阪急の神戸側のターミナルである島式2面3線の高架駅。2014年に「三宮」から現在の「神戸三宮」に改称。
1936年(昭和11年)の開業当時から高架駅であるが、地下化を要望する神戸市と対立し、駅開業まで十数年を要したという「三宮高架乗り入れ騒動」として有名な歴史を持つ。
1968年の神戸高速線開業時まで「神戸駅」を名乗り、駅ビル(神戸阪急ビル)は三宮のアイデンティティを象徴する建造物であったが、先の震災によって倒壊、現在も再建されていない。
すぐそばを走る神戸地下鉄西神・山手線との乗り入れ構想があり、実現の暁には地下化される予定であり、阪急らしいドーム状の屋根を持つ荘厳なホームの姿が見られなくなる日が来るかもしれない。
目次
外観
駅北側の三宮駅北交差点。
南北を走るフラワーロードを挟んで、東側にJR三ノ宮駅、西側に阪急神戸三宮駅が対峙している。
三宮駅北交差点をフラワーロード沿いから北方向を望む。
このフラワーロードをまっすぐ北に2キロほど進むと新幹線の新神戸駅につながる。
次は三宮駅北交差点から西方向を望む。この生田新道の地下を地下鉄西神・山手線が通っている。
その通りの南にあるサンキタ通りと地下鉄西神・山手線の三宮駅入り口。左に見える高架が阪急神戸三宮駅だ。
そのサンキタ通りを西方向に進むと、阪急神戸三宮駅の西改札口につながる入り口がある。
阪急(左)とJR(右)の高架の間の細い路地は、なかなかレトロ感のある風情が繰り広げられている。
今度は駅南側に出て、国道2号線の西方面を望む。右上の高架がJR神戸線、その奥の濃いベージュ色の建物が阪急神戸三宮駅だ。
改札口・コンコース
三宮交差点にかかる歩道橋からつながるJR三ノ宮駅西改札コンコース。この奥に阪急神戸三宮駅の東改札口がある。
JR三ノ宮駅の西改札。ここは2階で、ホームは3階にある。
そこをさらに奥に進むと、阪急神戸三宮駅の東改札口。JRの西コンコースと比べて床にレトロ感があるのが特徴。
加えて、JR三ノ宮駅西口に比べて天井が低いのも特徴の一つ。
改札口前に発車案内掲示板が設置されている。JRとの乗り換え客の流れが終始途絶えない。
その東改札口を改札内より。1日約11万人の人が利用。JR三ノ宮駅の半分の利用状況だが、阪急線内では梅田駅に次いで第二位の利用客数を誇る駅だ。
低い天井がやや圧迫感をもたらしている。
西改札口付近。阪急らしい風情を醸し出している。
時刻表
神戸線:西宮北口・大阪梅田方面
神戸線の基本は特急と各駅停車の2本立てのシンプルなダイヤ。
日中は1時間当たり各6本運行され、特急は梅田まで27分で走破し、各駅停車は途中の西宮北口で特急を退避する。
特急は長らく西宮北口と十三にしか止まらなかったが、震災後中間駅輸送重視の観点からか、岡本・夙川(甲陽線乗り換え)にも停車するようになった。
夕方ラッシュ時でも本数が増えず、朝ラッシュ時もJRに比べると本数が少ないのが印象的で、阪神間輸送ではJRに勝てないので、西宮北口ー梅田の輸送の重点を置いているものと思われる。
神戸高速線:新開地・山陽姫路方面
西行きはここから神戸高速線となり、3つ先の新開地まで乗り入れる特急が6本/時(特急と称しても各駅に止まる)、当駅始発の山陽車両の姫路行きの普通が2本/時の体制。
神戸高速線は、それまで神戸市内に分散していた民鉄のターミナルをつなぐ目的で1958年に設立された第三セクター路線を、阪急・阪神が第二種鉄道事業者として運行している路線。
かつては特急は山陽線の須磨浦公園まで乗り入れ、山陽車も六甲駅まで乗り入れを行っていたが、1998年の阪神梅田ー山陽姫路間の直通特急運転開始以降、阪急の神戸高速線への乗り入れは新開地までとなった。
