京都地下鉄西端に位置し、同線開通から11年後の2008年(平成20年)に開業した東西線の1面2線の地下・終着駅である難読駅。
当駅開業に合わせて嵐電の新駅・嵐電天神川駅が設置され、京都市内や大津方面から嵐山へのアクセス利便性が高まる効果をもたらしている。
また、立派な複合施設や駅前バスターミナルも整備され、京都市右京区の新たな交通・経済の拠点となっている。
構内は地下鉄東西線標準仕様の造りであるが、ステーションカラーであるレモン色の鮮やかさが他駅には無いビビッドな味わいを出している。
外観・駅周辺
2008年(平成20年)に延伸された地下鉄東西線・太秦天神川駅開業に合わせて建設された複合施設・SANSA(サンサ)右京。
上の写真の場所から東方向を望む。この御池通りの地下を地下鉄東西線は走っている。
サンサ右京には、商業施設の他、右京区の行政施設に相次いで入居し、右京区役所内からは西山の開放的な眺望が楽しめる。
サンサ右京面する三条通りにある嵐電天神川駅は、当駅の開業に合わせて設置された駅で、1世紀以上の歴史を誇る嵐電の駅の中では最も新しい駅だ。
その嵐電天神川駅の全景。当駅は併用軌道上にあるが安全地帯ではなく立派なプラットホームが設置されている珍しい構造となっている。
その嵐電天神川駅ホームから、三条通り東方向・山ノ内電停方面を望む。ここから専用軌道となっているが約400mほど進むと再び併用軌道に出る。
そこから三条通りを東に進むと、通り南側に猿田彦神社の存在を発見。
当社は「山ノ内庚申(やまのうちこうしん)」と呼ばれる京洛中三庚申の一つとして知られる歴史ある神社。
文字通り「サル」の姿をした猿田彦大神が、道ひらきの神・人生の道案内の神として開運除災・除病招福をもたらすとして崇められている。
本殿を覆う壮大なクスノキは、「庚申楠」と呼ばれ樹齢700年を超える右京区民誇りの木と称されている。
「見ざる・言わざる・聞かざる」の三神猿は世の諸悪を排除して開運招福をもたらす崇高な御新教を示すものらしい。
バスターミナル
京都地下鉄西端に位置する当駅は、嵐山方面に向かう嵐電との乗換駅だけではなく、阪急桂駅や高雄方面に向かうバスの拠点ターミナルともなっており、改札前には京都市バスのロケーションシステムが設置されている。
駅前広場、SANSA(サンサ)右京前には当駅開業に合わせてバスターミナルが設置された。
市バス2路線が新設されたことに加え、既存6路線も当駅を経由するよう経色変更され、右京区の新たな交通の要衝となっている。
改札口・コンコース
三条通り上にある嵐電天神川駅から当駅への乗換えは、写真右側の3番出入口への連絡階段を利用する。
その連絡階段の先には非常に開放的な空間が拡がっており、、、
駅への入り口だけでなく、地下駐輪場となっている。
上の写真の場所から地下に降りると、京都地下鉄東西線標準仕様の駅コンコースに出る。
改札内コンコース。
地下鉄東西線は、1997年(平成9年)に醍醐ー二条間で開業し、2004年(平成16年)に東行きが六地蔵まで延伸され、当駅までの西側の延伸は2008年(平成20年)に行われた。
京都地下鉄では終電の利用の多い金曜日に終電を延長・増発させる取り組みを2015年(平成27年)10月より始めており、PRキャラクターとして、地下鉄・市バス応援キャラクターである「太秦萌(うずまさもえ)」の姉「太秦麗」を登場させた。
京都地下鉄では利用客5万人増を目指した「燃え燃えチャレンジ班」による地下鉄・市バス応援キャラクターが作成されている。
写真は小野ミサさん17歳。太秦萌さんの幼なじみで萌さんとは土日に地下鉄に乗って買い物に行くらしい。
時刻表
東西線:烏丸御池・六地蔵・浜大津方面
地下鉄東西線の運行体系は市交車両6両編成の六地蔵行き:8本と京阪車4両編成の京阪浜大津行き:2本の計毎時10本体制。
途中の京都市役所前駅からは京阪浜大津行きが2本加わり、計毎時12本となる。
地下鉄東西線の開通の伴い、重複区間となる京阪京津線の京津三条ー御陵間が廃止され、京津線は御陵から地下鉄東西線に乗り入れることとなった。
乗り場
地下鉄東西線のホームは、京阪京津線との接続駅である御陵駅以外は、すべて島式1面2線に統一されている。
そして、各駅にはステーションカラーが設定されており、当駅は鮮やかなレモン色となっている。
当駅は地下鉄東西線標準仕様の駅構造となっているが、この鮮やかなレモン色が、他駅には無いビビッドな味わいを醸し出している。
また、完全防備のフルスクリーン型のホームドアが全駅に設置されているのも地下鉄東西線の特徴。
現在であればコストが安く工期短縮が可能な可動式ホーム柵の採用が出来たが、東西線建設当時の20世紀末はまだ開発段階にあり採用できなかったらしい。
写真はホーム終端部であるが、すべての駅が同じ構造をしているため、中間駅と見た目は全く変わらない。
しかし、上の写真左奥の小さな窓から、車止めの存在を確認することが出来る。
当駅からさらに西へ、洛西ニュータウン方面への延伸構想があるが、具体化の目処はたっていないようだ。
ホーム東端の西大路御池・烏丸御池方面は、ホーム幅が狭くなっている。
当駅の利用客数は1日約14000人。当駅で嵐電と接続することで、京都市内や浜大津方面から嵐山・嵯峨野へのアクセス利便性が高まった。
ステーションカラーが施された駅票。完全防備型ホームドアのため、写真に収めるのは車内からでないと難しい。
浜大津へ向かう京阪京津線の電車は、開業当初は京都市役所前までの乗入れであったが、要望が多かったため、半分が当駅まで乗り入れるようになった。
京都地下鉄では各駅に副駅名が設置されているが、これは実は掲示のみの広告で、放送で案内されることは無い。京都地下鉄増収策の一環である。
1番のりばに、折り返し市交車50系の六地蔵行きがやってきた。完全防備形ホームドアのため、残念ながらその全貌を拝見することは出来ない。
向かい側の2番のりばには、京阪700系の浜大津行きが入線。京阪京津線に乗り入れる車両はすべて京阪車で運行される。
京阪車は短い4両編成でホームの西端に停車する。
そのため、東側2両分は電車が停車しないため、当然ホームドアも閉じられたとなる。
京阪700系の1両目と4両目は地下鉄では珍しいクロスシートが設置されており、快適な乗車空間が味わえる。
えきログちゃんねる
[京都地下鉄太秦天神川駅入線放送・終着駅ver]東西線六地蔵行き@1番のりば
当駅は京都地下鉄東西線の終着駅のため、他の中間駅とは放送内容が異なります。
[京都地下鉄太秦天神川駅入線放送・終着駅4両ver]折返し京阪浜大津行き@2番のりば201601
[京都地下鉄車内放送]東西線六地蔵行き(太秦天神川⇒烏丸御池)201601