第1回近畿の駅百選に選定された浜寺公園駅から一駅南にある、2面3線の地上駅。
南海本線と高師浜線の接続駅であると同時に、JR羽衣線(阪和支線・旧阪和電気鉄道)の東羽衣駅(旧・阪和浜寺駅)との乗換駅でもあり、市役所に近い隣の高石駅の倍以上の1日約2万人の利用客を有する、大阪府高石市の実質的な中心駅でもある。
駅北側の踏切を舞台に、かつて有数の海水浴場であった浜寺海岸への仁義なき乗客獲得抗争が、阪和電気鉄道(現:JR阪和線)との間で繰り広げられたことでも有名。
現在、高架化工事実施中で、2016年春より、下り線(関空・和歌山市方面)が高架駅化される予定となっている。
目次
外観
府道204号堺阪南線・羽衣交差点から東に少し入ったところにある羽衣駅西口。タクシー乗り場はあるがバス停は無い。実は、高石市は全国でも珍しい路線バスの停留所の無い都市だそうな。
その西口を南方向から望む。入り組んだ住宅街の中にある駅だ。
さらに南方向に進むと、建設中の高架ホームの姿が。2016年春に下り線(関空・和歌山方面)が高架化される予定となっている。
今度は駅東口。こちらは高架化工事真っ最中の様相だ。
そして、駅東口すぐのところにあるJR羽衣線(阪和支線)の東羽衣駅。羽衣駅との乗換駅となっており、1929年(昭和4年)に阪和電気鉄道が開業した際は、阪和浜寺駅と名乗った。
同じ場所から西方向には、南海本線の踏切が。かつて西の海側には有数の海水浴場・浜寺海岸があり、南海と当時の阪和電気鉄道で激しい乗客獲得競争が繰り広げられた。
阪和浜寺駅(現:東羽衣駅)から浜寺海岸に行くには、この踏切を渡る必要があるが、南海はわざと電車をノロノロ運転させて、この踏切を開かずの踏切にさせたとも言われている。
改札口・コンコース
改札口は1か所。
上の写真の反対方向を撮影。東羽衣駅への連絡案内がなされている。阪和電気鉄道は、南海との激しい競争を繰り広げたが、1940年(昭和15年)に体力が消耗し南海に吸収合併された。
改札口を改札内より。羽衣駅は、阪和線との乗換駅及び急行停車駅でもあることから、市役所に近い隣の高石駅の倍以上の約2万人の利用客を有する高石市の実質的な中心駅となっている。
南海名物パタパタ式の発車案内掲示板。
改札内コンコースを横から。高架化により、役目を終える前の哀愁感が漂っているのか。
時刻表
南海本線・空港線:和歌山市・関西空港方面
羽衣駅は、急行が停車するので、日中1時間当たり急行(空港急行)と普通車が交互の4本ずつの運行形態。朝夕ラッシュ時は1.5倍増程度に増発され、1日2万人の利用にしては充分な輸送密度に思える。
南海本線:なんば方面
なんば方面も同様。普通車は、堺まで先着し、後続の急行の待ち合わせを行う。
高師浜線:高師浜方面
当駅始発のわずか1.5kmの盲腸線である高師浜線は、2両編成のワンマンカーが、日中20分間隔・ラッシュ時は15分間隔で運行している。
乗り場
【1・2番線】南海本線・空港線:和歌山市・関西空港・なんば方面
南海線のホームは相対式1面2線形式。
1番線から普通車の和歌山市行きが発車。南海本線は今宮戎と萩ノ茶屋に止まらないので、全駅に止まる高野線の「各駅停車」と区別して「普通車」と呼ぶ南海トリビア。
その後ろ姿。
2番線のなんば方面ホームからは、先に高架化される1番線の高架ホームが見える。
2番線の和歌山市方面の先には、切り欠いた3番線ホームの姿が見える。
2番線にやってきた新1000系の普通車なんば行き。短い4両編成。堺まで先着して後続の空港急行の待ち合わせを行う。
1番線を通過する12000系のサザンプレミアムの特急和歌山市行き。
【3番線】高師浜線:高師浜方面
2番線ホームの南端にある切り欠きの3番線・高師浜線ホーム。
その3番線ホームから、南海線の1・2番線ホームを望む。この仮設ホームは高架化と共に役目を終える。
南海線は15分サイクル。高師浜線は20分サイクル。このサイクルの違いが接続の悪さを生んでいるのだろう。高師浜線を1両にして15分間隔にするという手はあるかもしれないが、そうすると輸送密度が3分の2になるので、難しいところだ。
高師浜線で使われているのは、汐見橋線と同じ2200系の2両編成ワンマンカー。この1編成が、高師浜線内を延々と折り返し運転を行っている。
その横顔。かつて22000系のズームカーとして、高野線の大運転急行で活躍したが、今は支線で余生を送っている。
出発前の車内を撮影。見事に自分以外誰もいない。
高師浜側から正面のお顔を拝見。南海独特のこのフォルムはいつ見ても素晴らしい。
同じ場所から高師浜方面を望む。この地上駅が見られるのもあとわずか。
えきログちゃんねる
[南海羽衣駅接近メロディ]南海本線「普通車」なんば行き201508
[南海羽衣駅発車メロディ始発駅ver]高師浜線高師浜行き201508
[営業キロわずか1.5キロの盲腸線]南海高師浜線車内放送(羽衣→高師浜)201508