菅原道真が淡路島と勘違いした逸話を地名の由来に持つ、京都線と千里線の接続駅である島式2面4線の地上駅。
両線が交わるダイナミックな平面交差が魅力的な交通の要所ながら、長らく特急通過駅であったが、現在では休日の快速特急含む、通勤特急以外の全列車停車駅に昇格を遂げる。
駅高架化含む大規模な再開発を実施中で、2018年(平成30年)にはJRおおさか東線との接続駅として、新大阪への新たなアクセスルートともなる予定で、交通の要所としての重要度をさらに高めると共に、駅周辺の味わいのあるレトロ感も、大変貌を遂げることになる。
目次
外観
阪急京都線と千里線の接続駅である淡路駅は、1921年(大正10年)に千里丘陵で宅地と霊園を開発していた北大阪電鉄が十三ー豊津間を開通させた際に開業した。
駅東側より淡路駅を望む。周辺は2018年(平成30年)のJRおおさか東線・淡路駅開業に向けた再開発の真っ最中だ。
東淀川区で最も古い商店街である東淡路商店街。再開発により、この地に移転してきた。
東西をつなぐ地下道を経て駅西側に出る。「淡路」という地名は、神崎川と淀川に挟まれた平地であるこの場所を見た菅原道真が、淡路島と勘違いしたことから名づけられたというトリビアがある。
淡路駅の西口駅舎。京都線と千里線が接続し、特急も停車する重要駅だが、レトロ感漂う簡素な駅舎だ。
同じ場所から東方向を望む。駅周辺はこの西口も東口も商店街や住宅が密集している地域だ。
改札口・コンコース
簡素な駅舎に加え、地下のコンコースもレトロ感満載だ。現在高架化工事が進行中なので、このレトロな姿もいずれ見られなくなる。
時刻表
京都線
京都河原町方面
当駅は、2線が交わる重要駅ながら、長らく特急通過駅であったが、2007年(平成19年)より特急停車駅となり、2011年(平成23年)より設定された土休日用の最上位種別・快速特急も停車するようになり、全列車停車の最重要駅に昇格した。
平日の日中は、京都河原町行きの特急と、高槻市から各駅に止まる準急、そして高槻市行きの各駅停車が毎時6本ずつの計18本/時の高頻度体制となっている。準急は高槻市で後続の特急の待ち合わせを行う。
ちなみに、当駅より京都方面は、京阪の子会社であった新京阪電鉄が建設し、戦後まもなくの1948年(昭和23年)まで京阪電車だったというのは、今の世代には知られざるトリビアである。
大阪梅田方面
大阪梅田方面も同様の運行体系だが、ここから先は待避設備がないので、全列車終点の梅田まで先着する。
ちなみに、1959年(昭和34年)まで当駅ー十三間は京都線ではなく、十三線と呼ばれる支線だった。
千里線
北千里方面
北千里方面は全列車各駅停車で、日中は10分間隔での運行。大阪梅田からの電車と地下鉄堺筋線方面からの電車が半分ずつとなっている。
十三から当駅を経由して豊津までが最初の開業した区間で、淡路ー千里山間は、1959年(昭和34年)まで千里山線と称された。
天六・地下鉄堺筋線方面
千里線南行きの天神橋筋六丁目(天六)から地下鉄堺筋線方面も同様の運行体系で、ほぼ全列車堺筋線の終点天下茶屋まで向かう。朝ラッシュ時は柴島を通過する準急も運行される。
実は、1959年(昭和34年)までの京都線は、天神橋(現:天六)ー京都(現:大宮駅)間であり、天六を大阪方のターミナル駅とした新京阪線と称されたのも、興味深いトリビアである。
当駅ー天神橋間は、十三ー豊津間開通から4年後の、1925年(大正14年)に開通している。
乗り場
【2・3号線】京都線:京都方面・千里線:北千里方面
2線・4方向の電車がダイナミックに平面交差するため、4方向全ての次駅が表された駅票。
ホームは島式2面4線。京都線・千里線間の乗り換え客でホームは終始混み合っている。
ホーム西端から梅田・天六方面を望む。左に分岐するのが千里線の天六・堺筋方面、右側に直進するのが京都線の十三・梅田方面。
鉄にはうれしいダイナミックな平面交差だが、運行ダイヤ上は残念ながら最大のネックとなっている場所でもある。
3号線に、天六方面から1300系・各駅停車北千里行きが到着した。
向かい側2号線には、梅田方面からやってきた8300系・各駅停車高槻市行きが到着。当駅で両線の各駅停車同士が接続を行う。
今度の2号線は9300系の特急京都河原町行き。
当駅には1号線が見当たらないが、実は1954年(昭和29年)まで現在の西口駅舎の場所に存在し、当駅ー十三間が十三線と称された支線だった時代に、同線専用のホームとして使用されていたらしい。
2・3号線ホームから、4・5号線ホームを望む。5号線に到着した9300系のマルーン車体が上品に光る。
次に3号線にやってきたのは、地下鉄堺筋線からの当駅止まりの電車。朝ラッシュ時は堺筋線から当駅止まりの電車が多数存在する。
乗換客を中心に終始混み合う当駅だが、ホーム幅は決して広くない。
今や京都線の最古参となった3300系同士が顔合わせをした。
【4・5号線】京都線:梅田方面・千里線:地下鉄堺筋線方面
当駅の利用客数は、1日約32000人。特急停車駅にしては多い数字とは言えないが、京都線・千里線との乗り換え客を含んでいないので、実際はもっと多くの人が利用していると思われる。
ホーム東端から京都河原町・北千里方面を望む。右にカーブしていくのが京都線で、左に直進するのが千里線。
丸囲みの場所にJR城東貨物線の高架があり、2018年(平成30年)におおさか東線の淡路駅が開業する予定となっている。
そして、当駅も高架の上東に移転して接続駅となり、念願の新大阪駅への接続ルートを得ることとなるが、事業が遅れており、阪急の高架切替は2024年(平成36年)になるそうだ。
4・5号線ホームより、駅東側を望む。高架化され東に移転した後に、駅前広場が整備されてバスターミナルも設けられる予定となっており、この味わい深いレトロな雰囲気がいずれ大変貌を遂げることとなる。
5号線に、7300系改造車の準急・大阪梅田行きがやってきた。
向かい側の4号線には、さらに改造されてもはや原型をとどめていない、こちらも7300系の各駅停車天下茶屋行きが、北千里方面から到着。
今後の5号線には、3300系の各駅停車梅田行きが入線。
4号線にやってきた、北千里からの大阪市交車66系・天下茶屋行きと接続を行う。
そして、今や京都線の主役たる3扉クロスシート車の9300系・特急大阪梅田行きが5号線に入線。
しばらく停車後、梅田方面に向けて発車。
進行中の高架工事の姿に、大変貌の兆しが伺える。完成の暁には、方向別・2層構造の駅に変貌し、ダイナミックな平面交差が廃止される。
えきログちゃんねる
[阪急淡路駅接近メロディ]京都線特急京都河原町行き@2号線201510
[阪急淡路駅接近メロディ]京都線特急大阪梅田行き@5号線201510
[阪急淡路駅接近メロディ]千里線各駅停車天下茶屋行き(地下鉄堺筋線直通)@4号線201510