北千里駅[阪急]（大阪府吹田市）～廃止された延伸計画の名残を残し、千里ニュータウンの北の玄関口にふさわしい美しい景観が魅力的な千里線の終着駅～

 

日本最初の大規模ニュータウンである千里ニュータウンの北の玄関口として、1967年（昭和42年）に新千里山駅（現・南千里駅）より延伸・開業された千里線の相対式２面２線の高架駅。

計画当初は、当駅ではなく南西に２キロ離れた千里中央駅へ向かう予定だったが、大阪府の要請により当地へのルートに変更された経緯がある。

また、開業当初は頭端式の駅だったが、1970年（昭和45年）の大阪万博への増便対応で北側に留置線を伸ばした名残が現在まで残っており、同線を利用した箕面市東部への延伸計画も存在したが、現在は廃止され、その任は同じ阪急グループである北大阪急行が担う予定となっている。

日本最初の自動改札機が導入された駅としても有名で、ニュータウンの表玄関にふさわしい人工美と自然美が調和した美しい景観も魅力的な駅である。

外観・駅周辺

千里線の前身・北大阪電鉄が十三ー豊津間を開業させた1921年（大正10年）から遅れること約半世紀、1967年（昭和42年）に開業した北千里駅。

 

日本最初の大規模ニュータウンとして開発された千里ニュータウンの北の玄関口としての使命を帯びた当駅の西側は、その名にふさわしい広大な駅前広場。

イオン・大丸ピーコック・阪急オアシス等を擁し、1994年（平成6年）に開業した大規模複合施設・ディオス北千里は、当地の中核的シンボルとなっている。

 

 

1967年（昭和42年）に当時の終着駅であった新千里山駅（現・南千里駅）から延伸されたが、当初は同駅から北西に千里中央駅を経由して箕面線の桜井駅に延伸させる計画だったらしい。

 

駅北側を東西に走る三色彩道から駅前広場方向を望む。

しかし、その計画は、大阪府の要請によって現ルートに変更され、同延伸を機に路線名も千里山線から現在の千里線に変更された。

ちなみに北急・千里中央駅が開業したのは当駅開業の３年後、大阪万博開幕直前の1970年（昭和45年）2月のことである。

 

上の写真の場所から、三色彩道を西方向に望む。

この街道は吹田市内随一の紅葉の名所とされ、ここから千里中央までは約２キロほどの距離だ。

 

 

今度は、反対側の東方向を望む。駅から先に向かう留置線の向こう側は、戸建てが並ぶ藤白台地区の高級住宅街が見える。

 

 

その藤白台方面にある駅東側入り口。

 

 

南北に走る千里けやき通りを挟んだ東側には、ニュータウン開発時に建てられた大規模集合住宅・千里藤白台住宅が立ち並ぶ。

 

 

上の写真の場所から北方向を望む。奥に見える白い大きな建物が有名な国立循環器病センター。

現在は当駅から車で５分ほどの位置にあるが、2018年（平成30年）を目途に、JR京都線（東海道本線）の岸部駅前の吹田操車場跡地に移転することとなっている。

 

 

駅北東側にある北千里駅前交差点から東方向を望む。

戸建てが並ぶ藤白台の高級住宅街の奥にある大阪大学吹田キャンパスは、徒歩15分ほどの距離にある。

 

 

駅北側から伸びる留置線。開業から３年後の1970年（昭和45年）に開催された大阪万博への増便対応の名残らしい。

 

 

その車止め方向を望む。また、この留置線は、千里ニュータウンのさらに奥にある箕面市東部までの延伸を見据えていたものでもあったようだ。

 

 

しかし、現在では延伸計画は廃止され、大阪市内から箕面市東部への延伸は、同じ阪急グループの北大阪急行が千里中央駅から北に延伸させる形で行うことになる予定だ。

 

バスターミナル

千里ニュータウンの北の玄関口である当駅は、阪急バスが大規模なバスターミナルを構え、ニュータウン各地へと路線を走らせている。

 

