淀川を渡って大阪・梅田に行けない新幹線との連絡のために1964年(昭和39年)に開業した、JR京都線(東海道線)の駅で、第4回近畿の駅百選認定駅。
在来線は4面8線を有する地上駅で、長らく新快速通過駅であったが、1985年(昭和60年)に全営業列車停車駅に昇格。現在では、当駅から梅田貨物線に入るために大阪駅を経由しない、特急はるか号・くろしお号との接続駅ともなっており、新幹線同様ターミナル機能を増している。
また、コンコース整備やおおさか東線用ホーム建設等、目下大リニューアル工事を行っており、かつては古くて無機質な印象がぬぐえなかったが一変。改札内は現代風の綺麗な駅舎に生まれ変わり、大阪の玄関口にふさわしく大変貌を遂げている。
目次
外観
新大阪駅西方にあるとあるビルから駅を望む。N700系さくらが出発。その下を南北に走っているのが新御堂筋と御堂筋線の高架駅。
さらにその下に在来線の車庫があるが、681系と287系が休憩中。なかなかの絶景だ。
新大阪が終着のN700系さくらが入線してきた。新大阪駅周辺は、マンションとオフィスビルが立ち並ぶ、大阪市内屈指のビジネス街となっている。
そして、在来線の車庫には、225系が帰還。1990年代以降再開発が進んでいるが、駅上空が大阪空港の着陸コースに当たるため、新たに建設された高層ビルも高さが100m程度に抑えられているらしい。
新幹線ホームから見た在来線ホームを大阪駅方面に向かって撮影。新幹線同様、在来線ホームも広大でターミナル性を増している。
新幹線南口と在来線東口に直結する2階車乗降場。大量の車とタクシーがひっきりなしに構内になだれ込んでくる。1日平均約3600台ものタクシーが集まるらしい。
上の写真からの場所から目を右の西方向に転じると、大阪地下鉄御堂筋線・新大阪駅の高架ホームの姿も確認できる。
大阪・梅田へは、地下鉄を利用して行くことも出来、ミナミの中心・なんば、アベノの中心・天王寺へも乗り換えなしでたどり着ける。
コンコース・改札口
在来線の改札は駅東口にある。2009年(平成21年)より進められている改良工事で見違えるほど綺麗になった。
その東改札を改札内より。
新大阪駅は、世界初の高速鉄道・東海道新幹線に開業に合わせて1964年(昭和39年)に開業した。
広く開放的な改札内コンコース。
新幹線が大阪・梅田に乗入れなかった理由は、同地域に新幹線ホームの開発余地が無かったことや、将来的な山陽方面への延伸を見込み、在来線のように淀川を二度渡る曲線径路を避けたためと言われている。
上の場所から反対の新幹線乗換口方面を望む。
しかし、それによって広大な敷地が確保できた結果、新幹線の代表駅たる風格が十二分に体現された、広大かつ開放的なターミナルが実現した。
コンコース内に車が展示できるくらい余裕のある空間は、再開発余地の乏しい大阪・梅田に乗り入れていたならば、実現しなかったであろう。
新幹線乗換口から在来線方向を望む。
大阪・梅田に乗り入れなかったことが、当地が大阪市内屈指のビジネス街として発展するという、正の副作用がもたらされた。
そして、これが2015年(平成27年)3月にオープンした改札内の駅ナカ商業施設「エキマルシェ・新大阪」。
関西こだわりの注目度の高い店舗が取り揃えられており、JR西日本改札内商業施設では最大規模を誇るらしい。
一旦改札外に出て、新幹線・新大阪駅の南改札口から在来線東口方向を望む。
地下鉄御堂筋線の新大阪駅は反対の西方向にある。
そして、新幹線南口から西に進んだところにある新幹線中央口。まるで空港ターミナルビルと間違えるくらいの開放感が拡がっている。
時刻表
JR京都線:京都・米原方面
日中時間帯は、新快速・快速:4本/時、普通:8本/時の16本体制。
京都へは爆速・新快速が先着する。新快速より6分先立つ快速は、京都に5分遅れで到着する。
JR神戸線:大阪・神戸方面
こちらも京都方面同様、新快速・快速:4本/時、普通:8本/時の16本体制。大阪・梅田は次の駅なので、来た電車に乗れば5分程度で到着できる。
普通の半分は、尼崎からJR宝塚線に入り、新三田方面に向かう。
乗り場
【11・12番のりば】特急列車:関空・紀州・北陸方面
特急専用ホームの11・12番のりば。
11番のりばからは、はるか・くろしお号の上下双方の列車が発車し、12番のりばからはサンダーバードの北陸方面行きが発車する。
はるか・くろしお号が上下線とも11番のりばから発着する理由は、同線につながる線路が当駅以西単線の梅田貨物線に入るため。
はるか・くろしお号は、ここから梅田貨物線を経由して福島駅付近から大阪環状線に入るため、大阪駅には乗入れない。
従って、新大阪駅は大阪駅よりも特急の発着本数が多い駅となっている。
最も本数の多い関空特急・はるか号は、1994年(平成6年)の関西空港開港時より運行されている。
一方、戦前から運行されている南紀方面行きの特急くろしお号は、長らく天王寺始発であったが、はるか運行開始に先立つ1989年(平成元年)より新大阪・京都への乗り入れを開始した。
12番のりばからは、北陸方面行きサンダーバード号発車する。JR西日本管内では本四連絡特急の次ぐ2番目の利用数を誇る旗艦特急だ。
写真は時速160km運転が可能な683系で、JRグループ発足後に製造された特急車両では最多の車両数を誇る。
225系新快速電車との並び。
