堺市の西部、旧浜寺地区の北部に位置する、鉄道駅としては珍しい千鳥式配置を持つ、南海本線の2面2線の地上駅で、第4回近畿の駅百選認定駅。
1907年(明治40年)に「北浜寺駅」して開業したが、翌年に現駅名に改称。長らく相対式だったが、ホーム幅拡張のため下りホームを北に移設したため、千鳥式となったという経緯がある。
特徴ある洋風木造駅舎は、国の登録文化財にも指定されており、優等が止まらない駅ながら、見どころの多い駅である。
目次
外観
旧国道26号線・現府道204号堺阪南線(通称:にーろく)にある諏訪森中交差点を東に入ったところにある諏訪ノ森駅。写真はなんば方面行きホーム。
踏切を挟んで北に60m離れたところに、和歌山市・関空方面行きホームが千鳥式で配置された珍しい構造。
かつてはなんば方面行きホームと相対だったが、ホーム幅を広げるべく、1966年(昭和41年)に移設したとのこと。
その踏切を西側から撮影。この辺りは「船尾村」と呼ばれており、その村社としてかつて存在した諏訪神社が駅名の由来となっているとのこと。
しかし、1907年(明治40年)の開業当初は北浜寺駅を名乗っており、現駅名に改称されたのは翌年の1908年(明治41年)のことだ。
なんば方面ホームの駅舎。1998年(平成10年)に大手私鉄で初めて国の登録文化財に指定された洋風の木造建築。第4回近畿の駅百選にも認定された。
こちらは、ホーム幅拡張のため、1966年(昭和41年)に北に60m移設された和歌山市・関空方面ホームの駅舎。
踏切から東側にある諏訪森本通商店街。シャッターが多くもの悲しい雰囲気だが、この商店街を250mほど進むと、阪堺線の船尾電停に行き着く。
西側はやや開けており、大通りである「にーろく」にかかる歩道橋の手前には、ショッピングセンター「イオンタウン諏訪ノ森」が聳える。商店街のシャッター化に影響を与えたのだろうか。
諏訪ノ森駅から羽衣駅間は、堺市による連続立体交差事業が進行中で、2028年(平成40年)に高架化される予定となっている。
但し、登録文化財に指定された駅舎は、新駅舎の正面脇に移設・保存されることになる模様だ。
時刻表
南海本線・空港線:和歌山市・関西空港方面
諏訪ノ森駅は、1日8000人程度の利用状況であるため、普通車だけが停車する。従って、日中は15分に1本のやや寂しい状況だ。
南海本線:なんば方面
なんば方面の同様。南海本線と阪堺線だけでなく、JR阪和線と高野線も並走する阪堺間の輸送は、それぞれ別会社であったという経緯はあるが、やや過剰なのだろう。
乗り場
【1番線】南海本線・空港線:和歌山市・関西空港方面
駅票。駅の東側は新興住宅が並んでいるようだ。
千鳥式ホームなので、向かい側に駅が無い。路面電車の電停ではよくある風景だが、普通の鉄道駅ではなかなか珍しい。
1番線に南端から2番線の文化財駅舎が遠くに見える。
1000系の普通車和歌山市行きが到着した。
屋根はホームの途中まで。ホームの石畳も、半世紀の年季が入っている。
ホーム北端から堺方面を望む。線路はやや東にカーブしている。
【2番線】南海本線:なんば方面
今度は、国の登録文化財に指定された由緒あるなんば方面ホーム駅舎。改札口はシンプルな作り。
高架化工事中のため、駅の風貌がだんだん変わりつつある。
2番線を通過する南海本線では珍しいステンレス車の3000系空港急行なんば行き。元泉北高速3000系だが、2012年に南海に譲渡された。
今度は、7100系普通鋼車の普通車なんば行きが4両編成で到着。
踏切間近を通過する電車の迫力ある風景が楽しめるのも、この駅の魅力の一つ。
まずは、鉄人28号の異名を持つ50000系特急ラピート関西空港行き。
続いては、9000系の空港急行関西空港行き。日中の本線急行は、すべて空港急行となった。
えきログちゃんねる
[近畿の駅百選南海諏訪ノ森駅発車風景]南海本線7000系普通車なんば行き201508
千鳥式配置の珍しい駅構造を持った100年超の歴史を持つ駅です。2028年をめどに高架化される予定で、この姿もそのうち見られなくなります。