギャラリートレイン・こもれび」仕様の出町柳行き。
駅南の側道からはプラットホームを眺めることが出来る。終着駅らしい情緒ある風情だ。
その側道から車止め方向を望む。寺院風の風格ある駅舎が美しくそびえる。
車止めに接近。
プラットホームに飾られる風鈴が、夏の風情をいっそう引き立てる。
今度はノーマル塗装の800系出町柳行き。12キロ離れた終点出町柳までゆっくりと30分かけて走る。
ホーム貴船口寄りから車止め方向を望む。記念撮影する人の多さが、この駅の趣きの深さを表している。
叡電は京阪グループなので、KEIHANのCIが施されている。
叡電は、京都電燈の子会社である鞍馬電気鉄道から路線を引き継いだ京阪の子会社である京福電鉄が、経営の悪化した叡電部分を1985年に分社化して設立されたもの。
その後、2002年に京阪の100%子会社となる。
貴船口方向を望む。ここから二軒茶屋までは単線で、木々に囲まれた山岳路線をゆっくりと走り、車内から風情ある光景が楽しめる。
えきログちゃんねる
[叡山電車車内放送]鞍馬線出町柳行き(鞍馬→出町柳) 201508
夏なので車内に飾っている風鈴がいい音色を出してます。