南海本線堺駅から東に2キロ、大小路の東端に位置する、南海高野線の2面4線の地上駅。
戦後堺市の政治・経済の中心として発展し、堺駅を大きく上回る1日6万人の利用客数を誇る堺市の実質的な中心駅。
政治・経済機能が集結し、都会的な雰囲気の西口と、駅前広場すらなく、レトロな雰囲気満載の東口との激しいギャップが、何とも言えない魅力を醸し出している。
目次
外観
堺駅から大小路筋を東1キロほど向かった、阪神高速15号堺線の高架にかかる大小路橋。
そこから東方向を望むと、落ち着いた雰囲気の堺駅前とは打って変わった繁華街の様相を呈してくる。
さらに大小路を東に進むと、右手に堺市合同庁舎の立派な建物が姿を現す。ここが堺市の行政の中心。戦時中の大空襲後、堺駅付近から中心業務地区が移転された。
左手には、堺東中瓦町商店街・通称「なかしん」が見える。
1898年(明治31年)開業当初、堺東駅周辺は堺市ではなく、泉北郡向井町だったが、1920年(大正9年)に堺市に編入されたというトリビアがある。
そして、大小路の突き当たりに堂々と姿を見せるのが、南海堺東駅の西口。
駅南口交差点から、府道30号大阪和泉泉南線を北方向に望む。
左手に堺銀座商店街、右手の南海の駅ビルの奥には、百貨店高島屋も控えている。戦後行政の移転と共に経済も発展し、堺市の経済の中心も、堺駅前ではなくここ堺東となった。
西口駅前広場からさらに東方向を望むと、南海電車の地上踏切が見える。高架駅である堺駅に対し、堺東駅は地上駅のままだ。
歩道橋から大小路を西方向に望む。ここから南海本線・堺駅までたったの2キロほど。南海本線と高野線はなんばからここまでほぼ並走している。
両線が建設当初は別会社だったことによるものだが、現在の利用状況を勘案すると、結果的にやや過剰投資気味となっている。
今度は、駅歩道橋から東口方面を望む。こちらは住宅地が広がっており、繁華街的様相を呈している西口とは風景が一変する。
南方向を望む。線路を挟んで、東西でこうも雰囲気が変わる駅は、なかなか珍しいのではないだろうか。
これが東口。立派な西口と比べると、同じ駅とは思えないほどレトロで簡素な作り。東口は駅前広場すらない。
その東口を正面より撮影。ちなみに堺東駅の1日の利用客数は南海第4位の約6万人で堺駅の4割増し。
堺市の実質的な代表駅であるが、線路を挟んだ東口と西口のギャップの凄さも魅力の一つだろう。
上の写真から反対の東方向を望む。閑静な住宅地が広がっており、府内有数の公立高である三国丘高校も、ここから至近の場所にある。
バスターミナル
堺東駅前(西口)バスターミナル。南海バスの牙城となっており、全部で17の乗り場を有する大ターミナルだ。
今度は北方向から撮影。堺市の中心駅の貫録を見せつける賑わいのあるターミナルだ。
改札口・コンコース
西改札。取材をした2015年8月現在、改良工事を行っていた。
改札口が4か所に点在していることもあってか、一番人通りが多い表玄関である西改札も、それほど規模が大きくない。
その西改札を改札内より。改良工事中ということもあり、やや暗めの雰囲気。
最新式のフルカラー液晶列車案内板が設置されている傍ら、駅構内は年季が漂っている。
時刻表
高野線:高野山(極楽橋)・泉北高速線方面
高野線は、南海本線よりも利用客が多く、本数も多く設定されており、いまや南海の主力路線の位置づけとなっている。
日中は、急行系(急行・区間急行)、泉北高速線乗り入れの準急行、各駅停車が12分サイクルで運行されている。
しかし、2015年12月に、泉北高速線乗り入れ本数を1本増やす反面、高野線方面の本数を2本削減する、実質減便ダイヤ改正を行う予定となっている。
高野線:なんば方面
なんば方面も同様に1時間に15本体制だが、2015年12月以降1本減便される。
