京の一大観光地・嵐山のメインストリート・長辻通沿いにある、京都唯一の路面電車・嵐電(京福)嵐山本線の頭端式3面3線の終着駅で、第4回近畿の駅百選認定駅。
所在地は右京区嵯峨であり、嵐山には無いものの、嵐電が社運をかけて改装した滞在型駅舎が、観光地のど真ん中に堂々と君臨する姿は、観光地・嵐山の代表駅たる風格を備えている。
外観
観光客におなじみの渡月橋。この橋を向こうにわたると嵐山の観光地がひろがる。
実は地名の「嵐山」はこの橋より手前側・阪急嵐山駅方面にあるというのは意外と知られていないトリビアかもしれない。
渡月橋から西側・桂川の上流方向を望む。渡月橋を挟んで西側は実は桂川ではなく、大堰川と名前が変わることもトリビアの一つ。
渡月橋を北に渡った嵐山観光地の入り口に位置する三条通り。この付近に「嵐山」バス停がある。
渡月橋を渡ってさらに北に向かうと観光地のメインストリート・長辻通が拡がる。くどいようだが、ここは正式には嵐山ではなく右京区嵯峨と呼ばれる地域。
そのメインストリートを北に進むと、右手に嵐電嵐山駅の駅舎が姿を現す。
駅前にバス停があり、四条河原町・三条京阪・京都駅方面に向かう路線が発着する嵐電の強力なライバル。バス停名はかつて「嵐電前」で統一されていたらしいが、1990年頃に、京都バスは「京福嵐山駅前」に、市バスは「嵐山天竜寺前」と、異なる名称に改称された。
2013年3月に嵐電が社運をかけて改装した立派な駅舎。
観光地の中心に堂々と君臨する姿は、「嵐電」の名にふさわしい風格。第4回近畿の駅百選にも認定されている。
駅前からメインストリートである長辻通を南方向に望む。奥に見える橋が渡月橋で、阪急嵐山駅へはここから徒歩12分程度を要する。
嵐電嵐山駅は右京区嵯峨、阪急嵐山駅は西京区嵐山にある。嵐山の代表駅である嵐電の駅は、実は嵐山には無いのだ。
改札口・コンコース
嵐電(京福)嵐山駅は、1910年に嵐山電気軌道の駅として開業した1世紀以上の歴史を有する駅だ。
入り口を入ると観光地の雰囲気満載の商業施設「嵐山はんなり・ほっこりスクエア」が拡がる。京友禅を用いた600本ものポールの林から美しい光が駅を包む。
奥に進むと頭端式のホームが姿を現す。2013年の改修時に改札を撤去。駅施設全体を「電停のあるまち」と捉え、誰でも自由に行き来が出来る滞在型駅舎として生まれ変わった。
まさに駅そのものが観光スポットとなっており、ホーム内にもおもてなしが隠されている(後述)。
時刻表
嵐山本線:帷子ノ辻・四条大宮方面
嵐電が社運をかけて改装した駅だけあって、他の駅には無いフルカラーLED仕様の時刻表。
通常期は深夜時間帯を除いて全列車嵐山本線の四条大宮行きで、10分間隔の運行。途中帷子ノ辻駅で乗り換える北野線の時刻表も掲載されている。
乗り場
嵐電仕様の駅票。次の嵐電嵯峨駅までの距離はわずか300mしかない。
ホームは頭端式3面3線。
1番線降車側ホーム横にも京都らしいお店が並んでいる。改札がないので、切符が無くても誰でも来店することが出来る。
1番線のやってきたモボ611形の四条大宮行き。駅改装時にホーム内にオープンしたタリーズコーヒーのPR塗装だ。
1番線降車ホームから車止め方向を望む。600本もの光のポールが夜になるとライトアップされ、幻想的な雰囲気になるそうだ。
今度の1番のりばは、レトロ調のモボ21形。平安京遷都1200年の協賛の一環として1994年に登場した。
その車内。木目調の化粧板、抹茶色のシートがレトロ感を醸し出している。
1・2番ホーム中央から駅入り口方向を望む。一大観光地・嵐山の代表駅にふさわしい賑わいと風格を備えている。
何と、ホームの奥にはビアガーデン。
そして、足湯まで存在する。2004年(平成16年)春に嵐山温泉が開湯したことを記念して、JR九州の由布院駅をモデルとして作られた。京友禅ポールはここにも存在。
その「駅の足湯」から1番線方向を望む。降車側は車止め付近で検札を行うため、テープで区切られている。
日中は使用されない2・3番線ホーム。
3番線の車止め付近から1番線方向を望む。
3番線にやってきたモボ621形の回送電車。右手奥に見えるのが、駅改装時にオープンしたタリーズコーヒー。
ホーム端から嵐電嵯峨方面を望む。ホームを超えたところにまで光のポールが張り巡らされている。嵐電の並々ならぬ気合を感じる。
えきログちゃんねる
[嵐電名物車内放送]次は嵐山「嵐山へおこしやす・井筒の夕子」201508
[嵐電車内放送]京福嵐山本線(四条大宮→嵐山)201508
京福嵐山本線の通しの車内放送。合成音声魔改造前の京都市バスの車内放送を担当していた女性の声が京都の雰囲気を醸し出している。