乗り場
【1・2番ホーム】神戸高速線:新開地・山陽姫路方面
駅票。これまでも案内上は「神戸三宮」と言われることが多かったが、2014年に正式名称となった。だから、神戸にいても「神戸三宮」と呼ばれる。
ホーム端から梅田方面を望む。右奥にJR三ノ宮駅が見える。引上げ線には山陽3000系が待機中。
その山陽3000系が当駅始発の各駅停車姫路行きとして1番ホームに入線してきた。
阪急線内(神戸高速線除く)で山陽の車両が見られるのはこの駅だけ。
かつては山陽特急が六甲駅まで乗り入れていたが、1998年の阪神梅田ー山陽姫路間の直通特急運行開始後、山陽特急の阪急乗り入れは廃止された。
1・2番ホームを望む。かつて梅田駅に設置されていたドーム状の屋根。阪急の駅らしい荘厳なイメージを醸し出している。
1番ホームに到着の改造版8000系の特急新開地行き。この駅から各駅に止まるが、最後まで特急表記のまま走り続ける。
こちらはオリジナルの8000系特急新開地行き。神戸三宮駅は、阪急の駅で唯一「○号線」ではなく「○番ホーム」と案内される。
理由は、配線上は1番ホームが1号線、この2番ホームと3番ホームで挟まれた線路が2号線、4番ホームが3号線となっているからとのこと。
【3・4番ホーム】神戸線:西宮北口・大阪梅田方面
今度は西側の花隈・新開地方面を望む。阪急はここから地下に入るが、高架上を走り続けるJRの元町駅が肉眼で確認できる距離にある。
そこからホーム中央を望む。この屋根の上を神戸阪急ビルが聳えていたが、震災で残念ながら倒壊。その爪痕が今も残っている。
しかし、震災で駅ビルが倒壊しても、残ったこのドーム状の屋根が神戸三宮駅のアイデンティティを保ち続けている。
3・4番ホーム中ほど。綺麗なカラー液晶ディスプレイの発車案内掲示板。
2号線(2・3番ホーム)に停車中の6000系当駅始発の各駅停車梅田行きを正面より。
地下駅化して地下鉄西神・山手線と乗り入れ構想があるので、この風情あるホームもいつまで見られるかわからない。
今度の2号線(2・3番ホーム)は新型車両1000系の各駅停車梅田行き。
阪急の車両は終点に着くと、このようにきれいに掃除がされる。こういう細かいメンテナンスが阪急のブランドを維持している。
その新型1000系を正面から。マルーン色のピカピカの車体はいつ見ても美しい。ステンレス車にはない文化的趣きがある。
今度は横顔を拝見。写真が下手な自分が撮ってもこんなに美しい。被写体がよっぽど美しい証拠だろう。
2号線の折り返し電車は到着後しばらく両側の扉が開いており、1番ホームから4番ホームへの通り抜けができるようになっている。
4番ホームを梅田寄りより。特急待ちの人が並んでいる。
その4番ホームに9000系新開地始発の特急梅田行きが到着。
乗車客だけかと思ったら、意外にも降りる人も結構いる。ここからJRか地下鉄に乗り換えるのだろうか。
えきログちゃんねる
阪急で唯一乗り場が「○号線」ではなく「○番ホーム」と案内される駅。特急梅田行きの案内放送は他駅では聞かれない詳細な途中駅の乗り換え案内が放送される。
2号線に到着する1000系の折り返し普通梅田行き。
ドーム状の屋根が美しく阪急らしい荘厳とした雰囲気。地下化の構想があるため、この駅の姿がいつまで見られるかわからない。
2・3番ホームに挟まれた当駅始発の普通発車風景。3番ホームで発車案内と発車ブザー、2番ホームでは通過メロディが流れる。
1時間に2本だけ発車する当駅始発の山陽姫路行きの発車風景。梅田行きのような発車メロディはなく、発車ベルだけ。