南海本線も高野線も利用減に苦しんでいるが、なんばー堺・堺東間の並行区間が一本化できれば、また違った展開を見せていたかもしれない(なんばー堺は阪堺鉄道(後の南海)、汐見橋ー堺東は高野鉄道として開業した別会社路線だった)。1990年代には8万人を超えていた当駅の利用客数も、漸減傾向をたどっている。
乗り場
ホームは島式2面4線。高架駅化された堺駅と違い、当駅は、西口の都会的な雰囲気とは裏腹に年季の入った地上駅だ。
この写真だけを見ると、どこかの地方のローカル線的な雰囲気も醸し出している。
閑静な住宅街と、レトロ感を醸し出している駅舎。この何とも言えないギャップを残すのも、この駅の魅力なのだろう。
駅票。堺東駅は、堺駅開業の10年後の1898年(明治31年)、当時南海とは別会社の高野鉄道によって、大小路駅として開業。2年後の1900年(明治33年)に現駅名に改称された。
【1・2番線】高野線:高野山・泉北高速線方面
駅東口に直結する、南海が建設主となって2009年に建てられたマンション。
計画上は、45階建ての高層マンションにする予定だったが、景観に配慮した結果、最終的に15階建に変更された。
内側の2番線が本線。
駅東側のレトロ感が、何とも言えない風情を醸し出している。
2番線にやってきた泉北高速線に乗り入れる、新1000系の準急行・和泉中央行き。この駅からは各駅に止まる。高野線では珍しい普通鋼車だ。
3・4番線ホームから、1・2番線ホームを望む。1日6万人が利用する南海の中核駅だが、日中はそれほど人が多くない。
今度の2番線は、高野山連絡の6200系急行橋本行き。
かつては高野山(極楽橋)行きの「大運転」も多数設定されていたが、現在は橋本駅を運行上の境界に設定している。
2番線の6000系急行橋本行きと、3番線の2000系区間急行なんば行き。こちらは2扉のブームカーだ。
1番線から3番線までステンレス車の6000系が並んだ。南海高野線の主力車両だ。
高野線では、片開き車6000系が今でも現役バリバリで活躍している。
【3・4番線】高野線:なんば方面
通過入線する特急こうや30000系なんば行き。高野山開創1200年記念ラッピングを施した「紫こうや」に遭遇できた。
駅南西側より。当駅では堺駅同様、緩急接続が行われる。
4番線に停車中の6100系「各駅停車」なんば行き。短い4両編成だ。
高野線は、南海線のホームの無い萩ノ茶屋・今宮戎含めすべての駅に止まるので、南海線の「普通車」と異なり、「各駅停車」と称している。
その6100系を正面から。南海高野線を代表するステンレス車だ。
今度は1・2番線ホームから、3・4番線ホームを眺める。ホームを支える石畳も年季をうかがわせる。
3番線にやってきた泉北高速7000系の準急行なんば行き。南海では準急は「準急行」と呼ばれるのが特徴。
今度の3番線は、6100系の区間急行なんば行き。河内長野方面からの電車だ。
4番線に6100系の各駅停車が、3番線に到着の6200系準急行なんば行きを待ち合わせ。
当駅は、ホーム有効長が10両分あるが、日中は長くても6両編成で南寄りに停車するため、ホーム北寄りはガランとしている。
ホーム端からなんば方面を望む。当駅を出ると大きく東にカーブしていく。
えきログちゃんねる
[南海高野線堺東駅入線風景w接近メロディ]「準急行」泉北高速7000系和泉中央行き201508
準急行ですが、当駅から各駅に止まるので種別の案内はされず、「和泉中央泉北ニュータウン方面行き」と案内されます。
[南海高野線堺東駅入線風景w接近メロディ]6300系「準急行」なんば行き201508
南海名物「準急行」の入線風景です。堺東駅では電車が到着してから「ただいま到着の電車は~」の案内が流れるのが特徴のようです。
[南海高野線堺東駅入線風景w接近メロディ]6000系「各駅停車」なんば行き201508
高野線の各停は南海本線のホームの無い萩ノ茶屋と今宮戎にも止まるので正真正銘の「各駅停車」です。