文字通り、関西と世界を結ぶハブ空港・関西国際空港の玄関口である、南海空港線の1面2線の地上駅で、隣接するJR関西空港駅と共に第1回近畿の駅百選認定駅。
空の玄関口にふさわしい、広大かつ開放的なホームが魅力で、JR関西空港駅とは改札内での行き来は出来ないが、隣接するホームからJR線の列車見物に加え、改札内コンコースでは回収された30万枚もの切符で再現された往年の名画も楽しめる。
駅はもちろん、意匠性で世界的に評価の高い空港ターミナルビルも、そこにいるだけで何とも言えない開放的な爽快感が味わえる、魅力的な空間となっている。
外観・駅周辺
関西と世界を結ぶ玄関口・関西国際空港へのアクセス駅として、第1回近畿の駅百選に選定された関西空港駅。
手前・青のラインのJRの駅と、奥・赤のラインの南海の駅が横並びに並んでいる。
第一ターミナルビル側に近い南海関西空港駅。南海管理の共同使用駅である隣のりんくうタウン駅と異なり、南海のみの改札となっている。
第一ターミナルビル側から見た、関西空港駅への入り口。
当駅の開業は関西国際空港と同じ1994年(平成6年)だが、空港関係者輸送のため、開港3か月前の6月に先行開業した。
地上4階建ての開放的な眺望が魅力の第一ターミナルビル。
開港当初は「旅客ターミナルビル」だったが、LCC専用の第2ターミナルビル開業に伴い、2012年(平成24年)に現名称に変更された。
その第1ターミナルビル4階の国際線出発口。
イタリアの建築家レンゾ・ピアノが設計した、飛行機の翼をイメージした独特の円弧上のアーチ屋根が魅力で、デザインだけでなく効率的に空調が回せる環境面にも配慮された設計となっている。
その4階外から見た第1ターミナルビルの外観。
その独特の風貌やサービスの高さ、そして完全な海上空港という珍しい立地も相まって、国外から高い評価を受けている。
日本初の完全人工島からなる海上空港である関西国際空港は、日本初の24時間運用を行った空港でもある。
経営面では様々な課題を抱えているが、訪日客やLCC就航便の増加等の影響により、国際ハブ空港としての地位は向上しつつあるようだ。
改札口・コンコース
南海関西空港駅の改札は、コンコース南側、第1ターミナル寄りにある。
その改札を後ろに振り替えると、切符売り場も南海とJRで並んでいる。
日本語よりも英語表記の方が多い。さすが海外からの玄関口だけあって、インバウンド需要への対応がしっかりとなされている。
日本語・英語の二か国語表記のみのJRに対し、南海側は中国語とハンブルにも対応した四か国語表記が特徴的だ。
改札口を改札内より望む。
南海は、大手私鉄では珍しく、現在でもパタパタ式の発車案内板を使い続けている粋な鉄道会社だ。
共同使用駅である隣のりんくうタウン駅と異なり、当駅は南海とJRで完全に分断されており、改札内コンコースも中央の仕切りを境に左側が南海、右側がJRとなっている。
その南海側の改札内コンコースには、なんば駅で回収した切符を使って制作された「切符deアート」が展示されている。
往年の名画が約32万枚もの切符で手作業により再現された力作だ。
時刻表
空港線:なんば方面
当駅始発の電車はすべて泉佐野から南海本線に乗り入れてなんばまで向かう。
日中は有料特急ラピートが毎時2本と空港急行が毎時4本の計毎時6本の運行形態。
JR関空快速のライバルとなる空港急行は、ロングシート車だが、新今宮・なんば方面への速達性では関空快速に勝っている。
乗り場
当駅は橋上駅で、コンコースから降りた1階がホームになっている。
ホームは島式1面2線で、ホーム幅はかなり余裕を持った作りとなっている。
南海仕様の駅票。隣国にやさしい四か国語表記となっている。
改札・コンコースも並んでいるので、当然その下にあるホームも南海とJRで並んでいる。
当駅は10両対応の長いホームとなっているが、日中は最大でも6両編成がほとんどのため、ホームの真ん中以降は広大な未使用空間が拡がる。
そして、その先には長い引上げ線があり、、、
南海特急ラピート号は一旦この引上げ線に引き上げてから、再度入線する。
その50000系特急ラピートβなんば行きが、引上げ線から1番線に入線してきた。
その横顔。急増する訪日客向けのイメージキャラクター「関空戦士・ラピートルジャー」のステッカーが光る。
2番線に停車中の1000系空港急行なんば行きとの並び。ラピート用50000系はその独特の風貌から「鉄人28号」の異名を持つ。
そして、次のラピート号は、2016年(平成28年)5月までの期間限定ラッピング車・銀河系ラピート「スターウォーズ/フォースの覚醒」号だ。
独特のフォルム、ラピートルジャー、そしてこのラッピング車。特急ラピートはその大胆な施策で南海の話題作りに多いに貢献している。
その向かいの2番線に停車中の1000系空港急行なんば行き。特急ラピートの5分後に発車し、終点なんばまで先着する。
その2番線ホームからJR線ホーム方向を望む。のりば番号は南海・JRで通しで設定されており、JR線は3・4番線となっている。
今度は、JRの3番線ホームから、南海2番線に停車中の1000系を望む。
そして、2番線に到着した当駅止まりの南海50000系特急ラピートと、3番線で発車待ちのJR225系の関空快速大阪方面行きとのコラボ。
関西空港駅は、南海・JRともに他の両社の駅とは異なる独自の構内放送が展開されるのが特徴だ。
ホームりんくうタウン寄りは、やや武骨な感じとなっている。
2番線に到着した特急ラピートは一旦引上げ線に引き上げてから、再度1番線に入線してくる。
空港急行は引上げ線には引き上げず、到着したホームからそのまま折り返す。
今度の1番線に停車中の空港急行なんば行きは、2代目8000系だ。
その横顔。JR関空快速と再び交わる新今宮までは約40分。関空快速よりも10分以上早く到着し、速達性ではこちらの軍配が上がる。
当駅ーりんくうタウン間は南海とJRが同じ線路を共有し、日本最大のトラス橋・関西国際空港連絡橋(スカイゲートブリッジR)を渡っていく。
えきログちゃんねる
[南海関西空港駅入線風景]50000系特急ラピートβなんば行き201601
特急ラピートは折り返しをせずに一旦駅奥の引上げ線に引き上げてから再度入線し直します。
[関西空港駅]JR281系関空特急はるか号入線&南海50000系特急ラピートβ発車201601
JR281系関空特急はるか号入線@4番線
⇒南海50000系特急ラピートβなんば行き発車@1番線
[南海関西空港駅入線発車風景]1000系同士のコラボ・空港急行なんば行き201601
1番線に1000系の折り返し電車入線直後に2番線から同じ1000系の空港急行が発車します。