特に、当停留所ー千里中央間は旗艦路線となっており、経由地の異なる複数の路線が、千里中央に向けてひっきりなしに発着している。

 

改札口・コンコース

改札口は、ディオス北千里の１階にある。

 

 

当駅は、1967年（昭和42年）3月の開業と同時に、日本で最初に自動改札機が設置された駅としても有名だ。

 

 

その改札口を入ったところには、フルカラーLED仕様の発車案内板が設置されている。

 

 

改札内コンコース。当駅の利用客数は１日約３万人。

地下鉄御堂筋線と直結し、モノレールとの乗換駅ともなっている千里中央駅に比べると３分の１程度だが、千里線内では関大前に次ぐ利用客数を誇っている（京都線と接続する淡路駅を除く）。

 

時刻表

千里線：大阪梅田・天下茶屋方面

日中の運行体系は10分間隔で、淡路から京都線に入って梅田に向かう電車と、千里線の終点・天六から地下鉄堺筋線の終点・天下茶屋に向かう電車が交互に運行されている。

両方面とも20分に一本ずつだが、淡路で京都線からやってくる各駅停車と接続を行うため、実質的に両方面共に10分に1本が確保されている。

ラッシュ時は地下鉄堺筋線系統を中心に増発される。

 

乗り場

【１号線】千里線：大阪梅田方面

当駅は終着駅にも関わらず相対式２面２線構造となっている。これは、前述の延伸計画が存在したことによるものらしい。

 

 

現在はその計画は無くなったため、ホームごとに行先を分けることで、相対式であることの不便性を軽減させている。

 

 

ホーム北端から、留置線方向を望む。

開業当初は、相対ホームながらこの先頭部分が頭端式になっており、ホーム間の行き来が出来たらしい。

 

 

ホーム中ほどの改札口への連絡階段付近は、敷地が広くとられている。

 

 

１号線に、3300系の各駅停車大阪梅田行きがやってきた。

 

その横顔。2300系引退の今、京都線系統では最古参となった、独特の走行音が魅力的な形式だ。

 

 

ホーム南端から、淡路・天六方面を望む。ここから次駅の山田駅にかけての東側は、見晴しの良い絶景が楽しめる。

 

【２号線】千里線：天下茶屋（地下鉄堺筋線）方面

２号線からは、地下鉄堺筋線に乗り入れる電車が発車する。

 

 

２号線に停車中の大阪市交66系・天下茶屋行きの横顔。淡路で、京都線からやってくる各駅停車梅田行きと接続を行う。

 

２号線ホームから駅東側を望む。千里けやき通り沿いに並ぶニュータウンの開放的な眺望が楽しめる。

 

 

同じ場所から北東方向を望む。区画整理された人工的美と北摂連山の自然美のマッチングが美しい。

 

 

その２号線に、3300系の天下茶屋行きがやってきた。

現在は京都線でも大活躍中だが、元々は地下鉄堺筋線への乗入れ用に開発された形式だ。

 

その横顔。当駅開業と同じ年に製造されたベテラン戦士だが、美しく光るマルーンのボディは今でも健在だ。

 

 

その美しいお顔を拝見。当駅は始発駅なので、始発駅仕様の発車案内放送と発車ベルが流れる。

 

 

ついでに運転席ものぞいてみる。今では少なくなった２ハンドル車。内装はリニューアルされており、まだまだ現役で頑張ってくれそうだ。

 

えきログちゃんねる

[阪急北千里駅接近メロディ]各駅停車大阪梅田行き＠１号線201511

北千里駅は、相対式２面２線構造の駅なので、次列車の発車案内が放送される阪急では珍しい駅です。

 

[阪急北千里駅発車風景]3300系各駅停車大阪梅田行き201511

 

[阪急北千里駅入線風景]3300系天下茶屋行き（地下鉄堺筋線直通）201511

 

[阪急3300系独特の走行音]天下茶屋行き（北千里⇒山田）ｗ始発駅ver発車放送201511

乗換え