京都市南部の八条通に位置し、大阪駅に次ぐJR西日本第2位の1日約40万人の利用客数を誇る、日本を代表する観光地・京都最大のターミナル。
在来線・新幹線・近鉄電車・地下鉄が集結した、京都の玄関口にふさわしい賑わいを見せる全列車停車駅で、第一回近畿の駅百選にも選定されている。
長らく低層であった駅舎は、平安遷都1200年記念事業によって高さ60mの高層建造物へと大変貌を遂げ、古都の景観に新風を吹き込む京都の新しいシンボルとなっている。
また、壮大な駅ビルだけでなく、島式・単式・頭端式とバラエティーに富んだ駅構造も大変魅力的で、観光客も鉄道ファンも大満足の名実ともに関西を代表するターミナル駅である。
外観・駅周辺
駅北側・京都タワーと対峙する烏丸口
平安遷都1200年記念事業の一環として、1997年(平成9年)に完成した第4代駅舎である京都駅ビル。
景観との調和において賛否両論の大激論を巻き起こしたが、高さを60mに抑えながらも国際観光都市・京都の玄関口にふさわしい壮大な造りとなっている。
その京都駅ビルに通り向かいに君臨する京都タワーと、京都の南北の目抜き通りである烏丸(からすま)通。
地下鉄烏丸線は、この烏丸通の地下を通っている。
駅南側・新幹線のりばに近い八条口
一方、こちらは新幹線・近鉄電車の京都駅が近い南側の八条口。
京都駅ビルから東方向の山科・大津方面を望むと、東山の美しい姿が一望できる。
古都の景観に新風を吹き込む巨大建造物・京都駅ビル
烏丸口正面玄関から、京都駅ビルの内部に進入してみる。
地上16階、地下3階、東西の長さ何と470mにも及ぶ、鉄道駅にしては日本有数の規模を誇る。
圧迫感を回避するために施されたこの巨大な吹き抜けは、その後の大阪駅ステーションシティの先駆けとなったように見受けられる。
4000枚ものガラスを使用した大屋根に向かって、東西両側に設置されたロングエスカレーターを上っていくと、、、
北側には京都タワーの絶景が開け、、、
南側には、在来線・新幹線の京都駅ホームの眺望が展開され、、、
西側にある近鉄京都駅から京都西山の風景も一望できる。
そして、そこからさらに上に上がった地上45mの吹き抜け最上部には、東西に「空中径路」が伸びており、、、
京都で最も高い建造物である京都タワーを含む、駅北側に広がる京都の繁華街が一望できる。
その空中径路を渡って駅ビル西側に向かった百貨店ジェイアール京都伊勢丹側には、段数171段、高低差何と11階建てビルに相当する大階段がある。
コンサートや駆け上がり大会等の各種イベントも催される、京都駅ビルの名物的存在である。
当駅ビルは7名による国際指名コンペの結果、梅田スカイビルを手掛けた原広司氏の案が採用された。
京都駅周辺は高さ120mまで建築可能な特例措置が設けられているが、古都の景観を破壊するとした反対意見も根強く、その半分の60mに抑えながらも圧迫感を回避する配慮が随所に見られた点が採用のポイントとなったようだ。
バスターミナル
北の烏丸口にある、市バス・京阪・JRバスの京都駅前バスターミナル。
旧市電網を地下鉄ではなく市バスで代替している京都では、市内縦横無尽に路線が張り巡らされており、京都市バス最大のターミナルとなっている。
従って、京都駅から市内の観光地へ向かうには、電車よりも市バスが便利な場合が多く、外国人観光客含む多数の利用客でにぎわう。
改札口・コンコース
京都駅前バスターミナルに直結する中央口
激しい反対運動を乗り越えて、今や京都の新しい観光名所としても定着した京都駅。その表玄関となるのがこの烏丸中央口だ。
吹き抜け部分の1階に位置する中央改札は、あまりの開放感につい上を見上げてしまう。
中央口は、北陸方面行き特急電車が発車する0番のりばと直結している。
ビルの上から中央口を眺める。空間の効率利用のためにかなりの部分を企業向け賃貸オフィスに割く駅ビルが多い中、景観を重視した京都駅ビルはそうした部分を排除し、開放感の確保に成功している。
今度は0番のりばホーム側から中央改札を望む。大阪駅・京都駅の壮大かつ開放的な意匠は、東京の駅ではまず見られない代物だ。
南北自由通路で賑わう西口
京都駅ビル2階の西側は、北の烏丸口と南の八条口を結ぶ自由通路となっており、中央口同様にかなりの賑わいを見せている。
