神戸市内に点在する民鉄4社(阪急・阪神・山陽・神鉄)のターミナル駅をつなぐ目的で1968年(昭和43年)に建設された、神戸高速鉄道の島式2面4線の地下駅で、阪神・阪急の三宮・梅田方面への分岐駅。
計画当初は神鉄も含む4社全社が集結する総合駅を企図したが、当時の国鉄の反発と予算の都合であえなく断念。神鉄との接続は隣の新開地駅となり、ターミナル機能が分散されることとなった。
それでも阪神・阪急・山陽の三社の電車が入り乱れるバラエティー溢れる光景は、見る者の目を楽しませてくれる。
かつては「神戸高速鉄道東西線の駅」として運営されていたが、2010年に経営形態を変更し、「阪神・阪急神戸高速線の駅」としてリニューアル。阪神管理の駅となり、阪神仕様のデザインに一新された。
目次
外観
地下鉄ハーバーランド駅からJR神戸駅を経由して阪神・阪急高速神戸駅へとつながる地下街「デュオこうべ」。その山の手側の終端に高速神戸駅の東口改札がある。
阪急・阪神・山陽は「電車」なのに、神鉄は「電鉄」。この扱いの違いは何か意味があるのだろうか。
上の場所の反対方向を望む。この地下街を歩き続けると、JR神戸駅・地下鉄ハーバーランド駅に濡れずに行ける。
高速神戸駅東改札口正面。
かつては神戸高速鉄道東西線の駅として運営されていたが、2010年に経営形態が変更。路線の保有は引き続き神戸高速鉄道が行うが、駅や列車の運行管理等は乗り入れている第二種業者が行う形態に。
その結果、当駅は阪神管理の駅となり、駅票等のデザインも阪神仕様に一新された。
東改札口に対峙して、神戸高速鉄道の子会社が運営する「メトロこうべ」というレトロな地下街が繰り広げられている。
コンコース・改札口
東改札口に接近。ここから海岸方面に向かったハーバーランドには、神戸アンパンマンこどもミュージアムがあるらしい。
その東改札口を改札内より。開業当時の状況を残したかのような昭和な雰囲気が漂う。
JR神戸駅から至近距離にあることから、速さで勝るJRに推され、利用客はJR神戸駅の5分の1程度の1日約26000人程度の留まる。
時刻表
阪神・阪急神戸高速線:新開地・明石・姫路方面
阪神管理の駅となったため、時刻表のデザインも阪神仕様。
西行きの平日日中は、
阪神から乗り入れる山陽姫路行き直通特急:4本(うち2本は須磨まで各駅停車)
阪神から乗り入れる須磨浦公園行き普通:2本
阪急から乗り入れる隣の新開地止まり:6本
阪急神戸三宮始発の山陽姫路行き普通:2本の計14本体制だが、6本は新開地止まりなので、実質は8本/時の運行形態。
阪神線が10分ヘッド、山陽が15分ヘッドのため、それにあわせるべく、直通特急の2本を須磨まで各駅停車にして時間を稼いで、代わりに須磨始発姫路行の各駅停車を2本走らせている。
阪神神戸高速線:阪神神戸三宮・阪神梅田方面
三宮・梅田方面は阪神方面と阪急方面で時刻表が分かれている。
阪神方面の平日昼間は、特急(含む直通特急)が6本/時、当駅始発の普通が6本/時の計12本体制。
夕ラッシュ時は、10分ヘッドから12分ヘッドへとダイヤが変わる。
阪急神戸高速線:阪急神戸三宮・阪急梅田方面
阪急方面は新開地始発の特急梅田行きが10分間隔で運行する間を縫って、阪急神戸三宮止まりの山陽普通が30分に1本運転される形態。
夕ラッシュ時でもこの形態は変わらないのが特徴。
乗り場
【1・2番のりば】神戸三宮・梅田方面
2010年の経営形態変更により、神戸高速仕様の駅票から阪神仕様の駅票に変更された。
これも阪神仕様。1番のりばからは阪急方面(阪急神戸高速線)、2番のりばからは阪神方面(阪神神戸高速線)の電車が発車する。
レトロな雰囲気満載の案内板が昭和の香りを引き立てている。
1番のりばに新開地始発の阪急梅田行き特急が入線。阪神管理の駅となったが、発車案内掲示板と駅の構内放送は神戸高速時代のものを使い続けている。
1番のりばに阪急9000系の特急阪急梅田行きが8両編成で入線。
その後、2番のりばに須磨浦公園始発の阪神車8000系の阪神梅田行き特急が6両編成でやってきた。
人は駅東改札方面に流れていく。地下街デュオこうべを経由して、JR神戸駅やハーバーランド方面に向かうのだろうか。
次に2番のりばにやってきたのは、阪神ジェットカー5500系の阪神梅田行き普通。隣の3番のりばには阪急車の新開地行きが到着。
同じ駅のホームにかつての熾烈なライバル争いを演じた阪神車と阪急車が同時に並ぶ様は、鉄には大興奮の場所だ。
そして、次の1番乗り場は山陽車5000系の阪急神戸三宮行き普通。30分に1本の運転だ。
かつては山陽特急が阪急六甲まで乗り入れていたが、今は乗り入れ廃止となり、神戸三宮止まりとなった。
次に2番のりばにやってきたのは、阪神車9000系の山陽姫路からの阪神梅田行き直通特急。
乗務員用の構内踏切。電車入線と発車の際に踏切音が聞ける。
【3・4番のりば】新開地・明石・姫路方面
3番のりばには、阪急神戸高速線からやってきた電車が入線する。停車中は阪急7000系の新開地行き。
その7000系を正面から。神戸三宮からは各駅停車だが、阪急は途中駅で種別を変更することなく最後まで特急表記のままだ。
4番のりばには阪神神戸高速線からやってきた電車が入線する。
山陽車5000系の姫路行き直通特急が到着。種別幕が黄色網掛けになっているので、須磨まで各駅に停車する。
新開地行きの行先案内掲示板上の表記は「普通」となっている。阪急は8両編成、山陽は6両編成だ。
あとから来た4番のりばの直通特急が先に発車。
ホームは島式2面4線。計画では、神鉄もこの駅に乗り入れて民鉄4社が集結するはずだったが、残念ながら叶わなかった。
次に3番のりばにやってきた阪急車の新開地行きは、9000系。いつ見ても美しい阪急マルーン色だ。
4番のりばには、阪神8000系の須磨浦公園行き普通。
駅案内放送上は「普通」と案内されるが、阪神も阪急同様車両の種別幕は最後まで特急のまま走り続ける。
そして、10分に1回やってくる阪神線からの当駅止まりの各駅停車。青胴車のジェットカー5000系が到着。短い4両編成だ。
えきログちゃんねる
かつて神戸高速線、現在は阪神の管理駅となった高速神戸駅だが、神戸高速鉄道仕様の構内放送は継続されており、阪神・阪急両梅田駅に向かう電車が発車するため「阪急・阪急梅田行き特急」という独特の案内放送が特徴。
[独特の入線放送阪急・阪神高速神戸駅]”阪神「方面」阪神梅田行き特急”@2番のりば
[阪急・阪神高速神戸駅発車放送]妙にクセになる「阪急・阪急梅田行き特急」@1番乗り場
[阪急・阪神高速神戸駅発車放送]妙にクセになる「阪神『方面』・阪神梅田行き特急」@2番乗り場