アベノの中心・天王寺駅から一駅西にある大阪環状線と大和路線の2面4線の高架駅で、南海・阪堺・大阪地下鉄との乗換駅でもある交通の要所。
ほぼ同位置にある地下鉄動物園前駅同様に、大阪が世界に誇るレトロな歓楽街・新世界は、当駅から東に徒歩圏内の場所にある。
その一方で、駅前には不自然に広い空き地や日払い可能アパート等、日雇い労働者の街・あいりん地区を象徴するディープな街並みが広がっており、綺麗にリニューアルされた駅構内とのモノ凄いギャップが味わえる。
目次
外観・駅周辺
日雇い労働者の街として知られる・あいりん地区北東端に位置する太子交差点。右手に北側にJR新今宮駅の高架、左奥の高架が南海新今宮駅。
ここから少し西に進んだところにある、阪堺線の新今宮駅前駅。
明治時代よりある歴史ある駅で、2014年(平成26年)に急増する外国人観光客対応のため、南霞町駅から現駅名に改称された。
阪堺線の駅はJR新今宮駅東口に隣接している。東口の北側にある恵美須東3南交差点。
その交差点の北東角に君臨するパチンコ・マルハンの新世界店と地下鉄動物園前駅入り口。
かつてこの地にあった都市型立体遊園地・フェスティバルゲートが経営悪化による閉園後、マルハンが入札して改築したもの。2階にはMEGAドン・キホーテも入居している。
そして、そのマルハン新世界店から東に進むと、フェスティバルゲートと同時期に開業した、世界の大温泉・スパワールドがある。経営破たんしたフェスゲを尻目に黒字経営を続けている。
さらに駅北東には、上野動物園に次ぐ日本第2位の規模を誇る天王寺動物園や、
大阪が世界に誇るレトロな歓楽街・新世界も控えている。見事な眺望の通天閣方向に向かえば、地下鉄・阪堺の恵美須町駅もすぐそこだ。
一方、JR新今宮駅ホームから北側を眺めると、さきほどの歓楽街の盛況をよそに、交通の要所である駅前にも関わらず、不自然に広大な空き地が広がっている。
そして、駅南側はあいりん地区のご本山である釜ヶ崎の街並みが並ぶ。
駅南側の西成署につながる通り。駅北東方面以外は、ディープ感漂う空間が広がっている。
改札口・コンコース
駅3階にある西口コンコース。当駅は1964年(昭和39年)に国鉄大阪環状線の大正ー天王寺間の新駅として開業した、大阪市内のJR(国鉄)の駅にしては比較的新しい駅だ。
西口コンコースは、JRと南海で共有されており、左側がJRの切符売り場で、右側が南海の切符売り場となっている。
JRの改札内より西口コンコースを望む。構内改札でつながっている鶴橋駅ほどでないが、駅の外に出ることなく乗り換えが可能な構造だ。
当駅の駅名の由来は、隣の今宮駅と同じく、この付近にある今宮戎神社から来ているらしいが、当神社には南海今宮戎駅あるいは地下鉄・阪堺恵美須町駅の方が近い。
阪堺新今宮駅前駅に隣接し、地下鉄動物園前駅との乗り換えにも近い東改札。
当駅開業当時、隣の今宮駅を廃止する計画があったが、反対が激しく存続となったようだ。
時刻表
大阪環状線内回り:天王寺・鶴橋・京橋方面
大阪環状線内を走る電車は、日中1時間当たり12本だが、その3分の2が快速で、天王寺から大和路線及び阪和線に入るので、天王寺以遠も環状線に残る普通電車は4本のみとなった。
大阪環状線外回り:弁天町・西九条・大阪方面
逆に外回り線は、快速も運行形態に含まれるので、日中1時間当たり12本のうち、環状線内普通電車、阪和線からの関空・紀州路快速、そして大和路線からの大和路快速がそれぞれ4本ずつとなっている。
快速は、当駅を出ると、大正・西九条・福島・大阪に止まり、大阪以遠は各駅に停車して天王寺が終点となる。
大和路線・阪和線・関西空港線:奈良・関西空港・和歌山方面
この時刻表は、環状線からやってくる大和路快速、関空・紀州路快速に加え、JR難波駅始発の大和路線の電車も含まれている。
日中時間帯は、環状線からの大和路快速、関空・紀州路快速が毎時4本、JR難波始発の王寺行き普通が毎時4本に、同駅始発の快速電車が毎時2本加わる。
大和路線:JR難波方面
今宮から環状外回り線と分岐してJR難波に向かう電車は、日中1時間あたり普通が毎時4本、快速が毎時2本の計6本体制となっている。
乗り場
【1番のりば】大阪環状線内回り:天王寺・鶴橋・京橋方面
ホームは島式2面4線。2013年より開始された大阪環状線改造プロジェクトによって、きれいにリニューアルされている。
同プロジェクトによって一新された、外側の1・4番線に掲げられている環状線仕様の駅票。