西口改札は、その南北自由通路の中央に位置している。
その西口改札を改札内より望む。改札を抜けた奥は、JR西日本と伊勢丹の合弁として設立された「ジェイアール京都伊勢丹」がある。
京都駅ビルと同時に開業し、売上高が開業以来34か月連続で前年実績を上回るという大成功を収め、京都タワー横に存在した近鉄百貨店京都店を閉店に追い込んだ。
そして、その西口改札から南北自由通路を南側の突き当りまで進むと、新幹線京都駅につながり、、、
近鉄京都駅と向かい合って存在している。
時刻表
JR京都線:高槻・大阪・神戸方面
大阪・神戸方面の日中は新快速・快速が4本/時、普通4本/時の計12本/時が基本。
新快速より6分先に発車する快速は、朝ラッシュ時以外は高槻まで各駅となり、後続の新快速に追い抜かれ、高槻には新快速の3分後に到着する。
琵琶湖線:大津・草津・米原方面
琵琶湖線は、東海道線の路線を大津・草津から米原方面に向かう線。
日中は新快速3本、普通4本の7本/時が基本。新快速は京都まで15分間隔だが、毎時1本が湖西線に入るため、30分間隔が空く時間帯があるが、夕方以降はすべての新快速が琵琶湖線に入る。
新快速・普通とも2本ずつは途中の野洲止まりとなるので、野洲以降は、新快速・普通が2本/時の体制になる。
普通は原則野洲まで先着するため、大阪方面の利用客が新快速に集中するのに対し、普通にもしっかり乗客が吸い込まれるのが特徴。
湖西線:堅田・近江舞子・敦賀方面
左側が湖西線の時刻表。湖西線は山科から文字通り琵琶湖に西側を走る路線。比較的新しい路線で高架中心で線形が良いのが特徴だ。
日中は普通3本/時、新快速1本/時の体制。新快速は2006年より敦賀までの延伸を果たしている。
普通は近江今津行きが1本、近江舞子止まりが2本が基本となっており、一部は京都寄りの堅田までの電車もある。
時刻表には載っていないが、北陸方面に向かう特急サンダーバード号は、線形の良い湖西線のルートを走る。
嵯峨野線:嵯峨嵐山・亀岡・綾部方面
右側が嵯峨野線の時刻表。普通3本、快速1本の計4本/時に、特急が毎時1本加わる体制。特急が間に入るため、普通は20分間隔が空く時間帯がある。
快速は園部行きが毎時1本、普通は園部行きが毎時1本、亀岡止まりが毎時2本。普通は快速に追い抜かれず終点まで先着し、快速園部行きは終点園部で福知山行きに連絡する。
山陰線はJRになってサービス向上策を打ち立てており、かつてはほとんど走っていない非電化ローカル線だったが、今や立派な都市型路線に変貌を遂げた。
JR奈良線:宇治・城陽・奈良方面
JR奈良線は、宇治から奈良方面に向かう路線。同じ京都駅から発車する近鉄京都線が競合で、本数・速達性で近鉄が勝る。
但し、民営化後サービスを向上させており、複線化や快適車両221系によるみやこ路快速の運転等攻勢をかけている。
日中はみやこ路快速奈良行きが2本/時、普通が城陽行き2本/時、奈良行き2本/時の計6本/時体制が基本となっている。
乗り場
【0番のりば】北陸方面行き特急のりば
全長558mと日本一長いホームとして知られている0番のりば。中央改札に直結しており、ホーム幅も広く開放的な雰囲気となっている。
2階コンコースから眺める0番のりば。駅ビル自体が屋根の役割を果たしており、縦の開放感も確保されている。
かつては1番のりばと呼ばれていた時期もあったが、2002年(平成14年)の運行管理システム導入の際に、運行管理上の番線名とのりば名を一致させ、0番のりばとなった。
当駅の開業は1877年(明治10年)。官製鉄道の向日町ー当駅間延伸に合わせて開業し、開業式には明治天皇も参列された。
0番のりばホームはとてつもなく長いため、その東端は2・3番のりばを超えている。
上の写真の場所から東方向を望むと、関西ではまだまだ現役で活躍中の113系が、湖西線普通電車として発車していた。
0番のりばと琵琶湖線の2番のりばの間にあるホームの無い線路が1番線で、貨物列車等が通過していく。
日本一長いと言われている当ホームだが、実は西側の235mは特急はるか号の30番のりば用に切り欠かれており、0番のりばホーム自体の長さは323mとなっている。
