大阪府摂津市最大の駅・JR千里丘駅から南に500mの位置に2010年(平成22年)に開業した、京都線の相対式2面2線の地上駅。
元々重電8社の一角であるダイヘンの摂津事業所跡地に位置し、摂津市が進める「南千里丘まちづくり構想」の目玉事業として開業した新駅。
日本初の「カーボン・ニュートラル・ステーション」であり、CO2実質排出量ゼロにするための様々なエコ技術が結集され、シンプルながら時代の要請に沿った新しいコンセプトの駅舎となっている。
また、駅周辺は「持続可能な低炭素社会」を実現するために、緑化を中心としたまちづくりが展開されており、かつての「産業色」満載の雰囲気が「ダイヘン」の撤退で「ダイヘンボウ(大変貌)」を遂げた。
外観・駅周辺
大阪府摂津市が進める「南千里丘まちづくり」構想の目玉事業として2010年(平成22年)に開業した摂津市駅。
元々は重電8社の一角であるダイヘンの摂津事業所のあった場所だが、当事務所の六甲アイランド移転に伴い再開発が行われた。
その摂津市駅東口にある駅前広場。摂津市の公共施設の移設と共に三井不動産によるタワーマンションの開発も行われ、大変貌を遂げた。
そして、写真左側にある階段を登ると、、、
「屋上庭園」が設置されており、ご覧のような開放的な眺望が堪能できる。
その屋上庭園から駅北西方向を望む。JR千里丘駅はここから約500mほどの距離にあり、その奥には千里丘陵を開発した住宅地が拡がっている。
そして、庭園東側に沿って南北に走る都市計画道路・千里丘三島線(通称・産業道路)の光景も一望できる。
再開発前は産業道路の名に違わない産業色の雰囲気満載の周辺環境であったが、「ダイヘン」の撤退により「ダイヘンボウ(大変貌)」を遂げた。
その産業道路に沿って流れる境川は、「境川せせらぎ緑道」として整備された。この遊歩道を1キロほど進むと、摂津市役所のある大阪モノレール摂津駅につながる。
そして、駅東側を走る産業道路踏切沿いには、駅開業に合わせて「阪急摂津市」停が設けられた。
その産業道路を北に進むと、、、
道路から少し奥まったところにある勝久寺。
1580年(天正8年)に織田信長の焼き討ちにあって、多数の門徒衆が命を落とした場所であり、寺の前を流れる境川が血の色に染まったことから「流れの馬場」と呼ばれるようになった。
そして、さらに産業道路を北上すると摂津市最大の駅であるJR京都線の千里丘駅にたどり着く。摂津市駅からは約500mほどの距離にある。
改札口・コンコース
メインの改札口となるのは駅前広場有する東口。2010年(平成22年)開業の新駅ということもあってか、吹き抜け構造の開放感が印象的な改札口だ。
その東改札は大阪方面行きの2号線ホームに直結したコンパクトな設計となっている。
反対側の京都方面行きの1号線とは地下道で連絡しており、当駅開業に際して運行された「カーボン・ニュートラル・トレイン・摂津市駅号」のポスターが掲げられている。
摂津市駅は、「南千里丘まちづくり構想」の目玉となった事業だが、そのコンセプトである「持続可能な低炭素社会」を実現すべく、日本初の「カーボン・ニュートラル・ステーション」として、二酸化炭素(CO2)排出量をゼロにするための様々な工夫が施されている。
そして、京都方面行きの1号線ホーム北端には、西改札が設置されている。
時刻表
京都線:大阪梅田・天下茶屋・京都河原町方面
当駅は優等が一切停まらない駅で、普通のみが日中10分間隔で運行されている。
京都方面の日中はすべて高槻市止まりとなっており、高槻市へは茨木市で準急に、河原町方面には同駅で特急への乗換えを要する。
大阪方面行きは、大阪梅田行きと、淡路から千里線・地下鉄堺筋線方面に乗り入れる天下茶屋行きが交互に運行されている。
普通は正雀駅で特急・準急のダブル通過待ちを行うため、終点まで先に到着するダイヤとなっている。
乗り場
ホームは相対式2面2線の構造。
現在は地上駅である当駅だが、駅東側を走る産業道路の混雑回避のため、2033年度(平成45年)を目途に高架化される予定となっている。
当駅は摂津市の中心市街地にあるわけでも、官公庁が近いわけでもないが、同市のまちづくり構想に基づく新拠点となることへの期待を込めて、この駅名に決定したらしい。
いずれ高架化されることを見越してか、ホームはシンプルな造りとなっている。
そして、当駅の特徴である「カーボン・ニュートラル・ステーション」としての様々な取り組みは、このように目に見える形で発信されている。
太陽光発電やLED照明等で当駅に起因するCO2排出量を54%削減し、残りの46%は排出枠購入等の方法で相殺することによって、実質的な排出量をゼロにする公算らしい。
その緑化の美しい2号線に、京都線最古参となった3300系普通天下茶屋行きがやってきた。淡路から千里線を経由して地下鉄堺筋線に乗り入れる。
その天下茶屋行きと、反対の1号線ホームにやった来た高槻市行きが3300系同士で並んだ。独特の走行音が魅力的な阪急京都線の顔である。
阪急京都線としては2003年(平成15年)の洛西口駅以来7年ぶりの新駅開業となった摂津市駅は、阪急が開業させたれっきとした阪急の駅である。
しかし、阪急京都線自体は、元々淀川左岸に路線を走らせていた京阪が、他社による右岸での京阪間高速路線建設を懸念して、新京阪線として自ら敷設した京阪本線防衛のための路線であったというのは、今となっては知る人ぞ知るトリビアとなっている。
当駅は優等が一切止まらない駅なので、9300系特急梅田行きは、爆速で通過していき、先に発車した普通を次の正雀駅で追い抜かす。
その特急の後を追って、5300系の準急梅田行きが、これも爆速で通過していく。
当駅は優等が止まらない駅だが、駅案内放送は種別・行先・乗換案内含めた詳細な放送が流れる。
そして、その後にやってきた1300系普通大阪梅田行き。
終点まで先着する旨の放送がなされるが、次の正雀駅で特急・準急のダブル通過待ちで5分ほど停車するため、大阪・梅田までは約27分と、競合のJR千里丘駅の倍の時間を要する。
当駅の利用客数は1日約1万人。前述の状況から競合のJR千里丘駅の4分の1程度に留まるが、開業当初から比べると約2割ほど増加している。
1号線に、今度は非更新車の3300系・高槻市行きがやってきた。茨木市で特急・準急のダブル待ち合わせを行う。
その普通の後を追って、5300系準急河原町行きが爆速で通過していく。
そして、次の普通高槻市行きは5300系でやってきた。3300系に次ぐ京都線での大ベテラン車だ。
ホーム南端から正雀・淡路・梅田方面を望む。元々高速輸送目的で敷設された路線だけあって、まっすぐ伸びる線形が美しい。
えきログちゃんねる
[阪急摂津市駅]1300系普通梅田行き入線風景(接近放送付き)201602
摂津市駅は優等が全く停車しない駅ですが、接近放送は優等停車駅並みの詳細放送が流れます。
[阪急摂津市駅]9300系特急梅田行き爆速通過風景201602
[阪急摂津市駅]3300系非更新車準急梅田行き爆速通過風景201602
[阪急摂津市駅]独特の走行音が魅力の3300系高槻市行き発車風景201602