鞍馬線の複線区間の終点に当たり、平日昼間は半分の列車が当駅で折り返す運行上の境界ともなっている、相対式2面2線の地上駅。
京都産業大学の最寄り駅として学生の利用が多く、山間部ながら周辺は完全な住宅街となっている。
かつて京都市電の北端であった北大路に向かう支線を当駅から分岐させる計画があったが、実現することなく幻の未成線のまま免許失効を迎えたというトリビアがある。
外観・駅周辺
伊勢神宮と同じ天照大神を祭るが由来が不明な謎多き大神宮社のお膝元である市原駅から、狭隘な鞍馬街道をさらに南下。
出町柳からの京都バスの鞍馬行きは、こんな道でも平気で走り抜ける。二ノ瀬バイパスが出来た今、叡電の強力なライバルだ。
さらに南下するとお寺の集積する小町寺バス停付近にあった張り紙。お金も大事だが、自分の心が豊かさを作るということなのかもしれない。
鞍馬街道から一筋東の側道に入ってさらに南下。閑静な住宅地が広がる。
その側道の突き当りを東に見ると、二軒茶屋駅が見えるが、付近に駅の案内表示は一切存在しない。
そして、これが二軒茶屋駅の入り口。親会社の京阪電車の宣伝ポスターがデカデカと掲示されているが、肝心の駅名表記が存在しない。
上の写真の階段上から西方向を望む。ここまで来ると山間部ながら完全な住宅街で、駅前にはワンルームらしきマンションまである。
そのワンルームマンションの正体はおそらくこれ。京都産業大学の最寄り駅ということで、学生も多数生息しているのだろう。
駅南西側にあるロータリーとバス乗り場。実は路線バスの乗り場ではなく、京産大の学生専用のシャトルバス乗り場なのだ。
そのロータリー付近から駅を望む。石垣の奥には京産大のグラウンドがある。
時刻表
鞍馬線:貴船口・鞍馬方面
二軒茶屋駅は鞍馬線の運行上の境界駅となっており、当駅以遠の貴船口・鞍馬方面は本数が半減する。
但し、近年宅地開発が進み、周辺人口が増えている市原駅へは、朝夕時間帯に延長運転されている。
鞍馬線:宝ヶ池・出町柳方面
複線区間の終点かつ京産大の最寄り駅であることから、平日日中は半数が当駅始発となっており、出町柳方面は約10分間隔で運行されている。
但し、観光利用中心の休日は、鞍馬までの全線通し・15分間隔の運行体系となっている。
乗り場
鞍馬線仕様の駅票。沿線観光の目玉である紅葉の赤色がラインカラー。
ホームは相対式2面2線。ここから出町柳方面は複線。
戦時中に資材提供のため宝ヶ池ー市原間が単線化され、戦後順次複線に戻されたが、岩倉ー当駅間は1990年(平成2年)になってようやく複線に戻った。
当駅の利用客数は1日約700人。京産大の学生の利用が大半のようだ。
900系きらら号出町柳行きが到着した。
反対ホームに当駅止まりの700系が到着。二軒茶屋止まりの電車は1両編成での運転だ。学生用に朝だけ稼働する自動改札機があるが、稼働時以外はカバーがかけられている。
当駅から鞍馬方面は単線で右側が本線。さきほどの700系が左側の引上げ線で折り返し待ちをしている。
かつては隣の市原駅まで複線だったが、現在まで実現に至っておらず、市原駅には名残惜しそうに複線の形跡が今も残されている。
今では信じられない話だが、終戦直後の京福時代に、当駅から分岐して、北大路駅(当時の市電烏丸車庫付近)に向かう路線の建設計画があったらしい。
1950年代に免許失効となり、幻の未成線のまま終わったが、もし実現していたらその後の京都の交通体系はどのようになっていたのだろうか。
そして、さきほどの700系が当駅始発の出町柳行きとして入線してきた。
その横顔。
ホーム端から岩倉・出町柳方面を望む。奥に見える歩道橋は左手にある京産大グラウンドへの連絡橋。関係者のみが通行可能で一般人は残念ながら通れない。
えきログちゃんねる
[叡山電車車内放送]鞍馬線出町柳行き(鞍馬→出町柳) 201508