その0番のりばに到着した683系特急サンダーバード号。普段は金沢行きだが、この日は強風の影響で福井行きに短縮となっていた。
【30番のりば】関空特急はるかのりば
関空特急はるか号と嵯峨野・山陰線が発着する30番のりば以降のホームは、中央改札から右に進んだ駅西側にある。
上の写真から奥の西方向にしばらく歩くと、嵯峨野・山陰線の東端ホームが見えてくる。
はるか号の出発する30番のりばは、そのさらに奥の0番のりばを切り欠いたホームとなっている。
その30番のりばを2番のりばホームより望む。はるか号は1994年(平成6年)の関西空港開港と同時に運行開始した関空連絡特急だ。
30番のりばは、はるか号専用ホームとなっているため、駅票の次駅表記は西大路ではなく新大阪となっている。
そのはるか号の横顔。リムジンバスや南海特急ラピート号等との競争から苦戦状況にあったが、近年はインバウンド需要好調により持ち直しつつあるようだ。
はるか号は専用の281系が使用され、30分間隔で運行されている。
その30番のりば西側には、2007年(平成19年)に京都駅NKビルが増築され、家電量販店ビックカメラ京都店に直結する西洞院口(にしのとういんぐち)が新設された。
その30番のりば西端から近鉄京都駅方向を望む。運行開始から3か月間は「はるかホーム」と呼ばれたが、1994年(平成6年)12月に現のりば名に変更された。
【31番のりば】山陰方面行き特急のりば
山陰方面行きの特急電車は、はるか号の30番のりば向かいの頭端ホーム・31番のりばから発車する。
その31番のりばに、山陰線の園部ー福知山の電化に伴い1996年(平成8年)に誕生した287系特急きのさき号・城崎温泉行きがやってきた。
嵯峨野・山陰線仕様の駅票。京の優雅さをイメージしたとされる紫色がラインカラーとなっている。
きのさき号は1日10往復運転されるが、うち半分は特急名となっている城崎温泉までは行かず、途中の福知山止まりとなる。
こののりばから発車する特急は、「きのさき」の他に綾部から舞鶴線に入る「まいづる」と、福知山から京都丹後鉄道に乗り入れて天橋立に向かう「はしだて」が運行されており、一部列車は複数種別が綾部・福知山まで連結して運行される。
はるか号の30番のりばと31番のりばとの並び。1994年(平成6年)の関西空港開港までは山陰1・2番のりばと呼ばれていた。
【32~34番のりば】嵯峨野・山陰線:嵯峨嵐山・亀岡・園部方面
頭端式となっている32・33番のりばからは、嵯峨野・山陰線の快速・普通電車が発車する。
32番のりばに停車中の221系普通園部行き。
ちなみに30番台の乗り場番号となっているのは、山陰線のあたまの「さん」に因んでいるからであり、実際の京都駅の乗り場数は、新幹線ホーム含めて19となっている。
かつては気動車中心の純ローカル線だった嵯峨野・山陰線だが、民営化以降の輸送改善により、近郊路線へと大変貌を遂げた。
31番のりばから車止め方向を望む。JR駅での頭端ホームは貴重な存在だ。
33・34番のりばは、両側をホームで挟まれた私鉄型の完全櫛形ホームとなっている。
そのホームにやってきた221系普通亀岡行き。乗車は左側の33番のりばから行い、右側の34番のりばは降車専用ホームとなっている。
34番のりばは、日本で一番大きい数字ののりば番号である。
嵯峨野・山陰線の電車は、普段は短い4両編成で運転されているが、それでも気動車2両時代に比べると、格段に輸送量が増加している。
同線は2009年(平成21年)までに京都ー園部間の複線化が完成したが、京都駅構内はまだ一部単線のままとなっている。
【2・3番のりば】琵琶湖線:大津・草津・米原方面/湖西線:堅田・近江舞子・敦賀方面
2番のりばからは、当駅から名称を琵琶湖線に代わる東海道本線の電車が、3番のりばからは山科から湖西線に入る電車が発車する。
米原から長浜に向かう琵琶湖線、長浜から琵琶湖湖北を走る北陸線、そして湖西線で琵琶湖を取り囲む「琵琶湖環状線」が形成されている。
0番のりばホームから眺める2番のりばに、225系の新快速米原方面長浜行きが到着した。
次に2番のりばにやってきたのは223系普通野洲行き。終点の野洲まで新快速の追い抜きを受けずに先着する。
