出遅れ感満載ではあるが、去る8月28日に阪堺電車より衝撃のプレスリリースが発表された。
2014年のあべのハルカス開業に合わせた抜本ダイヤ改正による大減便化で、この状況が想定されていなかったわけではないが、100年以上の歴史を持ち、かつ近畿の駅百選にも認定された駅が廃止になってしまうのは、やはりファンとしては一抹の寂しさを禁じえない。
プレスにあるような維持コスト面の理由に加え、当駅のすぐ近くに住吉鳥居前停があるため、廃止による乗客への影響がほとんど無いことも、廃止に踏み切らせた一因であろう。
プレス発表の10日ほど前に偶然訪れたときの訪問録は、こちらを参照されたい。
阪堺プレスリリースより
http://www.hankai.co.jp/_wp/wp-content/uploads/2015/08/648df35ad70a218c95acb246eda4bfb1.pdf
3.廃止の理由
住吉~住吉公園間は、大正2年(1913 年)7月に、当時の南海鉄道株式会社が、上町線の住吉神社前(現:住吉)から南海本線住吉公園駅(現在の住吉大社駅)まで延伸し開通したのが起こりで、以後上町線は、天王寺駅前~住吉公園間を運行していましたが、平成26年(2014 年)3月のダイヤ変更で、天王寺駅前~住吉公園間の運行の殆どを天王寺駅前~我孫子道間に変更したことにより、現在は朝の7・8時台(平日上下5本、土休日上下4本)のみ運行しています。
一方、住吉~住吉公園間の線路は、敷設後60年近く経過し、住吉交差の併用軌道や住吉公園停留場構内のポイント部は老朽化が進行し、今後も安全運行を継続するためには、抜本的改修が不可欠ですが、改修には数億円規模の費用が必要となり、当社の経営に大きな影響を及ぼします。
以上の状況から、この度、住吉~住吉公園間の軌道事業を廃止せざるを得ないとの決断に至り、廃止申請書を提出することとなりました。
廃止の影響
住吉公園駅:駅舎の存続は未定。電車は全て至近の住吉鳥居前電停からの発着に。
この駅自体が廃止となるので、当然来年1月31日以降電車が来ることは無くなる。
ただ、近畿の駅百選にも認定されたこの駅舎がどうなるのかは、阪堺から何も発表がないのでわからない。
来年1月31日以降は、すべての電車が住吉鳥居前電停から発着することになる。
住吉公園駅へは、この信号を左に曲がって徒歩たったの1分。廃止による乗客への影響は皆無と言っても過言ではない。
住吉電停:4番のりば及びダイヤモンドクロスの廃止
住吉電停自体は阪堺線も通っているため、当然存続を続ける。
但し、写真右の丸囲みの部分が住吉公園のつながる線路だが、この部分は廃止される模様。
従って、この4番のりばも廃止となる可能性が高い。
ということは、それに伴い、4番のりばから上町線の専用軌道に乗り入れる電車がなくなるため、住吉電停名物の擬似ダイヤモンドクロスもなくなってしまうということになる。
もともと、住吉~住吉公園間は阪堺と別会社であった当時の南海が競合のために敷いた路線ということもあり、電停が3つも入り混み合う不可思議な状況が続いていたが、ようやくすっきりされる。
合理的と言えばその通りだが、こういう不合理さも歴史の重みを感じさせ、鉄には大興奮する場所なのだが、残念ながら時代の流れに逆らえず、無念の廃止ということとなった。
これまでの活躍に本当に感謝したい。
以上