JR嵯峨嵐山駅に隣接し、1993年(平成3年)に開業した嵯峨野観光線の1面1線の地上駅で、JR嵯峨野線(山陰本線)複線・電化に伴うルート変更後の旧線を利用した、日本初の純粋観光専用鉄道の始発駅。
開業当初は全く期待されていなかったが、素晴らしい沿線景観という地の利と、数々の営業努力が功を奏し、予想を覆す人気を集め、嵐山の中心観光地から離れているにも関わらず、いまや嵯峨野・嵐山観光最大の目玉スポットとなっている。
外観・駅周辺
京都を代表する観光地、嵯峨野・嵐山のJRにおける玄関口である嵯峨嵐山駅。その西隣にトロッコ嵯峨駅はある。
駅構内には、日本最大級の鉄道模型テーマパークである「ジオラマ・京都・JAPAN」もある。嵯峨野観光鉄道20周年を記念して2011年(平成23年)に開設された。
駅構内広場には、D51形蒸気機関車の姿も。単なるトロッコ列車の乗車駅としてだけでなく、親子で楽しめる滞在型駅舎としての工夫が随所に施されている。
隣接するJR嵯峨嵐山駅の橋上コンコースから見える、トロッコ嵯峨駅の駅舎。
嵯峨野トロッコ列車(正式名称:嵯峨野観光線)は、JR嵯峨野線(山陰線)の複線・電化のためにルート変更された嵯峨嵐山駅ー馬堀駅間の旧線を利用し、1991年(平成3年)に日本初の純粋な観光専用鉄道として開業した。
改札口・コンコース
駅構内コンコース。トロッコ列車は、旧線の廃線を惜しむ声を受け、JR西日本が観光路線としての再利用を打ち出して実現した。
運行は1時間に1本。わずか3名の「開設準備室」から出発し、開業当初は全く期待されていなかったが、素晴らしい沿線景観という地の利と、数々の営業努力が功を奏し、開業初年度に当初予想の2.5倍の年間50万人の利用客を集めた。
http://www.sagano-kanko.co.jp/history.html
コンコース奥にある休憩所。オリジナルグッズやおもちゃを扱う売店や、軽食も販売。さらにその奥にはジオラマ・京都・JAPANが。まさに滞在型の駅舎となっている。
乗り場
隣接するJR嵯峨嵐山駅4番のりばの南に、トロッコ嵯峨駅の1面1線ホームがある。
下り線をJR線と共用する関係上、1線の駅だが、運転取扱上はJRからの続きの5番線となっている。
1時間に1本のトロッコ列車を待つ人の行列。観光シーズンになると平日昼間でもこの人気ぶり。外国人観光客の姿も多数見うけられる。
嵐電嵐山駅を中心とした嵐山の中心観光地から離れているのも関わらず、嵐山観光最大の目玉として、この地に観光客が大挙するようになった。
嵯峨野観光線仕様の駅票。JRの駅と違って、この駅に「嵐山」が付かないのは、ここから1キロ西に「トロッコ嵐山駅」が存在するため。
安全だけでなく、美しい景観を楽しんでもらうために、開業前に社員総出で沿線に桜や紅葉の苗を植えて回ったとのこと。
あれから約四半世紀。今では立派に育った苗が桜・紅葉の名所となり、トロッコ列車も、押しも押されぬ嵯峨野・嵐山最大の観光スポットとなった。
そんな感動に浸っていると、D10形ディーゼル機関車に引っ張られた5両編成の嵯峨野号がやってきた。
「嵯峨野ロマンチックトレイン」とも呼ばれるトロッコ列車。観光路線にふさわしい、お洒落でロマンチックな風貌だ。
車輌は予備がなく、この1編成のみ。水曜日と冬期(12/30~2月末)は運休となり、その間にJR西日本の車両基地に保守や検査に出されるらしい。
堂々とした横顔。紅葉をイメージしたと思われる赤色が映える。
車止め方向を望む。この美しい風貌を収めようとするのは当然自分だけではなかったが、JRの駅側から撮っていたのは自分だけだった。
機関車に一番近い5号車は、1998年(平成10年)に運行を開始した、窓を取っ払った吹き曝しの特別車「ザ・リッチ」。雨天時には乗客を乗せられないため、当日券のみの販売だ。
たくさんの観光客を飲み込んでトロッコ列車が出発。さきほどまでの賑わいがウソのような静けさに戻った。
JR線のホーム端から西方向を望む。下り線をJRと共用しているのがわかる。
嵯峨野観光線は、正式には現在でも山陰本線のままで、JR西日本の100%子会社である嵯峨野観光鉄道が、第二種鉄道事業者として列車を運行する形をとっている。
えきログちゃんねる
[嵐山観光最大の目玉・トロッコ列車]嵯峨野観光線DE10形ディーゼルカー入線風景@トロッコ嵯峨駅201511
JR嵯峨嵐山駅3・4番のりばホームより撮影しました。
[嵐山観光最大の目玉・トロッコ列車]嵯峨野観光線DE10形ディーゼルカー発車風景@トロッコ嵯峨駅201511
味のあるディーゼル音を鳴り響かせながら、後ろ向きに発車していきます。