今度の2番のりばの普通電車は221系でやってきた。超近代的な建造物に昔の駅舎から継続使用しているトタン屋根が、何とも言えないミスマッチを醸し出している。
次にやってきたのは223系普通米原行き。琵琶湖線内の普通電車は草津を越えて野洲まで先着するため、普通にもたくさんの乗客が乗り込んでいく。
ホーム東端にある地下東口は地下鉄京都駅との乗換に便利なため、多数の降車客が流れていく。
向かい側の3番のりばには、まだまだ現役で活躍中の113系当駅始発の湖西線・普通近江今津行きがやってきた。
かつては東海道本線(JR京都線・神戸線・琵琶湖線)の快速電車として大活躍したが、現在は湖西線に活躍の場を移している。
そして、かつて新快速として一世を風靡した117系も、この湖西線で余生を送っている。
その117系が、新快速時代のオリジナル塗装として留置されているのを発見。
新旧様々な車両群が一堂に会するのも京都駅の魅力の一つである。
【4~7番のりば】JR京都線:高槻・大阪・神戸方面
当駅以西からJR京都線に名称が変わる東海道本線の電車は、4・5番のりばから発車する。
昼間時間帯は、4番乗り場から発車する当駅始発の4扉普通電車は運行されず、電車はすべて5番のりばから発車する。
夕方からの再稼働までの間、4扉普通電車207系の壮大な京都駅ビルを背景に、しばしの間休憩をとっている。
駅ビルは大変貌を遂げたが、ホーム自体は改装されておらず、古レールを使用した年季の入ったホームと真新しく洗練された駅ビルとが、興味深いコントラストを演じている。
その5番のりばに、223系新快速姫路行きが入線してきた。ここから約45キロ離れた大阪までたったの30分で駆け抜けてしまう。
そして、このホームでもう一つ抑えたかったのが、、、
2016年(平成28年)3月で廃止となる新快速姫路方面播州赤穂行き。ダイヤ改正で姫路までの短縮運転となる。
そして、隣の島の6・7番のりばからは、主に特急列車が発車する。
その7番のりばに到着した683系特急サンダーバード号大阪行き。
これ以外にも同ホームからは、南紀方面行きの「くろしお」や山陰方面行きの「スーパーはくと」も発車しており、京都駅は在来線特急の発着種別が日本一多い駅となっている。
【8~10番のりば】JR奈良線:宇治・城陽・奈良方面
奈良線ホームは、改札内南北通路を南に進み、、、
新幹線京都駅との乗換口に直結した場所にある。
奈良線でも往年の国電車が活躍しており、9番のりばに103系の普通城陽行きとして入線してきた。
その横顔。近代的な駅ビルを背景にしたレトロ車両とのマッチングがいい味を醸し出している。
奈良線は、京都ー奈良間の2大古都を結ぶ路線であるため、「日本の古都を結ぶクラシックな落ち着いたイメージ」とされる茶色がラインカラーとなっている。
現在は京都ー奈良間を結んでいる奈良線だが、実は1879年(明治12年)に東海道本線として開通しており、当時の東海道本線は現在の山科ー大津ルートではなく、東山・逢坂山を迂回した稲荷ー浜大津(初代大津駅)ルートを通っていた。
それが1921年(大正10年)に、新逢坂山トンネル・東山トンネルの開通による東海道本線の現ルートへの変更に伴い、当駅ー稲荷間が奈良線に編入されたという異色の経歴を有している。
10番のりばから車止め方向を望む。奈良線の9・10番のりばも頭端式ホームとなっている。
2015年(平成27年)12月より混雑回避のために拡張された8番のりば。
奈良線は輸送改善と好調なインバウンド需要を背景に、民営化以降利用客数が約3倍増と大盛況を誇っている。
その8番のりばに停車中の221系みやこ路快速奈良行き。競合する近鉄京都線急行の強力なライバルとなっている。
10番のりばには、同じ221系の普通奈良行きが停車中。
快速は三が日以外は稲荷駅に止まらないため、外国人観光客が選ぶ日本の観光地No.1の伏見稲荷大社へは、普通電車を利用する。
在来線京都駅の利用客数は1日約40万人。JR西日本管内では大阪駅に次ぐ堂々の第2位を誇り、隣接する新幹線・近鉄線・地下鉄線を合わせると実に約70万人もの人が利用する大ターミナルである。
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