京都の一大観光地・嵐山の南側に1928年(昭和3年)に開業した、阪急嵐山線の頭端式3面2線の終着駅で、第二回近畿の駅百選認定駅。
観光地の中心からは南に徒歩10分程度外れているが、嵐山の本来地名は当駅周辺であるというトリビアがある。
開業当時は6面5線を有する大ターミナル駅であったが、想定ほど需要が伸びず、現在の規模に縮小。その名残を今でも垣間見ることが出来る。
外観
もはや説明が不要な京都の一大観光地・嵐山の中心地を流れる桂川にかかる渡月橋から北方向に望む。
ここから手前の南側が西京区で嵐山の本来地名の場所。奥の北側が右京区嵯峨だが、嵐山の観光スポットは北側に集中しており、観光地の嵐山と言えば渡月橋より北側を指すことが多い。
その渡月橋から西方向を望む。橋を挟んだ上流からは大堰川と呼ばれる。この普遍的な美しさに余計な言葉はいらない。
渡月橋からさらに400mほど南下した本来地名の嵐山にある阪急嵐山駅の駅前広場。観光地の表玄関にふさわしい広さだ。
駅舎正面。2010年に京町家風のイメージの駅舎に改装された。阪急嵐山駅は観光地への玄関駅であると同時に、阪急最北端の駅でもある。
バス停はその広い駅前広場の端っこにある。
これが京都バスの阪急嵐山駅前停。渡月橋を渡った桂川の北岸にある嵐山停とは別。ここから市内の繁華街である四条河原町までロングラン運行のバスが走っている。
そのバス停の向かい側にはレンタサイクルも用意されている。
嵐山の観光マップ。観光地嵐山の中心に位置する嵐電の嵐山駅は、ここから徒歩10分以上を要する。
改札口・コンコース
改札口は正面に1か所。古都の雰囲気を醸し出す吊り下げ照明が特徴的だ。
その正面改札の右側には観光シーズン等多客時のための臨時改札口も設けられている。
改札口と切符売場。
駅構内の号線案内板も通常の阪急仕様とは異なる色彩を用いている。
時刻表
嵐山線:桂方面
単線の観光路線であることから、阪急線内では最も輸送密度の薄い、15分間隔での運転が基本で全列車桂行き。
但し、観光シーズンには大阪市内(梅田・天下茶屋)や宝塚・神戸からの臨時電車が運行される。
乗り場
古都の趣きを演出した嵐山線特別仕様の駅票。98という駅ナンバリングの数字は全国で最も番号の大きい数字らしい。
本線特急から引退した6300系がリニューアルされて運行についているという、何とも贅沢な観光路線にふさわしい演出だ。
ホームは頭端式3面2線。1928年(昭和3年)の開業当初は観光客需要を過大に見積もり、6面5線の大ターミナル駅だった。
しかし、規模に反して需要がなかったことから、戦後現在の3面2線に縮小されたとのこと。
現在の利用客は1日約8000人。観光地の中心に位置する嵐電嵐山駅の約3倍強の利用客数を誇る。
駅構内も古都の雰囲気満載。ホーム有効長は6両。
6300系の車内から車止め方向を望む。臨時改札口につながる高架通路は平時は閉鎖されている。
ホーム先頭付近。右側の黒いフェンスで区切られた向こう側が、かつてホームのあった場所だ。
桂方面を望む。開業当時は複線だったが、戦時供用により単線化され、現在に至る。複線分幅が設けられている架線注に、複線の名残が伺える。