サンダーバードは、前身の雷鳥の後継として1995年(平成7年)にスーパー雷鳥(サンダーバード)として登場した。
当初は683系を使用する列車を「サンダーバード」、それ以外を「雷鳥」と分けていたが、2011年(平成23年)に全列車が683系での運転となり、雷鳥は廃止された。
かつては富山・新潟方面へも足を延ばしていたが、北陸新幹線開業に伴い、原則金沢止まりとなった。
【13・14番のりば】JR京都線:京都・米原方面
当駅は4面8線が利用されているが、実質は5面10線の規模となっている。
現在工事中のホームが完成する2018年(平成30年)より、現11・12番のりばにおおさか東線の電車が乗り入れを開始する。
ホーム端から南方向を望む。ここから淀川を渡って大阪駅に向かう。
外側の13番のりばに、223系の快速米原行きが入線してきた。
快速は高槻以遠各駅に停車し、京都には後続の新快速が先に到着する。
今度は内側線の14番のりばに、207系普通京都行きがやってきた。
普通は、京都行きと高槻行きが交互に運行されるが、昼間時間帯は高槻どまりのみとなっている。
ホームもリニューアルされて随分と綺麗になった。再開発で大変貌を遂げた大阪駅と共に、大阪の玄関口にふさわしい風格を帯びている。
特急の11・12番のりばホームと、このホームの間に新しいホームが建設されている。
完成の暁には、北陸方面行き特急サンダーバードの発着ホームとなる。現11・12番のりばは、はるか・くろしおと共におおさか東線の電車が乗り入れる予定となっている。
次に13番のりばにやってきたのは、223系の新快速。京都の山科駅から湖西線に入り、何と福井県の敦賀駅まで向かう。
今では当たり前のように新快速が停車しているが、実は開業から約20年間は新快速が通過していたというトリビアも残されている。
内側線の14・15番のりばに普通電車が並んだ。右側の高槻行きが207系、左側の宝塚方面新三田行きはその後継の321系だ。
ホーム端から北方向を望むと、わずか700mしか離れていない隣の東淀川駅が肉眼ではっきりと確認できる。
計画当初は東淀川駅が新大阪駅となる予定だったが、ルート変更により現位置に設置された。その際東淀川駅は廃止とする方針だったが、地元住民の反対によって存続となったという経緯があるらしい。
【15・16番のりば】JR神戸線:大阪・神戸方面
大阪キタの中心・梅田へはここから淀川を渡って一駅・5分で到着でき、交通の便は決して悪くない。
ちなみに当駅は在来線が11~18番線、新幹線が20~27番線を使用しており、1~10番のりばが存在しない。
これは、開業当初新幹線のりばが1番線からとなっていたが、1985年(昭和60年)のホーム拡張に伴い、番線表示を20番からカウントすることになったためらしい。
それはさておき、外側16番のりばに、221系の快速加古川行きが入線してきた。
その横顔。快速は三ノ宮・神戸まで先着し、明石までの間に後続の新快速に追い抜かれる。
221系はJR西日本が分割民営化後最初に設計・製造した車両で、近鉄5200系の設計思想を取り入れた3扉転換クロスシート車は、その後私鉄王国関西におけるJRの大躍進をもたらす革命的存在となった。
内側の15番のりばには、321系の普通須磨行きが到着。
その横顔。痛ましい福知山線脱線事故で廃車となった207系補充のために製造され、2005年(平成17年)に営業運転を開始した。
そして、外側16番のりばに到着した223系は、2016年(平成28年)のダイヤ改正で廃止となる新快速播州赤穂行き。
先に出発した15番のりばの普通電車に次の大阪駅で追いつき、緩急接続を行う。
【17・18番のりば】特急列車:山陰方面
17・18番のりばからは、山陰方面に向かう特急電車が発車する。
全5面10線の長大な新大阪駅。11番のりばに停車している289系特急くろしお号が、はるか遠くに感じる。
山陰方面行きの特急(こうのとり・スーパーはくと)は、はるか・くろしおと異なり、大阪駅を通り、福知山線や智頭急行を経由して山陰方面に向かう。
18番のりばに、当駅始発の287系特急こうのとり号城崎温泉行きが到着した。
大阪駅からJR宝塚線(福知山線)を経由して、北近畿地方の豊岡・城崎温泉方面に向かう。
特急名の背景が黄色になっているのは、JR宝塚線のラインカラーにちなんでいるらしい。
それまで運行されていた「北近畿」「文殊」「タンゴエクスプローラー」等を統合し、2011年(平成23年)より運行が開始された。
特急名の「こうのとり」は、兵庫県豊岡市で繁殖が進められている「コウノトリ」にちなんだもので、地元の強い要望を踏まえて決定されたらしい。
そして、向かい側の17番のりばには、北陸方面からやってきた大阪行きの681系特急サンダーバード号が入線。
サンダーバード号は長い9両編成であるのに対し、こうのとり号は短い4両編成だ。
かつては国鉄時代から使われている381系が主流だったが、2015年(平成27年)10月より、この287系の置き換えられた。
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223系新快速京都方面湖西線経由敦賀行き入線・発車@13番のりば
⇒321系普通宝塚方面新三田行き入線@15番のりば
[JR新大阪駅]287系特急こうのとり号城崎温泉行き入線風景201512