日中は、環状線内普通電車が外側の1番のりば、天王寺から大和路線及び阪和線に入る電車が2番のりばから発車している。
この付近によく見かける日払い可能な「大隅アパート」。ドヤ街を象徴する建造物が駅前に堂々と君臨している。
阪堺線は当駅の下を南北に走る。写真は恵美須町駅から来た我孫子道行き。20分間隔の運行だ。
1番のりばにやってきた今も現役国電車103系の天王寺・鶴橋方面に向かう環状線内普通電車。
次の1番のりばの環状線普通電車は201系。リニューアルされて綺麗になったホームと、駅北側に拡がるディープ感満載の空き地とのギャップが凄い。
その201系の横顔。体質改善されて綺麗になっている。まだまだ現役で頑張れそうだ。
当駅高架下を走る阪堺線の線路を北方向に望む。終着駅の恵美須町駅は、ここから600mほどの距離だ。
【2番のりば】大和路線・阪和線・関西空港線:奈良・関西空港・和歌山方面
内側線の2番のりばは、公式には大和路線(関西本線)の駅なので、大和路線仕様の駅票となっている。
ドヤ街の宿泊費の安さと関西一円の観光スポットに行ける立地の良さが相まって、外国人のバックパッカーの姿をよく見かけるのも特徴だ。
2番のりばに到着した223系関空・紀州路快速。天王寺から阪和線に入り、前4両が関西空港に、後4両が和歌山に向かう。
次の2番のりばは、221系の大和路快速・奈良方面加茂行きが到着。
その横顔。当駅の利用客数は、南海との乗換客を中心に1日約13万人。20年前は17万人を超えていたが、減少傾向となっているようだ。
2番のりばは天王寺から阪和線に入る特急も通過していく。写真は281系関空特急はるか号・関西空港行き。
次に2番のりばにやってきたのは、JR難波駅始発で王寺から和歌山線に入って高田まで向かう快速電車が到着。短い4両編成で、30分間隔の運行だ。
そして、大和路線・JR奈良線仕様のウグイス色塗装の205系普通王寺行きが、2番のりばにやってきた。
関空・紀州路快速には、最新車両の225系も使用されている。
大阪環状線改造プロジェクトで誕生した、沿線風景や名所等をモチーフにした「OSAKA POWER LOOP」ラッピング車にも遭遇できた。
【3・4番のりば】大阪環状線外回り:弁天町・西九条・大阪方面/大和路線:JR難波方面
南海新今宮駅は、ホーム西寄りにあるので、人の流れはそちらに向かう。南海新今宮駅の開業は、当駅開業から2年後の1966年(昭和41年)。
阪堺新今宮駅前駅同様、路上生活者の滞住防止の目的で、立ちベンチとなっている。よく見ると、向こう側の1・2番のりばにもベンチが一切無いことに気付く。
4番のりばホームから見える南海新今宮駅の高架と、ここのシンボル・あいりん労働福祉センターの姿が。
そんなディープな周辺風景をよそに、綺麗にリニューアルされた駅に、綺麗な新型車両がやってくるというギャップがすごい。到着したのは、223系の関空・紀州路快速の大阪方面行き。
次の3番のりばは、205系の普通電車・JR難波行きだ。
開業当時は相対式2面2線の駅で、環状線の電車のみが停車していたが、1968年(昭和43年)に現在の2面4線構造になり、関西本線(現大和路線)の電車が停車するようになったのは、1972年(昭和62年)からのことらしい。
そして、3番のりばに、阪和線からやってきた287系特急くろしお号京都行きが通過。梅田貨物線を経由して大阪駅を通らずに新大阪駅からJR京都線に入る。
外側4番のりばには、205系の環状線内普通電車が到着。ダイヤ改正で1時間に4本のみという希少な存在となった。
4番のりばからは、あべのハルカスの姿がうっすらと垣間見える。
大和路快速は外側4番のりばに到着する。大阪まで快速運転を行った後、終点天王寺まで各駅に止まって戻ってくる。
ホーム東端から北東方向を望むと、周辺環境に似つかわしくない現代的な建造物である、世界の大温泉・スパワールドの姿が見える。
えきログちゃんねる
[JR新今宮駅接近メロディ]関空紀州路快速:関空・和歌山行き@2番のりば201510
[JR新今宮駅接近・発車メロディ[新世界]]大阪環状線普通天王寺・鶴橋方面行き@1番のりば201510
駅近くにある歓楽街「新世界」にちなんで、発車メロディはドヴォルザークの「新世界」です。
[JR新今宮駅接近メロディ]大和路快速奈良方面加茂行き@2番のりば201510
[JR新今宮駅接近メロディ]大和路快速「大阪方面」行き@4番のりば201510